B by The Brooklyn Brewery | Square レジスター導入事例

2020年、日本初の銀行である第一国立銀行の分館として1923年に建てられた歴史的建造物の内部をリノベーションしたマイクロ複合施設「K5」が日本橋兜町に誕生した。今回は、その地下に併設されている「B by The Brooklyn Brewery」に話を聞く。2024年4月にSquareを導入した当店では、もともと別の決済サービスでキャッシュレス決済を受け付けていた。乗り換えはなにかと大変な作業であるが、それでも乗り換えたのはなぜか。また、ニューヨーク・ブルックリン生まれのブルックリン・ブルワリーは、なぜ初の旗艦店に兜町を選んだのか。オープン当初からマネージャーを務める本多克行(ほんだ・かつゆき)さんに話を聞いた。

業種 飲食業
業態 ビアバー
利用しているSquareのサービス Square レジスターSquare ターミナルSquare リーダーSquare POSレジSquare データ

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目次


旗艦店を兜町にオープンした理由

兜町といえば、「金融の街」として知る人も多いだろう。1878年(明治11年)に日本初の公的な証券取引機関となる「東京株式取引所」(現・東京証券取引所)の誕生をきっかけに、日本経済の中心地として栄えてきた場所である。ところが1999年には取引の電子化により、東京証券取引所の立会場は閉場。以降、街の活気は徐々に失われていった。歴史を継承しながらも再び兜町に活気を取り戻そうと、平和不動産の手による街づくりがはじまったのが2014年だ。その延長線上にあるのが、B by Brooklyn Brewery(以下、B)誕生である。

実は、ブルックリン・ブルワリーが生まれたニューヨーク・ブルックリンも、似たような道のりを歩んできた。

19世紀のブルックリンはオランダ人やイギリス人、ドイツ人などの移民が作り手の中心となり、アメリカ最大のビール生産地の一つになるほどビール作りが盛んだった。それが20世紀に入ると原料の価格高騰や法改正の影響により、当時のように商いを続けるのが難しくなった。そうしてブルワリーは次々と撤退。この街にもう一度ビールと活気を取り戻そうと立ち上がったのが、ブルックリン・ブルワリーの創設者、スティーブ・ヒンディとトム・ポッターだった。

2人はブルックリンの歴史と重なる部分があることから、自然と兜町に惹かれたという。土地は違えど、街に新たな息吹を吹き込む一員になりたいという思いからブルックリン・ブルワリーの旗艦店をもうけるのにふさわしいと判断したそうだ。

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決済スピードがとにかく遅かった

そうして2020年2月に兜町にあるマイクロ複合施設「K5」の地下に誕生したのが、Bだ。ブルックリンのメンバーと何度も打ち合わせを重ね、旗艦店で出すメニューやコンセプトについてとことん話し合った。Bが目指す形を本多さんはこう話す。

「単純なビアバーではなくて、何かが起こっている場所にしていきたいというのがありました。そのうえで音楽、アート、食とカルチャーの架け橋になれるようなイベントを開催しています。近隣で働く方々にもちょっと珍しがりながら来ていただいて、楽しいなと思っていただけたら嬉しいなと思います」

イベントは最低、週に1回は開催している。週末のイベントは特に若者に人気で、動員数は毎回100人に上る。内容は多種多様で、何度来ても新しい何かに出合えるようなつくりになっている。

ただ、開催のたびに困っていたことがある。キャッシュレス決済にかかる時間の遅さだ。

イベントではもちろん店の最大の売りであるビールを提供する。このとき、80人が一斉に列をつくることがある。当時の決済サービスだと、最後尾からの待ち時間は40分。「『もう買わない、帰る』という人ももちろんいました」と本多さん。待ち時間があまりにも長いと、イベントそのものの満足度にも影響が出る。

乗り換えたい。

しばらくそう感じていたなか、Square レジスターという決済端末があることを耳にした。ほとんど迷いなく導入を決めたという。

Square レジスターの導入で、レジ待ち時間は3分の1に短縮

Square レジスターで惹かれたのは、大きな画面だ。画面は従業員用とお客さま用とで二つあり、お客さま用の画面に金額や支払内容が大きく表示される。利用可能な支払方法も画面に表示されるので、「支払方法はどうしますか」という会話を省けることもあるという。

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「イベント時にお客さまが並ぶシーンを想像すると、やっぱり可視化が非常に大事かなと思います。(Square レジスターのように)大きい画面のほうがスタッフももちろん扱いやすいですし、 お客さまも画面から支払方法を選択できるので、『何で払いますか』と聞くひと手間が減ります。クイックにお会計ができるのは、双方にとってもメリットになると思います」

悩みのタネだった決済時間も短縮できた。

「ありがたいぐらい早くなりました。本当、以前と比べると3分の1ぐらいのイメージです。最後尾までだと10〜15分くらいはかかりますけど、それでも早いと思います」

特にレジに列ができやすいお店なら、決済時間は軽視できないとしみじみと話す。

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Squareの導入でストレスと負担が減った4つのこと

最大の悩みは決済スピードの遅さだったが、Squareを導入した結果、ストレスと負担が減ったことがほかにも4点あるという。

(1) 商品登録のための休日出勤がなくなった

ビールやフードメニューをはじめ、イベントで販売される商品をPOSレジに登録するのも、本多さんの役目だ。特にイベントで販売する商品は、出店者によるぎりぎりの変更や追加もあるため、当日の朝になるまで正式なラインアップがわからないこともある。以前までだと、商品登録は店舗にあるレジからしかできなかったそうだ。イベント開催日によっては、本多さんが休日の朝いちに出勤し、商品登録をしなければいけなかった。

Squareなら店舗にいなくても、パソコンから管理画面にログインして、あるいはスマートフォンのアプリ上からでも商品の登録や編集ができるので、わざわざ店舗まで足を運んで作業せずに済むようになった。

「マネージャーとしては非常にありがたかったです。 今だとわからないことがあればスタッフから連絡をもらって、遠隔から一緒に確認できています」

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▲Bのマネージャーの本多さん

(2) テーブル会計ができるようになった

Bではイベント時にはSquare レジスターを、通常の営業時にはSquare ターミナルを使っている。Square ターミナルも導入したのは、テーブル会計ができるからだ。Square ターミナルはワイヤレスで持ち運べるうえにレシートプリンターも搭載されており、お会計の流れでレシートをお客さまに渡すこともできる。以前の据え置き型の決済端末では叶えられなかったことだ。そもそもテーブル会計をしたかった理由を聞いてみた。

「ブルックリン・ブルワリーでは、コミュニケーションをとることを大切にしているんです。テーブル会計っていうのも、お客さんが『テーブル会計』というボタン押すと僕たちが行くようになっているので、お客さまはリラックスした状態でお会計をできます。そこで積極的にコミュニケーションをとれる時間が増えていくと思いました」

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たしかにレジだと列ができた途端に会話よりも次のお客さまのお会計を優先しなければいけなくなる。そういう意味でテーブル会計は、スタッフやお客さまの「待たせている」「待っている」という感覚を少し緩和できる方法かもしれない。

カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台

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(3) 返金作業が数時間から数分に

地味ながらも時間をとられていたこととして本多さんが挙げたのは、返金作業だ。ときおり起こる二重決済や会計額の入力ミスに対応するにはその場でお客さまのカードを預かって操作するか、翌日以降だとお客さまやカード会社に連絡をとって対処しなければいけなかった。ときには対応に2時間ほどかかることもあったという。

Squareだと払い戻し(※)はPOSレジ、またはSquareの管理画面で完結するうえに、たったの数秒でできる。お客さまのカードを預かる必要も、カード会社に連絡する必要もない。

「今はこの中(POSレジ)に収まってるので、もう本当に楽です。これまでは『翌日朝いちで返金作業からやらなきゃいけない』というのがあったので、マネージャーとしては本当にありがたいです。ストレスが減りました」

※払い戻しは、Square POSレジアプリからまたはSquare データから行えます。Square POSレジアプリまたはSquare データからの払い戻しは、お取引日から1年以内であれば可能です。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

(4) 以前と同様にモバイルオーダーも使えた

Bではコロナ禍をきっかけに、QRコードを読み取りお客さま自身のスマートフォンから注文するモバイルオーダーを導入した。衛生面を考慮しての判断でもあるが、人件費の削減も大きな理由である。

そのまま人件費を抑えられるよう、モバイルオーダーの体制を引き継ぎたいという思いが強かった。さらに以前のモバイルオーダーは当時利用していた決済サービスが提供していた機能だったため、決済サービスとモバイルオーダーでサービスを分けなくて済んだ。そのほうが手間も少ないため、可能なら次の決済サービスも同じ環境が理想だった。Squareならモバイルオーダーサービスの「funfo(ファンフォ)」との連携が可能。Bの要望にぴたりとはまったようだ。

決済サービスとモバイルオーダーを両方乗り換えることになるため、メニューを登録し直す必要はあったものの、最も重要視していた決済スピードの点を改善しながら、モバイルオーダーを変わらず利用できるのはうれしい点だと話す。

funfoはSquareの機能ではないものの、連携することによってfunfoで受けた注文の会計をSquareの決済端末で受けられる。連携の手順も数ステップで終わるので簡単だ。

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80席ある店内でお会計と注文のたびに各テーブルを回るとなるとホールも忙しなくなるが、変わらずモバイルオーダーに対応できるおかげで今も前と同じ人数でホールをまわせている。

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Bの今後の展望

コロナ禍も落ち着き、Bではようやく望んでいたような盛り上がりが見えてきた。最後に今後に向けた期待も聞いてみた。

「これまではずいぶんとコロナに苦しめられましたが、ようやく2023年になって、ちゃんと営業ができた気がしました。2023年の後半頃から人も増えはじめたので、これまでできていなかったアメリカとのおもしろい企画など、もう少しグローバルな視点でイベントをやれたらいいなと思っています。2023年11月に、うちのブリュー・マスター(醸造責任者)のギャレット・オリバーが来てくれて、ちょっとしたイベントをやったんです。これからもそういう方々をちゃんと招いて、ここだけのビールをつくったり、楽しいものを作っていけるといいなと思っています」

音楽やアートなどに触れると心が踊る人はもちろん、ビール好きなら覗いておきたい場所の一つといえる、B。特にクラフトビールへの愛情をじっくり深めていきたい人にとっては、ますますとっておきの場所になっていくような予感がした。兜町でのさらなる成長を楽しみにしたい。

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「(決済スピードが)ありがたいぐらい早くなりました。本当、以前と比べると3分の1ぐらいのイメージです」ーB By Brooklyn Brewery マネージャー 本多克行さま

Squareで実現できたこと

決済スピードが3分の1に短縮

以前の決済端末だと決済を受け付けるところから完了するまでに30秒から40秒ほどかかっていましたが、Squareに乗り換えたことで一連の流れが10秒弱に短縮。80人が一斉にビールを購入するためにレジで並ぶ、イベント時での待ち時間を短くすることができました。おかげで、お会計待ちを理由にお客さまの満足度が下がる事態も防げるようになりました。

モバイルオーダーを利用できた

Bではコロナ禍をきっかけに、衛生面を考慮してモバイルオーダーを導入。Squareの連携サービスにモバイルオーダーの「funfo(ファンフォ)」があったため、決済サービスを変えても、以前と変わらずモバイルオーダーを受けられる体制をつくることができました。モバイルオーダーは人件費削減の観点からも活用しており、今も前と変わらず、2人体制でホールをまわすことができています。

funfoはiOSに対応したアプリで、スマートフォン・タブレットなどのiOS端末にダウンロードすると使えるようになります。Squareの管理画面上と、funfoのアプリ上で簡単な設定をすることで、利用できます。funfoとの連携はたったの2ステップで完了します。詳細はこちらからご確認ください。

細かな作業の削減につながった

店舗の運営には細かな作業がつきものですが、それぞれにかける時間を少しでも削減できると1日の総作業量を減らせたり、もっというと勤務時間外での業務をなくせたりします。

たとえばBでは、以前まで店舗のレジからしか商品登録ができませんでした。そこで急な商品登録があると本多さんは休日でも朝いちで店舗に出向いて、商品登録をしていました。Squareならパソコンからアクセスできる管理画面から、あるいはスマートフォンのアプリ上から商品情報の登録・編集ができるため、商品登録だけのために店舗にわざわざ足を運ぶ必要がなくなりました。

また、返金作業も以前まではお客さまやカード会社とのやりとりを要し、場合によっては2時間ほどかかることもあったそうですが、Squareなら管理画面上から払い戻しができるため、お客さまのカードを預かり処理する必要も、カード会社に連絡する必要もなくなりました。


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記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2024年4月時点のものです。