「食」に関わる事業者なら知っておきたい!ベジタリアンとビーガンの違い

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健康な食生活やインバウンド対策と関連して、話題になることが多いベジタリアン。野菜中心の食生活であることは知っていても、細かい点については意外と知られていません。ビーガンとの違いが気になるという人もいるかもしれません。

2020年の東京大会もあり、ますますベジタリアンの訪日外国人が増えると予想されます。ベジタリアンの種類や人口に占める割合など、知っておきたいポイントを紹介します。

ベジタリアンとは

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「ベジタリアン」は「菜食主義者」ともいい、英国ベジタリアン協会発足に合わせて1800年代半ばからよく使われるようになった言葉です。「健全な、新鮮な、元気のある」という意味のラテン語に由来します。

参考:ベジタリアンとは?(日本ベジタリアン協会)

ベジタリアンとは、宗教的な理由や倫理観、健康や栄養上の理由などから、穀類や豆類、野菜、果物などの植物性食品中心の食生活をする人のことです。他にも、地球規模の環境や食料問題への意識によるものもあります。

欧米のほうがベジタリアンの人が多いという印象がありますが、実態はどうなのでしょう。2014年のNPO法人アニマルライツセンターの調査によれば、日本人のベジタリアン率は4.7%とされており、アメリカ合衆国の5%とさほど変わりません。ドイツが8%から9%、イタリアが12%、オーストラリアが10%となっています。

参考:日本と世界のヴィーガン率・ベジタリアン率(アニマルライツセンター)

意外と多いのが台湾の13%です。仏教と道教の影響により菜食主義者が多いといわれています。現在では健康意識の高まりによっても増えているそうです。また、インドもベジタリアンが多いことで知られています。2014年の調査では、全体で28.5%もの人がベジタリアンだと分かっています。

参考:インドのベジタリアン人口、全体の28.5% インド標本調査の発表(2016年7月4日、インド進出支援ポータル)

これらの数字が示すように、日本のみならず世界中にベジタリアンはおり、いつお客様として来店するかわかりません。また、取引先がベジタリアンの可能性もあるので、会食のお店選びにもベジタリアンの知識は役立つはずです。

ベジタリアンとビーガンの違い

一口にベジタリアンといっても、食べるもの、食べないものによって、さまざまなベジタリアンがいます。たとえば、ビーガンといわれる人たちが食べるのは、植物性食品と果物だけです。卵や乳製品なども含め、あらゆる動物性食品を口にしません。魚介類ももちろん食べないので、魚からとれただし汁も摂りません。

また、口にしないだけでなく、皮製品やシルク、ウールなどを身につけず、ゼラチンや動物の脂も使いません。甘味をつけるためのハチミツや化粧品などに含まれるコラーゲンも避けなければいけないため、注意が必要です。ビーガンは完全な菜食主義者といえます。

ダイエタリー・ビーガンは、ビーガンと同じく植物性食品しか食べませんが、ビーガンほど厳格ではなく、動物由来の製品を使用します。

ベジタリアンの種類

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ビーガン以外のベジタリアンについて説明します。ラクトオボ・ベジタリアンは、肉や魚介類は食べませんが、乳製品と卵は食べます。ベジタリアンといわれる人のなかで、いちばん多いかもしれません。

ほかに、卵だけ食べるオボ・ベジタリアンや乳製品だけは食べるラクト・ベジタリアンがいます。また、ペスコ・ベジタリアンは、卵、乳製品に加えて魚介類も大丈夫です。

オリエンタル・ベジタリアンは少し特殊といえます。仏教や道教などの宗教上の理由による菜食主義者で、中華圏に多くいます。注意しなければいけないのは、五葷(ごくん)と呼ばれる辛味があって匂いの強い野菜(にんにく、にら、らっきょう、玉ねぎ、あさつきなど)も食べないことです。

ベジタリアンと似ているものに、日本で生まれたマクロビオティックや果実しか食べないフルータリアンなど、さまざまな形があります。ビジネス面だけでなく個人としても、出会った人たちと理解しあうために、相手にとって重要な食のこだわりを知ることは大切なことでしょう。

国や自治体のベジタリアン対応

2009年に観光庁が「多様な食文化や食習慣のある外国人客への具体的な接遇手法」の周知を目的に、「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアル」を公開しました。日本での食事をおいしく食べてもらうための対応方法や、宗教や文化による食文化や食習慣の違いが解説されています。

訪日外国人が増える中、飲食店がベジタリアン対応を行うことで、世界中のベジタリアンへの門戸が開きます。また、野菜中心のメニューを展開すれば、成人病やダイエットなど、体の健康に関心の高い日本人の集客も期待できます。

ベジタリアン料理提供での注意点

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ベジタリアンは種類が多いため「ただ肉や魚を食べないだけ」という先入観は、間違ったサービスにつながる可能性があります。特に動物愛護への強い思いがある場合は、肉類を調理した器具を使用されることをいやがる人もいます。最初にベジタリアンの種類を知ることが大切です。

肉、魚介類全般を食べないベジタリアンは、「かつおだし」や「チキンスープ」なども使えないため、昆布や干し椎茸でだしをとります。昔から日本人に親しまれている精進料理は、一見ベジタリアン向けと思われがちですが、「かつおだし」を使用することがあるので注意しなければならないでしょう。バターやラードなど動物由来の脂ではなく、植物油を使用することも気をつけたいポイントです。

インドのジャイナ教では、じゃがいも、にんじん、しょうがなどの根菜や球根など、地中の野菜類は掘り起こす際に生物を殺傷するため食べることが禁じられています。厳格なベジタリアンがいる一方でフレキシタリアンと呼ばれる人たちがいます。文字どおりフレキシブルな人たちで、基本的にベジタリアンとして積極的には肉類を食べない食生活を送りながら、外食時などは肉を出されたら食べます。

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ベジタリアンを迎えるための準備

実際にベジタリアンをお店に迎えるためには、主に二つの方法があります。一つはベジタリアン向けのメニューを用意することです。欧米のレストランに多い対応で、メニューのベジタリアン向け料理に「V」や「Vegetarian」と表示しています。

ベジタリアンにとってはホスピタリティの高いサービスですが、お店にとっては制約の多い中で料理を考えたり、メニューを新しくしたりという負担が生じます。

もう一つが、メニューはつくらずケースバイケースで対応する方法です。ベジタリアン向けの新たな料理開発やメニューの変更はしなくても済みますが、ほかの負担があります。お客様からリクエストがあった時点での対応が求められ、ベジタリアンの種類や習慣の知識が必要です。

調理する人は、あらかじめベジタリアンの来店を想定して、献立や食材を準備しなければなりません。また、ホール担当のスタッフにもベジタリアンの要望を間違えて伝えることのないよう、一定の知識と心構えが求められます。

いずれの場合も大切なのは、おもてなしの心です。そばや卵などの食物アレルギーの人に対応するのと同じように、ベジタリアンを理解し、食事を楽しんでもらいたいというサービス精神が大事でしょう。

日本には、しめじや松茸など香りの高いきのこ類、昆布やわかめなどの海草、大豆からできる湯葉や豆腐など、ベジタリアンに向く豊富な食材があります。これらの食材をうまく使ってベジタリアンに対応したメニューを提供することで、国内外から来るお客様に選んでもらえるお店にしましょう。

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執筆は2019年2月25日時点の情報を参照しています。
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