経営者が知っておきたい最低賃金の基礎知識 〜2018年版〜

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「最低賃金」にまつわる知識は、従業員も従業員を雇用する立場にある経営者も、正しく理解しておきたいものです。

今回は、最低賃金の基本的な知識に加え、2018年度の最新情報についても紹介します。

最低賃金の基礎知識

「最低賃金」とはその名のとおり、企業経営者などの「使用者」が「労働者」に支払わなければならない最低金額の賃金のことです。

これは正社員だけではなく、パートやアルバイトなども含めた全ての労働者に適用される制度であり、違反している使用者には、法律に基づいて罰則が適用されます。

立場の弱い労働者が不当に安い賃金で働かされることがないよう、国が法律に基づいて金額を設定することで、セーフティネットの役割を果たしているのです。実際の金額は、最低賃金審議会によって調査・審議され、毎年見直されています。

参考:最低賃金制度(厚生労働省)

2種類の最低賃金

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。

「地域別最低賃金」は、都道府県ごとに決められている金額のことです。一般的に、東京や大阪など都市圏では高く、地方では低くなる傾向があります。

「特定(産業別)最低賃金」は、特定の産業や職業に対して設定されている金額です。2018年8月現在で233件の特定最低賃金が認められています。

どちらも適用される労働者には、より高い金額の方が最低賃金として設定されることに注意しましょう。

参考:賃金(厚生労働省)

最低賃金に関する罰則規定

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前述のとおり、最低賃金には罰則が定められています。

最低賃金を下回っていた場合

当然ですが、使用者は労働者に対して、最低賃金額以上の賃金を支払う義務があります。もしも下回っていた場合は、使用者は差額を支払わなければなりません。

地域別最低賃金額が支払われない場合は最低賃金法による50万円以下の罰金、また、特定(産業別)最低賃金額に関しては労働基準法による30万円以下の罰金が処せられます。

参考:最低賃金制度(厚生労働省)

使用者が労働者を不利益な取り扱いをした場合

もし、労働者が法律違反をしている使用者のことを都道府県労働局や労働基準監督署などに相談した場合、情報提供を理由にして、その労働者を解雇したり、不利益な取り扱いをしたりすることは禁止されています。

不利益な取り扱いに対しては、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が定められています。

周知義務を怠った場合

使用者には、最低賃金額を労働者に周知する法的義務があります。具体的には、常に作業場などの見やすい場所に掲示する、全員に通知を配るなどの方法が考えられます。

周知義務を怠った使用者に対しては、30万円以下の罰金が定められていますので、気をつけましょう。

賃金に関する行政への報告を怠った場合

厚生労働大臣および都道府県労働局長は、使用者や労働者に対して、賃金に関する報告をさせることができます。報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりした利用者には、30万円以下の罰金が定められています。

労働基準監督官の調査を拒んだ場合

労働基準監督官は、必要に応じて立ち入り検査や帳簿書類の調査、関係者への質問などを行うことができます。これらを拒んだり、嘘をついたりした使用者には、30万円以下の罰金が定められています。

また、注意すべき点として、もし使用者と労働者の間で、最低賃金額より低い賃金を合意上で決めたとしても、最低賃金法第4条第2項によって無効になります。

参考:
最低賃金法
労働基準法

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2018年度の改定ポイント

2018年8月10日、都道府県ごとの最低賃金の金額が出そろい、10月以降に順次改定される予定です。

参考:すべての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました(厚生労働省)

今回の傾向として、全体的な金額の引き上げが見られました。全国平均は、昨年度より26円引き上げられて874円となっています。最低賃金が800円を超える地域も28都道府県となりました。最高額は東京都の985円であり、次が神奈川県の983円です。

都道府県ごとの最低賃金は、国の中央最低賃金審議会によって示された目安額を参考にして、最終的に各都道府県労働局長が決定するものです。

今回は、都道府県ごとに23から27円の引き上げが目安として公表されていましたが、実際は、23県が国の目安額を超える賃金額を定めました。

参考:平成30年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚生労働省)

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深刻な人手不足が背景のひとつと考えられます。特に、地方においては、労働者がより高い賃金を求めて都市部に人口が流出してしまうため、最低賃金を引き上げることで格差をなくし、県外流出を防ごうとする狙いがあると見られます。

参考:最低賃金、目安額超え23県 近隣県より低い印象を回避(朝日新聞、2018年8月10日)

政府は、2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」において、「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。全国加重平均が1000円になることを目指す」としています。働き手不足という問題や政府の方針からも、最低賃金の引き上げは今後も続くと考えられます。

参考:働き方改革実行計画

毎年度見直され、改定される最低賃金。経営者としては、最新情報を必ずチェックし、賃金設定に気をつけることが大切です。

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執筆は2018年9月13日時点の情報を参照しています。
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