雰囲気や味が変わる?!飲食店経営に欠かせないBGM効果

飲食店を経営するにあたり、お客様に満足していただくには視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚といった五感すべてを満足させる演出が必要です。その中でもお客様の聴覚に訴える方法に、BGM (バックグラウンドミュージック / Background music )の活用があります。たとえば、ラーメン屋でBGMとしてクラシック音楽が流れていたら、豪快に麺をすすろうとしたお客様は違和感を持つかもしれません。その場に合わない曲が流れていたら、せっかくのお店の雰囲気や料理のコンセプトが台無しになってしまうこともあります。

これまで入りやすいお店の店頭づくり物件選びのポイントなど飲食店経営で押さえたいポイントを紹介してきました。

今回は、来店したお客様の満足度向上とお店の売り上げ増加にもつながるBGMの効果と導入の仕方について紹介します。

BGMの効果

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精神的効果

BGMの効果は昔から認識されており、古くは4,000年前にエジプトで妊婦に音楽を聞かせて陣痛を和らげたという記録や、中国・インド・古代ギリシャなどで、音楽が精神療法の一つとして用いられてきたことが史実に残っています。このようにBGMは人間の心や体に働きかける効果があると言えるでしょう。

参考:一般社団法人日本BGM協会 BGMの歴史と現代

マスキング効果

マスキング効果とは、ある周波数帯で音を発生させることで別の音を聞き取りにくくする効果のことです。多くのお店では、雑音や騒音などを消すために、マスキング効果を狙ってBGMを利用しています。BGMを流すことによって、「お店の外の車の音」や「近くの席の人たちの話し声」「スタッフ同士の会話」など気になる音を遮断してくれます。

BGMを上手に活用することによって、お客様の気分に働きかけたり、お店の雰囲気作りをしたりすることができるのです。

おすすめBGM

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お店の形態や提供している料理の種類によって、効果的なBGMは異なります。流れる曲次第でお客様の食欲にも影響してしまうのがBGM選びの難しくもあり、選び甲斐のある点です。BGMの選び方について具体的な例をあげてみますので、ぜひ参考にしてみてください。

音楽の種類別

・ジャズ

ジャズは、西洋音楽の技術と理論、及びアフリカ系アメリカ人の独特のリズム感覚と音楽形式とが融合して生まれた音楽です。リズムに変化があり長時間聞いていても飽きないことから、多くの業種でBGMとして採用されています。センチメンタルな曲調を中心に流すおしゃれなカフェがある一方、歌詞が外国語であまり耳に入ってこないという特徴もあるため、無心で食べれるとしてラーメン店などでも流れています。このようなことから、ジャズはBGMとして汎用性が高い音楽と言えるのではないでしょうか。

・クラシック音楽

一般的には西洋の芸術音楽のことをいいます。その繊細な音色から、ラグジュアリー感を演出することができます。高級な和食店やフレンチレストランなど格調高いお店で採用されていることが多いようです。

・J-POP(Japanese Pop)

J-POPは日本で制作されたポピュラー音楽のことです。耳馴染みのあるJ-POPは、ずっと聞いていたくなる人も多いのではないでしょうか。老若男女が訪れ、お客様に長時間滞在してほしい大衆居酒屋などに合うと考えられます。

曲の特徴別

・テンポの速い曲

テンポの速いBGMが流れていると、話すスピードと食べるスピードが共に速くなると感じる人も多いのではないでしょうか。客席回転率をアップさせたい行列のできるラーメン屋などにおすすめと言えます。また、ランチの時間帯に流すことも一つのアイデアかもしれません。客席回転率と売り上げへの影響に関する記事もぜひ参考にしてください。

・テンポの遅い曲

テンポの遅いBGMを聞くと、ゆっくり過ごしたいと感じる人も多いのではないでしょうか。コース料理をお客様にじっくり味わってもらいたい高級レストランなどに向いていると言えるでしょう。

BGMを選ぶときに大切なことは、「どのような雰囲気を作り上げたいのか」「お客様に料理をどのように楽しんでほしいのか」をイメージすることです。

著作権

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BGMを店内で流す時に忘れてはならないのが著作権です。著作権とは、著作者が創作した著作物を利用しようとする人に、利用を認めたり、禁止したりする権利のことをいいます。著作権法では、音楽を利用するにあたり、事前に、作詞者・作曲者・音楽出版者など著作権者の許諾を得る必要があると定められています。「自分で購入したCDを自分のお店でBGMとして流すだけだから問題ない」と考えていませんか。市販されている音楽を飲食店など営利目的の場所でBGMとして流す場合は、JASRAC(日本音楽著作権協会)に対して著作権手続きや著作権使用料の支払いが必要です。

JASRAC(日本音楽著作権協会)への著作権使用料が免除となるのは、以下の場合です。

・有線音楽放送など、BGMの音源提供事業者から音源の提供を受けている場合
・有線音楽放送とCDの両方をBGMとして流す場合
・カラオケや生演奏等で既にJASRACと契約している場合
・テレビやラジオの放送をそのまま流している場合
(インターネットラジオは原則として手続きが必要です。また、放送を録音・録画して流す場合や、特別な音響設備を利用する場合は手続きが必要です)

・教育機関での利用(※)
・福祉・医療施設での利用(※)
・事務所・工場等での主として従業員のみを対象とした利用(※)
・露店等での短時間で軽微な利用(※)

※ 営利を目的としていても、当分の間、使用料を免除しています。

また、著作権が消滅した曲や民謡など著作者がいない曲などもJASRACへの支払いは必要ありません。他には、店舗BGMサービスを提供している業者と契約する方法があります。どんなBGMを流したいかある程度決まったら、手続きや料金の支払いが必要かどうか、必ずJASRACが公開している情報に目を通してから導入しましょう。

参考:JASRAC(日本音楽著作権協会)各種施設でのBGM

飲食店の経営において、BGMによる効果はお店づくりに欠かせません。上手にBGMを取り入れて、よりお客様に満足していただき、店の売り上げアップを目指しましょう。

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執筆は2017年8月30日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash