負担割合に応じた診察報酬からの金額換算や、保険治療・自費治療・物販などの売上区分管理など、複雑な対応が求められる医療機関の会計業務。時間がかかってしまい、受診後の患者を待たせてしまうこともあるかもしれません。できることならすみやかに済ませたいものです。そこで役に立つのがPOSアプリです。
今回は、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末にインストールするだけで簡単に導入可能な、病院やクリニックなどの業務サポートに役立つオススメのPOSアプリを6点紹介します。
POSアプリとは
POSアプリは、一般的にモバイル端末で利用できるPOSレジ機能を備えたアプリケーションのことを指しています。POSはPoint Of Salesの略であり、日本語では「販売時点情報管理」と訳されます。
POSレジの大きな特色は、商品の売り上げや在庫情報などを自動的に記録、管理できる点にあります。
そのほかにも、顧客管理や従業員の勤怠管理機能、予約システムや電子カルテと連動する機能など、便利な拡張機能を備えたものが多く、販売業のみならず医療機関にとっても多面的な業務効率の改善が期待できます。
これまでは、ある程度導入コストがかかる据え置き型のPOSレジ機器が必要だったPOSレジが、現在はアプリケーションとしてモバイル端末でも利用できるようになっています。POSレジ導入への障壁が下がったことを背景に、病院やクリニックなどさまざまな医療機関でも目にすることが増えてきました。
POSアプリ導入のメリット
病院やクリニックがPOSアプリを導入するメリットは何でしょうか。据え置き型のPOSレジ機器と比較してみます。
導入コストが低い
まず挙げられるのが、導入時に費用面でのハードルが低い点です。タブレットやスマートフォンを持っていれば、無料で利用できるPOSアプリもあります。無料や比較的安く使える基本サービスに加えて、足りない機能があれば必要に応じてオプションで付けられるものも多く、カスタマイズ性や拡張性が高い点も魅力です。使い方によってはレセプト作成業務の効率化にも役立つでしょう。
端末だけでも高額なものが多い据え置き型のPOSレジ機器と比較すると、格段に金銭コストを抑えての導入が可能です。
直感的に操作ができる
タブレットやスマートフォンなどを利用するので、直感的に操作できる点もメリットとして挙げられます。タブレットやスマートフォンは普段から使用している人も多く、特別な操作方法を覚える必要がないため、受付スタッフも短期間で使いこなせるようになるでしょう。
持ち歩ける
モバイル端末を使ったシステムなので、持ち歩いて使える点も据え置き型との大きな違いです。タブレットを患者の傍に持ち運んで金額を確認したり、情報を記録したりすることも可能です。据え置いて使う場合でも、あまりスペースが必要ないうえに、見た目がスマートなため、院内の雰囲気を損なうこともありません。
どこからでも情報にアクセスできる
データがクラウド上に保存されているので、院外からでも随時データにアクセスし、管理ができるというメリットがあります。端末が違ってもログインできるので、緊急時の対応力にも差が生まれるでしょう。
このほかにも、据え置き型のPOSレジと同様に、多くのPOSアプリが決済端末と組み合わせることで、クレジットカードや電子マネーを含むキャッシュレス決済にも対応できます。医療機関でのキャッシュレス決済導入については、病院でもカード決済!導入をおすすめする理由の記事も参考にしてみてください。
オススメPOSアプリ6選
Square POSレジ
iOSとAndroidの両方に対応した無料のPOSアプリです。POSレジはアカウントを作成し、タブレットやスマートフォンなどにアプリをインストールすることで導入できます。専用のIC カードリーダー(Square Reader)とBluetooth接続すれば、クレジットカードや電子マネーでの決済にも対応できます。
このほか、在庫管理機能やスタッフの勤怠管理ができるタイムカード機能なども備えており、管理面で医療機関の業務効率を大きくサポートしてくれるPOSアプリです。
POSレジアプリの利用に必要なタブレット端末などが手元にない場合は、POSレジが搭載されたSquareのオールインワン決済端末(Square Terminal)を視野に入れてみてもいいかもしれません。POSレジの操作は、決済端末のタッチスクリーンから行うので、タブレットやスマートフォンは不要。レシートプリンターも搭載されているので、プリンターを別で用意する必要もありません。
病院でキャッシュレス決済を受け付けるメリットについてはこちらからご確認ください。
AirREGI(エアレジ)
iPadとiPhoneに対応した、無料で使えるPOSアプリです。SquareのICカードリーダーと連携してクレジットカードや電子マネーにも対応可能です。
周辺機器一式がセットになったスターターパックを提供しているほか、全国各地の大型家電量販店には専門の販売員が常駐する「Airレジ サービスカウンター」も設置しており、POSレジの導入に不安のある病院やクリニックでも安心してスタートできます。
ubiregi(ユビレジ)
iPad用POSレジアプリです。月額利用料0円のプランのほか、業種別有料プラン、必要な機能をチョイスできるカスタマイズプランなど、利用方法に合わせた各種プランが用意されています。Squareと連携してクレジットカード・電子マネー決済ができるほか、予約管理や会計管理システム、会計ソフトといった既存のさまざまなサービスとも連携が取れるなど、拡張性の高さが特色です。
POS+(ポスタス)
飲食店・理美容室・小売店と、業種に合わせて最適化されたラインアップが用意されているPOSアプリで、病院やクリニックの場合は理美容店向けの「POS+ beauty」ビューティーが利用しやすいでしょう。
導入や設置、月々の費用がかかりますが、担当者がマスター登録からトレーニングを行なってくれるので、POSレジ導入に不安がある人におすすめです。
クラウドPOS
iPad向けのPOSアプリです。導入の際には、iPadを含むすべての機器の一括提供も行われており、iPadや周辺機器はすでに初期設定がされた状態で届きます。初期費用や月額利用料がかかりますが、担当者が機器の設置や操作トレーニングを行うので、機器やPOSアプリの導入に自信のない人でも安心してスタートできます。
スマレジ
iPad・iPhone・iPod touch用の無料POSアプリです。小規模商店から大規模な多店舗展開企業まで、豊富な機能と使いやすさを常に見直し続けている点が特色です。有料で専門スタッフが赴いてレシートプリンターなどを設置して初期設定を行うセットアップサービスや、操作方法のトレーニングサービスなども提供しています。東京、横浜、名古屋、大阪、福岡にはスタッフの案内を受けながら実際に利用体験できるショールームもあります。
料金や機能、周辺機器との連携など、POSアプリにはさまざまな種類があります。それぞれの特色を比較しながら、自身の病院にあったPOSアプリを探してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2018年9月21日時点の情報を参照しています。2021年3月16日に記事の一部情報を更新しました。
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