これまでタクシー会社やホテルや旅館など、さまざまな業界でクレジットカード決済を導入するメリットを紹介してきました。今回は、病院でのクレジットカード決済導入について紹介します。
カード決済導入のメリット
病院でのクレジットカード決済導入は、総務省が行政苦情救済推進会議での検討結果を踏まえてあっせんを行うなど行政も推進しており、今後も導入する病院が増えていくと考えられます。実際、クレジットカード決済を希望する患者も多いようです。
参考:カードによる医療費の支払方式の拡大(総務省行政評価局)
また、東京都では東京発医療改革として都立病院でのクレジットカード決済対応を進めた結果、現在ではすべての都立病院でクレジットカード決済をすることが可能だそうです。
参考:すべての都立病院でクレジットカードが使えます(東京都病院経営本部)
病院でクレジットカード決済を導入することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。考えられるメリットを3つ紹介します。
1. 未回収リスクの軽減
病気や怪我は、ある日突然襲ってくることが多いです。病気にかかることや怪我をすること、ましてや医療費がいくらかかるかを想定して普段から現金を持ち歩いている人は少ないのではないでしょうか。手持ちの現金で支払いができないからといって、患者にとって体調が悪い状態で銀行やATMを探して現金を引き落としに行くことは困難でしょう。クレジットカード決済を選択できれば、患者も安心して診察や治療を受けられるのではないでしょうか。
2. 家族も安心
高額な医療費を支払う場合は、患者の家族などが支払うこともあるでしょう。高齢者や学生が高額な現金を持ち歩くことを心配する家族も多いのではないでしょうか。クレジットカードで支払うことができるのであれば、家族カードを利用できるので家族も安心できるでしょう。クレジットカード契約者の家族は家族カードを審査なしで作成でき、引き落としはクレジットカード契約者の口座から行われます。クレジットカード会社によって条件が異なりますので、興味がある場合は各社の情報を確認してください。
参考:家族カードとは!? 家族カード登録時の審査やさまざまなメリット(三井住友VISAカード)
3. 顧客満足度向上
病院でクレジットカード決済を導入することは、会計の際のお釣りのやりとりの煩わしさや手間を少なくすることができるでしょう。札束や小銭を数える、などに時間をとられないため、会計を速やかに終えることができ、患者の待ち時間削減にもつながります。また、病院内でさまざまな人が触れた現金を手にすることに対して衛生面で不安を感じる患者もいるかもしれません。クレジットカード決済を導入することは、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
4. 他の医療機関との差別化
国内での外国人患者の受入体制の向上を図るためにも、厚生労働省は外国人患者への医療提供体制の現状を調べ、その結果を2019年に発表しています。
参考: 医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査(厚生労働省)
病院を主な対象とした調査結果によると、キャッシュレス導入率は、おおよそ49.0%と半数でした。病院全体での導入率が約半数だとすると、地元のクリニックなどが含まれる「一般診療所」での導入率はさらに低いことが想定されます。
最近では最寄りのクリニックをインターネットなどで検索する際に、クレジットカードに対応しているかどうかを検索条件に入れて探せるようにもなりました。緊急の場合や現金の持ち合わせがない人であれば、クレジットカードで支払えることを条件にクリニックを探すかもしれません。このような場合、クレジットカードに対応していないクリニックなどは、検索結果からすぐにはじかれてしまうでしょう。
また、病院を選ぶ際には、定期検診を受けたり、通院したりすることを視野に入れて検討する人も多いでしょう。診察前に毎回ATMに立ち寄る手間のないキャッシュレス対応クリニックは、利便性が高くあまり多くの現金を持ち運びたくないと考える層には選ばれやすいともいえます。このようにクレジットカード決済に対応しておくことで他のクリニックと差をつけることは、患者数の増加にもつながるかもしれません。
訪日外国人にも安心して対応できる
日本に旅行する訪日外国人旅行者の数は年々増加しています。さまざまな業種で訪日外国人旅行者集客のためにクレジットカード決済を導入することのメリットを紹介してきましたが、病院においてもその必要性はあるようです。
訪日外国人旅行者の未払いリスクを防ぐ
日本滞在中に予期せぬ事故や怪我で病院で治療を受けたものの、医療費が未払いになるケースも発生しています。旅行保険に加入していない旅行者の場合、診察や治療にかかった全額が自費負担となり高額な医療費を支払うことになります。手持ちの現金で支払える額だけ払って、その後音信不通になってしまうケースもあるようです。医療を提供する側にとっては、目の前で苦しんでいる患者を前に「医療費を払うことができないなら治療をしない」という姿勢をとることは難しいこともあるでしょう。医療費の支払いにクレジットカードを使うことができれば、未払いとならずに済む可能性も高くなります。
医療観光にも対応できる
クレジットカード決済を導入することは、医療観光推進対策にもなります。医療観光とは、高度な治療、技術や前例が無いなどの理由で自国では受けることができない医療を求めて、他国に行くことを言います。医療ツーリズム、メディカルツーリズムなどとも呼ばれます。経済産業省でも、医療を受けることを目的に来日する外国人患者の受け入れがスムーズに行われるように医療機関に情報提供をし、医療観光を推進しています。
参考:外国人患者の医療渡航促進に向けた現状の取組と課題について(経済産業省)
Squareで導入コストを最小限に
病院での支払い方法にクレジットカード決済を導入するメリットを紹介してきましたが、いざ導入しようとすると初期費用や煩雑な手続きを懸念される方も多いのではないでしょうか。実際に導入や運用にかかるコストや手間を懸念して、導入を踏みとどまる病院も少なくないようです。
参考: 診療費の支払いにクレジットカード等が利用 できる病院を増やしてほしい (概要 )(総務省)
Squareでは二つの決済端末を提供しています。一つはスマートフォンやタブレットにアプリをインストールし、専用のICカードリーダーと組み合わせるだけで、キャッシュレス決済に対応できるモバイル決済端末(Square リーダー)です。
▲Square リーダーの使用例
もう一つはPOSレジとレシートプリンターを一台に凝縮したオールインワン決済端末(Square ターミナル)です。
▲Square ターミナルの使用例
月額利用料金などは発生せず、必要になるのは決済端末の購入にかかる費用(Square リーダー:4,980円税込、Square ターミナル:39,980税込)と決済時の手数料のみなので、膨大なコストをかけずにキャッシュレス決済に対応することができます。
Square リーダー、またはSquare ターミナルを病院で導入する方法やそのメリットなどについて詳しくはこちらからご確認ください。
病院での支払い方法にクレジットカード決済を導入することは、顧客満足度向上と業務効率化、新たな顧客層獲得につながるでしょう。ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2017年10月10日時点の情報を参照しています。2023年8月30日に記事の一部情報を更新しました。 当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash