新卒採用との違いは何?初めての中途採用計画の作り方

経験があり、即戦力になる人材の獲得を目指すなら、中途採用は欠かせません。また退職者の欠員補充をする際にも、中途採用は選択肢の一つとなります。

今回は中途採用時に必要となる、中途採用計画の作り方について紹介していきます。

中途採用の特徴とは

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中途採用の特徴は、新卒採用と比較することで分かりやすくなります。

新卒採用はあくまでも自社に合った学生を採用することが主な目的であり、教育や研修期間が生じることが前提となっています。

中途採用では学生ではなく、社会人経験があり即戦力となる人材を採用することができます。ビジネスマナーの基礎は既に身につけている可能性が高く、入社初日から活躍してくれるような人材の採用も期待できます。

中途採用の準備と流れ

中途採用計画を作る際は、プロセスの全体を俯瞰して考えることが大切です。中途採用の準備と流れについて、順番に説明していきます。

1, 採用目標設定

中途採用計画の準備で最初にすることは採用人数や予算など、採用目標の設定です。具体的な項目は以下の通りです。

採用目標を明確にする
採用ポジション、人数、期限(時期)などを決定します。

採用手段を決定する
採用手段には転職サイト、人材紹介会社、ハローワークなどさまざまな方法があります。また最近ではソーシャルメディアを活用するソーシャルリクルーティングも採用手段の一つです。

要件を明確化する
スキルや資格、経験職種、経験年数など要件を明確化します。特に複数回面接を実施する際は、面接担当者同士で要件を共有していないと採用が決まりづらくなってしまうことがあるので注意が必要です。

予算を決定する
転職サイトや人材紹介会社を利用する場合、費用がかかります。採用活動にかける予算は明確にしておきましょう。転職サイトに求人広告を掲載する際も、予算によってできることが変わってきます。

採用スケジュールを決定する
書類選考の時期、面接回数、面接担当者の決定など採用スケジュールを決めることも大切です。人事部だけでなく配属予定の部門としっかり協議し、最適なスケジュールを決めましょう。

給与や福利厚生など募集要項を決定する
業務内容や給与など、求職者が必ず確認する項目を事前に決めておきましょう。入社3年から5年後のモデル年収なども提示しておくことがポイントです。

自社の魅力をまとめておく
中途採用では求職者に自社の魅力をアピールするためのツールを用意しておくことも大切です。自社のパンフレット以外にも、最新の取組みなど、求職者にアピールできる項目は情報としてまとめておきましょう。まとまった情報があれば、転職サイトやソーシャルメディアで自社の魅力を発信する際に役立ちます。

2,書類選考の実施

中途採用の募集がスタートしたら、次に取り組む業務は書類選考です。

書類選考は人事部でスクリーニングをすることが多いようですが、応募数が膨大でなければ最初から配属部門と情報を共有した方がいい場合もあります。スクリーニングに参加するメンバーは状況によって柔軟に判断することも大切です。

また、応募書類は個人情報でもあるため、取り扱いには厳重な注意が必要です。書類の保管方法や廃棄するまでの保存期間も決めておきましょう。

3,面接の実施

書類選考の次に必要な業務は面接の実施です。

経歴や実績だけではなくコミュニケーション能力や雰囲気などもしっかりとチェックしましょう。質問項目は応募しているポジションに応じた、適切なものを準備します。管理職の募集であれば、対人能力、マネジメントスキル、ストレス耐性に関する質問の準備も必要になってきます。

また面接は企業が求職者を見る時間でもありますが、求職者が自社を見る機会でもあります。圧迫面接や失礼な態度は、企業のイメージが悪くなるリスクがあるため注意が必要です。

4,合否の判断

面接が終わった後は合否の判断を実施しましょう。複数名の面接が終わった後に合否を決めるなら、求職者には結果がいつになるのか、伝えておくことも大切です。

優秀な人材は合否の連絡が遅くなると他の会社に決まってしまうリスクもあるので、合否判定までの期間は長くなり過ぎないように注意しておきましょう。合格が決まったら本人への連絡を行い、配属先部門と連携して入社日の調整が必要となります。

中途採用計画の立て方

中途採用計画を立てる際は、中長期的な採用について考えておくことも大切です。創業間もない時期や社員数がそこまで多くない場合、新規事業の立ち上げや欠員補充など、中途採用はその都度の実施で問題はありません。

しかし多数の従業員を抱えている、ビジネスモデルを確立している、もしくは離職率や離職者が増える時期が事前に分かっている場合、中途採用計画を3年から10年単位で考えておくことも必要です。

どのタイミングで中途採用を実施するのか長期的に計画しておくことで、よりスムーズな中途採用が可能となります。

中途採用計画を作る際のポイント

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中途採用計画を作る際のポイントは、データを蓄積して活かすことです。一度作って終わりではなく、細かい部分は毎回見直していくことが大切です。

たとえば、人材紹介A社と転職サイトB社に依頼して求人募集したとしましょう。どの程度の費用をかけて何人採用できたのか、経費に対する効果の測定が欠かせません。そして実際にどのような人物を採用できたのか、また採用した後の現場での評価など、さまざまなデータを記録しておくことが大切です。

上記は一例ですが、自社で採用データを持っておくと求人広告に掲載する内容や、依頼する人材紹介会社・転職サイトの選定、報酬や福利厚生の内容決定など、さまざまなシーンで参考にすることができます。

転職市場は毎年変化し続けるものです。中途採用計画の雛形がある程度固まったとしても、常にブラッシュアップすることが大切です。

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面接をする際のポイント

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面接をする際のポイントは、「質問設計」と「アイスブレイク」の二つです。

質問設計をあらかじめしておくことで、面接に時間をかけすぎず必要な項目を確認することができます。質問設計は職種問わず共通して実施するものと、募集する職種やポジションに応じて実施するもの、両方を準備することをおすすめします。面接を複数回実施する場合でも質問内容と解答を共有することで、採用活動をよりスムーズに進めることができるようになります。

また面接の際は募集の経緯など、基本的な説明の他に簡単な自己紹介や天気の話題など、短いアイスブレイクを挟んでおくことも大切です。アイスブレイクがない、本題だけの面接は求職者の緊張が溶けず、空気が重くなってしまいがちです。アイスブレイクは話しやすい空気をつくることにも役立つため、きちんと求職者の人柄を見極めることができるでしょう。

新卒採用と中途採用はそもそもの目的が異なるので選考の基準や人材に求めるスキルも新卒採用とは全く違ったものになります。中途採用は独自の運用ルールを決めることが大切です。

一方で、書類選考から面接・採用決定までのプロセスそのものに、新卒採用との大きな違いがあるわけではありません。これまで新卒採用を行っていて、新たに中途採用をスタートする場合は新卒採用で実施している運用ルールは応用して使うことも有用な手段だといえるでしょう。いずれにせよ中途採用の成功には、現場と人事部門の連携を前提にした中途採用計画が欠かせません。新たに中途採用計画を作成する際は、部門間のコミュニケーション・意見交換を活発にすることをおすすめします。

参考:
中途採用サポネット『中途採用面接で聞くべき厳選質問集[50選]|面接官の心得』
All Aboutビジネス・学習『新卒・中途人材の採用計画の立て方』
ダイレクトソーシングジャーナル『事業計画に基づく採用計画の立て方』

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執筆は2018年11月29日時点の情報を参照しています。
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