古物営業法の第三次改正にあたって知っておきたいこと

リサイクルショップを営んでいる、中古品が循環する仕組みを作りたいという人にとって、古物営業法は事業を営む上で避けて通れない法律です。

古物営業法が改正され、2018年4月に公布、一部が同年10月に施行されました。今回は古物営業法が対象とする「古物営業」とは何かから始め、古物営業法について、古物を扱う事業者が知っておきたい第三次改正での変更点や届け出時の注意点について説明します。

古物営業とは

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警視庁のウェブサイトに古物営業法について簡潔に解説したページがあります。同サイトにはどのようなものが古物とみなされるのか記載があります。新品や未使用品であっても古物となりうるケースがあり、開業前に確認しておくことをおすすめします。

古物営業法の第2条第1項では、古物は以下のように定義されています。

一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

参考:古物営業法の解説(警視庁)

また、同サイトには美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車といった古物13品目の分類と各分類の具体例の記載もあります。

古物営業とは、古物を売買するだけではないところに注意が必要です。古物営業法の第2条第2項によると、古物営業には「古物商」「古物市場」「古物競りあっせん業(インターネットオークションサイトの運営者)」の三つの分類があり、委託を含めた古物の売買と交換、古物商のための市場を経営、古物売買のあっせんも古物に関する営業とみなされます。警視庁の古物営業法FAQによると、古物を買い取ってレンタルする事業も古物営業となり、許可の申請が必要とあります。

参考:古物営業法FAQ(警視庁)

身近なところでは、リサイクルショップや金券ショップ、インターネットオークションの運営者などが古物営業をする事業者にあたります。

古物営業法とは

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古物営業法は戦後間もない1949年に施行された法律で、施行後は関連法との整合性を保つための改正や時流に合わせた改正が行われてきました。2018年4月に公布された改正は第三次改正と呼ばれる改正です。

古物営業法の第1条によると古物営業法は、盗品などの売買を防止し、速やかに発見し、窃盗といった犯罪を防止し、被害を迅速に回復することを目的としています。事業者としては、古物営業法では、古物を事業で扱うために必要な許可、どこでどう営業できるのか、違反した際の罰則などが定められていると知っておくとよいでしょう。

古物営業法の全文は総務省行政管理局が運営するe-Gov上に掲載されています。

参考:古物営業法の一部を改正する法律(e-Gov法令検索)

続いて最新の第三次改正で古物営業法がどのように改正されたのか見てみましょう。

古物営業法改正による変更点

古物営業法を全文読もうとすると、法律用語を難解に感じるかもしれません。警視庁のウェブサイトには古物営業法の第三次改正についてわかりやすく説明したページがあります。

参考:古物営業法の一部改正について(警視庁)

第三次改正で、事業者にとって一番大きな変更は、許可の申請が簡略化されることではないでしょうか。これまで営業所などのある都道府県それぞれの公安委員会で許可申請をする必要がありましたが、すでに許可を得ている事業者の場合、新しい営業所については届出のみで済むようになります。

すでに許可を取得した上で事業を営んでいて、近隣の他県にも店舗を出店したいといった場合に手続きがスムーズになります。ただし、この変更については、公布はされているものの、「公布日(平成30年4月25日)から2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行」とされ、2019年2月現在まだ施行されていない点に注意が必要です。

営業の制限が見直された点も見逃せません。これまで、第14条(営業の制限)で古物の取引が可能な場所は、事業者の営業所または取引相手の住所もしくは居所に限られてきました。このため、イベントの仮設店舗などでは古物を取引できませんでした。古物営業法の第三次改正によって、営業日の3日前までに仮設店舗を管轄する警察署まで日時や場所を届け出ることで、仮設店舗での古物の買取りなどが可能になりました。

また、自動車を取り扱う事業者に限ってのことですが、帳簿の様式が変更されました。対象者は今一度確認するようにしましょう。

インターネットなどで、対面の場以外で古物が取引されるようになったことを踏まえ、相手の本人確認方法として、電子署名を利用する方法など新しく五つの確認方法が追加されました。本人確認を怠ると処罰の対象にもなりかねず、注意が必要です。

参考:非対面取引における確認の方法(警視庁)

その他、許可証悪用防止のため古物商などの所在が確認できず、公安委員会による官報公告後30日以内に申し出がない場合、許可が取り消されることになりました。また、窃盗罪を犯して規定年数以内の人、暴力団員や関係者に対する欠格事由が追加され、改正前に許可を受けた事業者も対象になります。

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許可申請や届出時の注意点

古物営業法が改正され、柔軟に古物営業をできるようになりますが、注意しなければいけない点もあります。

前項でも触れましたが、許可申請の簡略化についてはまだ施行されていません。このため改正前同様、複数の都道府県で事業を営む場合には、それぞれで許可を得る必要があります。

古物商許可の場合、営業所の所在地を管轄する警察署に申請します。申請にあたっては手数料が19,000円かかり、さらに不許可となった場合や申請を取り下げた場合にも手数料は返却されません。また、申請から40日以内に許可・不許可の連絡がありますが、40日には土日、祭日、年末年始は含まれません。申請のための書類も少なくないので、営業開始予定日から余裕を持って準備し、申請することをおすすめします。

古物市場主許可の場合、申請から連絡までの日数が50日と長くなる点にも注意が必要です。インターネットオークションの運営に必要な古物競りあっせん業者については、営業開始前ではなく、営業開始後2週間以内に管轄の警察署に届け出を行います。手数料はかかりません。

許可証の記載項目に変更があった場合は書き換え申請が必要です。許可申請、変更届など各種手続きについては警視庁のウェブサイトに案内があります。届け出時に最新の情報を確認してください。

参考:古物営業の各種申請・届出手続(警視庁)

古物営業法に関する手続きで困った時には

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古物営業の許可申請や改正に伴う変更で迷った場合には、管轄の警察署にまずは問い合わせてみましょう。特に許可申請にあたっては、多くの書類をそろえなければなりません。自分で用意するのは大変そうだ、確実かつ迅速に許可を取得したいという場合には、行政書士などプロを頼ってみてもよいでしょう。

2018年4月に公布され、一部が同年10月に施行された古物営業法の第三次改正について説明しました。今後施行される許可申請の簡略化も含め、改正によって古物を取り扱う事業を始めたり、拡大したりしやすくなったと感じた人も多いのではないでしょうか。第三次改正の内容を改めて確認して、このチャンスを事業に生かしてください。

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執筆は2019年3月6日時点の情報を参照しています。
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