本屋を開業するには?必要な手続き・資金・仕入れ方法を解説

本好きの人の中には、「いつか自分の本屋を開きたい」と夢を描く人もいるでしょう。しかし現実的に考えると、「どんな手続きが必要なのか」「将来性のあるビジネスなのか」「開業資金はいくら必要か」といった疑問が浮かびます。

市場全体で見ると書店数は減少していますが、店主独自のユニークな選書が話題の本屋や、カフェ併設型の本屋なども各地で生まれています。この記事では、本屋を開業したい人に向けて、必要な手続きや資金、仕入れや開業までの流れを解説します。

📝この記事のポイント

  • 書店数は減少傾向にある一方で、独立系書店など小規模な本屋の工夫も広がっている
  • 新刊書だけを販売する本屋であれば、原則として特別な資格は不要
  • 古書を扱う場合や飲食・宿泊を組み合わせる場合は、業態に応じた許可・届出が必要
  • 開業資金は物件、内装、在庫量によって大きく変わるため、初期費用と運転資金を分けて計画する
  • Squareのキャッシュレス決済やネットショップ作成は低コストで個人店でも導入しやすい
目次


本屋開業前に知っておきたいこと

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ここでは書店員の経験などがなくても、本屋の経営について少しでもイメージできるよう、ビジネスの基本を解説します。

本屋の主な仕事

書店経営者のおおまかな仕事内容は、書籍や雑誌を仕入れて販売することです。言葉でいうとシンプルですが、それに伴う棚づくりや在庫管理、接客のほか、イベント企画や会計などの業務が発生します。主な業務は以下のとおりです。

  • 書籍や雑誌の発注、在庫管理
  • ターゲット層の分析、売上分析
  • イベントやキャンペーンの企画
  • 書籍の陳列、POP作成、予約受付

売れ行きなどをもとに、ターゲット層の関心や興味を分析することも欠かせないでしょう。陳列の工夫や、お客さまの関心をそそるキャンペーンやイベントの計画も必要です。新刊の予約受付やレジ締めなど、小さな本屋ほど店主が複数の業務を担うことになります。

本屋の種類

近年では本屋の業態は広がり、ただ本を売るだけでなく、コーヒーを片手にゆっくり読書がたのしめる「ブックカフェ」や、日が昇るまで読書できるブックラウンジ併設の宿泊施設なども登場しています。実店舗なしで始められる「オンライン書店」や、シェア型書店を利用した開業、イベント出店などは手軽に本屋を始められる方法です。

なかでもシェア型書店は、入会金や月額費用を支払うと店舗の一区画で自身がセレクトした本を販売できる仕組みです。棚や区画ごとに異なる店主の「小さな本屋」が1カ所に集まっているイメージで、1店舗あたりの店主の数は100以上にのぼることもあります。代表的な店舗には、「PASSAGE by ALL REVIEWS」(東京・神保町)や「糸島の顔がみえる本屋さん」(福岡・糸島)などがあります。

国内の本屋市場の状況

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おもしろい発想を持った本屋が次々と登場する背景には、ネット通販や電子書籍の普及による紙の本の販売不振があります。経済産業省などのまとめによると、2014年から2024年にかけて日本国内の書店数は14,658店から10,417店に減少しており、新規開店も減少傾向にあります1。

一方で、「独立系書店」に絞ってみると、出店数は増えているともいわれています。独立系書店とは店主がこだわりを持って選んだ本が並ぶ、個性的な個人経営の小規模書店を指します。出版取次業のトーハンによると、2024年10月時点で全国では341店の独立系書店が営業中とみられています2。経済産業省も2025年に「書店活性化プラン1」を公表するなど、書店ビジネスを盛り上げようという機運も見られます。

本屋開業に必要な資格・許可・届出

本屋そのものを開業するために、国家資格のような特別な資格は原則として必要ありませんが、扱う商品や営業形態によっては許認可や届出が必要です。

新刊書だけを販売する場合

新刊書や雑誌を仕入れて販売するだけであれば、一般的には特別な営業許可は不要です。ただし、個人事業主として始める場合は、開業届を事業開始日の属する年分の確定申告期限までに税務署へ提出します3。青色申告をしたい場合は、別途「所得税の青色申告承認申請書」の提出期限も確認しておきましょう。

法人として始める場合は、会社設立の手続きが必要になります。店舗を借りる場合は、用途地域や建物の用途、消防設備のほか、看板設置のルールも確認しましょう。

古書を扱う場合は古物商許可が必要

古本を買い取って販売する場合は、古物商許可が必要です。申請先は、営業所を管轄する警察署です。東京都の場合、申請手数料は19,000円と案内されています4。

無許可で古物営業を行うと、古物営業法に基づく罰則の対象になる可能性があります。新刊書店の一角で古書を買い取って販売する場合も、事前に警察署へ確認しておきましょう。

ブックカフェや宿泊施設を併設する場合

「ブックホテル」や「ブックカフェ」など、本の販売に加えて飲食や宿泊を提供する場合は、本屋とは別の手続きが必要になります。詳しくは、以下の表を参考にしてください。

  対象 必要な手続き 費用
飲食店営業許可 飲食物を提供する場合 保健所に相談し、施設基準を満たしたうえで申請する 20,000円程度(自治体によって異なる)
食品衛生責任者の設置 飲食店営業許可が必要な営業を行う場合 資格者がいない場合は講習を受ける 12,000円程度(自治体によって異なる)
防火管理者の選任 飲食店など特定用途がある防火対象物で収容人数がスタッフ含め30人以上の場合 消防署に確認し、必要に応じて講習を受ける 10,000円程度(講習種別によって異なる)
深夜酒類提供飲食店営業の届出 深夜0時〜6時に酒類を提供する飲食店営業(例外あり) 警察署に届出を提出する 0円
旅館業許可 宿泊施設を営む場合 自治体や保健所に相談し、申請する 自治体によって異なる

必要な手続きは自治体や店舗の設備、提供するメニュー、収容人数によって変わります。物件を決める前に、保健所や消防署、必要に応じて行政書士などに相談すると安心です。

本屋開業に必要な資金

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これから本屋開業に向けてコツコツと貯金をする予定の人もいるかもしれません。開業資金の目安は、店舗を借りるか、自宅や間借りで始めるかなどで異なります。

開業資金

店舗を構える場合、物件取得費、内装・外装費、棚やレジ台などの什器、初期在庫、レジ・決済まわりの費用などがかかります。以下は、中小企業基盤整備機構が事例として挙げている古本屋の開業資金の内訳です。東京都墨田区に10坪の古本店を、従業員0名で開業する場合のモデルケースです7。

項目 費用
物件取得費 約170万円
内外装工事費 約200万円
設備・備品費 約100万円
広告宣伝費(求人費含む) 約30万円
仕入れ(古書組合加入費含む) 約110万円
合計 約610万円

新刊書を扱う書店の場合、仕入れに必要な費用が上記よりも多くなることが想定されます。なお、開業資金すべてを自己資金で準備できない場合、経済産業省や中小企業庁は日本政策金融公庫による「新規開業・スタートアップ支援資金」や、全国の信用保証協会による「創業関連保証」の活用を促しています1。

運転資金

運転資金とは、支払わないと事業が立ち行かなくなる性質の資金を指します。たとえば仕入れ費や家賃、光熱費、人件費や決済手数料などです。本屋は仕入れた本がすぐに売れるとは限らないため、運転資金は最低でも3カ月分用意しておくことが一般的です。どれくらいの資金があれば1カ月乗り切れるかを算出したうえで用意しておくといいでしょう。

本屋開業までの流れ

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本屋を開業するには、仕入れや販売チャネルの準備などいくつかのステップがあります。

(1) 店舗のコンセプトと取り扱う商品を考える

大型書店ならさまざまなテーマの本を幅広く扱えますが、個人で開く小規模な店舗は商品数が限られます。コンセプトとターゲット層を決めることで、他店と差別化しやすくなります。絵本など子ども向けの本に特化するなら、小さな椅子や遊べるエリアを設けるなどの店舗設計も考えやすくなります。

(2) 事業計画を作成し、資金調達をする

コンセプトが固まったら、開業に必要な資金や毎月の支出、売上目標などを事業計画にまとめます。物件取得費や内装費・什器費用に加え、初期在庫やレジ・決済端末など、開業前に必要な費用を洗い出しましょう。

自己資金だけでは足りない場合は、日本政策金融公庫などの融資や助成金、クラウドファンディングなども検討します。融資を検討する場合は、日本政策金融公庫が公開している創業計画書の様式5などを参考に、資金使途や売上見込みなどを説明できるようにしておきましょう。

(3) 販売チャネルを決める

実店舗やオンライン販売、シェア型書店など、どこで販売するかを決めます。最初から店舗を借りるのが不安な場合は、イベント出店やオンライン販売から始める方法もあります。実店舗を構える場合は、コンセプトやターゲットに合った出店場所を探しましょう。

(4) 店舗の工事・什器を導入する

物件が決まったら、内装工事を行い、書棚やレジ台などの什器を準備します。本屋では、限られたスペースに多くの商品を並べるため、お客さまが店内を回りやすいか、本を手に取りやすいかを考えてレイアウトを決めることが大切です。

(5) 必要な許可を取得する

営業形態によって許可や届出が必要な場合は、開業前に手続きを進めます。古書を買い取って販売する場合は古物商許可、ブックカフェを営む場合は飲食店営業許可などが必要です。

(6) 仕入先を見つける

新刊書は、主に取次会社や出版社から仕入れます。従来、新刊を扱う書店を出店するには、多額の保証金を取次会社に支払う必要があり、それが新規出店のハードルとなっていましたが、最近は取次店による少額仕入れに対応する取り組みも出てきています。

トーハンは連帯保証人や信認金が原則不要の小型書店向け開業パッケージ「HONYAL2」を提供しているほか、楽天ブックスネットワークによる1冊から本を卸売りする少額取引専用サービス「Foyer6」などがあります。

古書を扱う場合は、古物商許可を取得したうえで、個人や法人から買い取る、蔵書整理の相談を受ける、古書組合に加入して交換会に参加するなどの方法があります。

(7) 宣伝をする

開業日が決まったら、SNSやウェブサイトなどを使って告知を始めます。店舗のコンセプトや取り扱う本、アクセス、営業時間、オープン日などを伝えましょう。
近隣のお客さまに来店してもらいたい場合は、地域向けの情報発信も有効です。開業後に読書会やトークイベントを予定している場合は、あわせて告知すると来店のきっかけを作れます。

(8) レジや決済端末を準備する

最後に、会計に必要なPOSレジや決済端末を準備します。現金だけでなく、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などに対応できれば、現金をあまり持ち歩かないお客さまのニーズにも応えられます。

書店を成功させるコツ

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本屋は開業して終わりではありません。続けるためには、来店の理由を作り、売上の柱を複数持ち、日々の運営を無理なく回せる形にしていく必要があります。

個性的な店舗を作る

小規模な本屋では、すべてのジャンルを広くそろえるより、店の個性が伝わる棚づくりを意識すると選ばれやすくなります。コンセプトが決まれば、店舗設計やPOP制作、SNSでの宣伝やイベント企画も進めやすくなります。

発信とイベントで来店理由をつくる

SNSでの発信はいまや本屋に欠かせないマーケティング方法です。新入荷の紹介だけでなく、店内で開催するイベントや、扱っている雑貨の紹介、店主のコメントや売り切れ・再入荷情報など、いろんな角度から情報を届けていくとさまざまな層に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
異業種とのコラボレーションやイベントの定期的な開催も集客が期待できる取り組みです。たとえば渋谷・神山町にある「SPBS(Shibuya Publishing Book Sellers)」では、雑誌づくりや街づくりなどをテーマにしたワークショップを定期的に開催しています。下北沢にある「本屋B&B」では、特定の書籍についてゲストがトークを繰り広げるイベントを頻繁に行っています。

オンライン販売を用意する

遠方のお客さまや、SNSで見た本を買いたいお客さまに向けて、オンライン販売の導線を用意しておくと機会損失を減らせます。ネットショップを作る方法のほか、問い合わせがあった本だけ決済リンクで販売する方法もあります。

支払い・購入方法を充実させる

本との出会いは偶然に起こることも多いものです。気になる本を見つけたお客さまが、現金の持ち合わせがないために購入をあきらめてしまうこともあります。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などに対応しておくと、その場で購入してもらいやすくなります。

Squareなら決済・レジ・ネットショップを簡単に準備できる

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本屋を一人または少人数で運営する場合、レジ、売上管理、在庫管理、オンライン販売を別々のツールで管理すると、入力や確認の手間が増えます。開業時から管理方法をそろえておくと、日々の運営が軽くなります。

Square POSレジは無料で使えるPOSレジアプリです。商品登録、売上確認、在庫管理、顧客管理などをまとめて行えます。小さな本屋でも、どの本がいつ売れたのか、イベント時にどのくらい売上があったのかを確認しやすくなります。

キャッシュレス決済を受け付けるなら、Square リーダーを使う方法があります。Square リーダーは1台4,980円で、スマートフォンやタブレットと組み合わせて使えます。店舗のレジ台を大きく取れない本屋でも、省スペースで始めやすい端末です。

Square リーダーを導入している東京都内の書店「書肆スーベニア」の店主、酒井隆さんは、本屋でキャッシュレス決済に対応するメリットについて以下のように話しています。

「本屋さんってやっぱり偶然の出会いで買うものが結構多かったりするので。お財布に今現金足りない!みたいなときにも、やっぱりクレジットカードがとりあえず使えるってなっていると(笑)。特に古本は一点ものがほとんどなので、クレジットカードが使えるんだってなると、買っていただけることが多いですね」
ー書肆スーベニア 店主 酒井隆さま

▶︎書肆スーベニアの導入事例を読む

オンライン販売を始める場合は、Square オンラインビジネスでネットショップを作成できます。無料プランから始められ、店舗販売とオンライン販売の在庫管理をまとめやすくなります。

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▲Squareで作成したネットショップのイメージ

ネットショップを作る前に、SNSで問い合わせがあった本だけ販売したい場合は、Square リンク決済も使えます。商品名と価格を登録して決済用リンクを作成し、メールやSNSでお客さまに共有できます。Square オンラインビジネスやSquare リンク決済では、特定商取引法に基づく表記のページも設定できます。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

Squareはアパレル店やカフェからサービス業まで、あらゆる業種に対応するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます。アカウント作成は無料、月額利用料も0円。売上は最短即時入金、スマホを使ったタッチ決済なら端末購入も不要と、キャッシュレス化をはやさでサポートします。

まとめ

この記事では本屋の開業のしかたについて説明してきました。書籍の電子化が進む一方で、独立系書店を筆頭に紙での書籍を扱う本屋も盛り上がりを見せています。シェア型書店、イベント、オンライン販売などで小さく試す方法もあります。Squareのようなサービスの活用も検討しながら、自分の店に合う規模と販売方法で、本屋開業に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。

よくある質問

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本屋の開業を考えている人からのよくある質問をまとめました。

本屋を開業するのに資格は必要ですか?

新刊書を販売するだけであれば、原則として特別な資格は必要ありません。ただし、古書を買い取って販売する場合は古物商許可が必要です。ブックカフェ、宿泊施設、深夜に酒類を提供する店舗などは、別途許可や届出が必要になることがあります。

本屋の開業資金はいくら必要ですか?

物件を借りるか、自宅やシェア型書店から始めるかで大きく変わります。店舗を構える場合は、物件取得費、内装費、什器、初期在庫、レジ・決済まわり、広告費、数カ月分の運転資金を見込む必要があります。

本屋でもオンライン販売はできますか?

できます。ネットショップを作る方法のほか、SNSで問い合わせを受けた本だけ決済リンクで販売する方法もあります。オンライン販売を行う場合は、特定商取引法に基づく表記、送料、返品条件、発送時期を明記しておきましょう。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2018年5月23日時点の情報を参照しています。2026年9月3日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。