3分で学ぶ!「貸借対照表(B/S)」の役割

四半期や半期ごとに作る「貸借対照表」。なかには毎月きちんと「月次決算資料」として作成している事業主もいるかもしれません。勘定項目が多いこともあり、知識なしに読み解くのは難しいかもしれません。

損益計算書でも登場した、チョコレート工場・専門店「みんなのチョコレート(※実在しません)」のカカ男(35歳)・チヨ子夫妻(34歳)は、今度はB/Sを理解するのに苦労しています。そこで今回は近くでカフェを5年ほど経営しているタナカくん(30歳)が、貸借対照表の役割についてわかりやすく説明してくれます。

貸借対照表(B/S)の役割とは

タナカくん:カカ男さん、チヨ子さん、こんにちは。今日は貸借対照表(以下、B/S)についてですよね。僕も最初は苦労しました……。今日はお店も閉めたことですし、貸借対照表の役割について「理解できた!」といってもらえるよう、説明していきますね。

カカ男・チヨ子:タナカくん、ありがとうございます。よろしくお願いします!

タナカくん:B/Sに入る前に、まずはB/Sと同じく、財務諸表に含まれる損益計算書(以下、P/L)のおさらいをしておきましょうか。P/Lの役割をざっと説明してもらえますか。

カカ男:ぬ、抜き打ちテスト……!(汗)

チヨ子:え、カカ男、もう忘れたの。では、わたしが説明しますね。P/Lの役割は「純利益」を求めることでした。方法としては、わたしたちがチョコレートを製造し販売するうえでかかった費用や、チョコレート以外で生み出した収益を足し引きして、最終的に手元に残る額(純利益)を算出しましたね。

もっといえば、純利益を求める過程で、どこにいくら費用をかけているのかも、わかりました。

P/Lの役割や活用法についても知りたい方はこちらから:https://squareup.com/jp/ja/townsquare/financial-statement/profit-and-loss-statement-index

カカ男:さすが、オレのチヨ子!

タナカくん:素晴らしい。チヨ子さんのいう通りです。P/Lの最終的な目的は、純利益を出すことでしたね。一方で、B/Sの役割は会社の資産を明らかにすることです。資産が何を指しているかは、わかりますよね。

カカ男:えーと……。

チヨ子:利益と負債を足したものですよね。

タナカくん:そうです!チヨ子さん、いいですね。細かくいうと、返済義務のない「純資産」と、他人から調達し返済しなければいけない「負債」を足したものです。これで会社が保有する全財産、つまり資産がわかるわけです。

カカ男:なるほど。たしかにP/Lでは「みんなのチョコレート」で稼いだ利益に焦点が当てられていたので、純資産しかわかりませんでしたね。

タナカくん:お、カカ男さん、思い出してきましたね。そうなんですよ。P/Lだけでは負債がいくらあるのかが、ほとんどわからない。

そう考えてみると、「前期に比べて利益は上がったのか、はたまた下がったのか」などを確認したいときにはP/Lが便利ですが、「他人に返済しなければいけない額がいくらあるのかも確認したい」というときはB/Sが便利です。

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もう一つ覚えておきたいのが、P/Lで純利益が出たからといって舞い上がるのは危険、ということです。今後やりくりができるかを知りたいときは利益だけでなく、負債も確認しなければいけません。なにせ利益を大幅に上回る負債があれば、やりくりが難しくなりますし、最悪の場合、倒産もありえますからね。

チヨ子:本当ですね。P/Lで純利益が出たからって早まって喜んでいる場合ではありませんね。負債も確認しなければ。お店はなんとしてもたたみたくないですし(泣)

タナカくん:そうなんです。なので「会社のやりくり、できるだろうか?」と思ったら、B/Sを頼りにするといいですよ。

チヨ子・カカ男:なるほど、理解できました!

チヨ子:(カカ男に対して)ほんとうに?

カカ男:(チヨ子に対して)ほんとうだよ!ちょっと忘れっぽいだけで、ちゃんと理解してるから安心してよ。

タナカくん:では、次回はB/Sの読み方に入りますね。


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(1)3分で学べる!貸借対照表(B/S)の役割
(2)3分で学べる!貸借対照表(B/S)の読み方
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執筆は2020年2月13日時点の情報を参照しています。
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