経営に役立つマーケティング手法5選

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経営戦略や営業戦略の策定は、マーケティング抜きでは語ることができません。事業をスタートし成長させるためにも、マーケティングで自社の強みや市場のニーズをしっかり把握し、効果的な戦略を打ち立てることが成功の鍵となります。

マーケティングにはさまざまな手法がありますが、中でも自社環境と外部環境を調査する上で役立つ5つの手法(PEST分析、バリューチェーン分析、SWOT分析、3C分析、ファイブフォース分析)を解説します。

1, PEST分析

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事業の外部環境のうち、コントロールができないものを「マクロ環境」といいます。具体的には、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つを指します。

これらのマクロ環境は、自社や業界に大きな影響を及ぼす存在といえます。このマクロ環境の現状や変化を分析的に捉えるためのフレームワークがPEST分析です。PEST分析を使って、中長期的(約3年から約5年)なマクロ環境のトレンドを予測します。

PEST分析は、近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏が提唱したものです。著書『コトラーの戦略的マーケティング』の中で語った「調査をせずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場参入をしようとするようなもの」という言葉が示す通り、PEST分析を実施せずに戦略を立てることは大きなリスクを伴います。

参考:PEST分析の具体例(RIKOHのダイレクトマーケティング)

PEST分析のステップ

PEST分析は、以下の手順で実施します。

PEST分析の目的を明確化
主に、「ビジネスチャンスを発見する」や「自社にとってのリスク要因を探る」といった目的のために、マクロ環境の変化を把握することが一般的です。

4分野の情報を収集
「P」「E」「S」「T」の各分野の最新情報を集め、動向を探ります。

集めた情報を「リスク」と「チャンス」に分類
自社にとってプラスに働く要因とマイナスに働く要因を、仮説を立てながら分類します。そのためには、自社の特性を客観的に把握していることが重要です。

2, バリューチェーン分析

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バリューチェーン(価値連鎖)とは、企業における「価値の流れ」を指します。商品が生み出されお客様の手元に届くまでの流れの、どの工程でどれだけの価値が生じているか、また競合と比較してどのような優位性・劣位性があるかを分析することを、バリューチェーン分析といいます。

バリューチェーン分析は、内部環境分析のひとつであり自社の分析に用いるほか、このフレームワークで競合企業を分析すれば、その戦略を予想し対応策を立てることでアドバンテージを得ることが可能です。

バリューチェーン分析のステップ

バリューチェーン分析は、以下の手順で実施します。

バリューチェーンの把握
バリューチェーンは業種や業態により異なります。たとえば、飲食業なら「メニュー開発、仕入れ、店舗運営、マーケティング・集客、商品提供」といった工程が考えられます。

各工程のコストを把握
商品企画や仕入れなど、各工程でどれくらいの期間にどれくらいの経費がかかっているかを具体的に算出します。

強みと弱みを分析
競合企業と比較し、自社の強みと弱みを洗い出します。社内のできるだけ多くの人の意見を集め、現場の声を聞き漏らさないよう注意しましょう。

VRIO(ヴェリオ)分析
認識した自社の強みを、「目標達成に必要な価値(Value)とは」「希少性(Rareness)はあるか」「他社から模倣される可能性(Imitability)はないか」「力を発揮できる組織(Organization)であるか」という観点から分析します。これにより、優位性を保つ方策やコスト削減など、各工程での具体的な戦略を立てやすくなります。

3, SWOT分析

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企業や事業ごとの現状を把握するために用いられるシンプルなフレームワークとして、SWOT分析があります。ビジネスの内的環境と外的環境を以下の4つの要素に分類し、リソースの最適な活用方法を考えます。SWOT分析は、経営戦略やマーケティング戦略の策定に役立ちます。

強み (Strengths) = 内的環境
弱み (Weaknesses) = 内的環境
機会 (Opportunities) = 外的環境
脅威 (Threats) = 外的環境

SWOT分析のステップ

SWOT分析は環境の「変化」に注目し、以下の手順で実施します。

SWOT分析の目的を明確化
目的により、「機会」や「脅威」が異なってきます。「既存事業の収益増」「新規事業部の立ち上げ」など、具体的な目的を定めましょう。

外的環境を分析
自社の外部環境である政治や経済、社会情勢、市場動向などを「機会」と「脅威」に分類します。

内的環境を分析
自社の内部のリソース(人、金、モノ、情報)、商品特性、社風などを「強み」と「弱み」に分類します。

クロス分析
「S」「W」「O」「T」の4項目に挙げた内容をクロスして組み合わせ、マーケティング施策やリスク回避策など経営戦略を見出していきます。

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4, 3C分析

3C分析は、新たな製品やサービスの開発・発表、新規事業の立ち上げ、新しい市場への参入、既存市場からの撤退の検討など、あらゆる場面でマーケティングの計画立案や戦略策定に役立つフレームワークです。以下の3つの視点に立ってビジネス環境を分析します。

お客様、市場(Customer)
競合(Competitor)
自社(Company)

3C分析では、お客様や市場のニーズについて知り、競合となる他社や製品の動向を見極め、自社の製品やサービスを分析します。

3C分析のステップ

3C分析は、以下の順序で実施します。

お客様、市場(Customer)の分析
3C分析のお客様(市場)の分析において、最も重要となるのが顧客のニーズや市場のトレンドの「変化」です。ニーズや市場の変化をキャッチするために、以下の3つの手法を用います。

・マクロ分析
マクロ(巨視的)な視点から、ビジネス環境を取り巻くすべてを広く捉えて分析します。法規制の動向、人口動態、景気変動、新たなテクノロジーやビジネスのトレンドなどをとらえることで、自社の立ち位置を明らかできます。マクロ分析には前述したPEST分析がよく使われます。

・ミクロ分析
ミクロ(微視的)な視点から、業界の変化を分析します。業界内の動向や、業界そのものの構造的な変化を捉えることで、自社ビジネスと業界との相互インパクトを予測します。ミクロ分析には後述のファイブフォース分析がよく使われます。

・顧客分析
マクロ分析とミクロ分析の結果を踏まえ、お客様のニーズや価値観の変化を探ります。

競合(Competitor)の分析
続いて、市場の変化を競合他社がどのように受け止め、対応しているかを分析します。まずは競合企業をしっかり定義した上で、失敗例、成功例ともに「結果」(売り上げ高、利益率、顧客数、市場シェアなど)に注目し、結果を生み出すことに貢献した「資源」(人的資源、経済資源)のデータを分析します。

次に、結果を出すに至った「プロセス」に目を向け、経営方針や企業ビジョン、ターゲティング、マーケティング、プロモーション方法など、市場のニーズにどのように対応したかを分析します。

自社(Company)の分析
自社分析ではSWOT分析の手法を活用し、自社のシェアや認知度、売り上げ、資源などを競合と比較し、強みと弱みを明らかにします。その上で市場分析の結果と照らし合わせ、創出すべき新たなバリューや、市場の脅威を分析し、新たに参入可能な領域であるホワイトスペースを探ります。

5, ファイブフォース分析

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ファイブフォース分析(5フォース分析、5F分析)は、企業の外部環境のうち、脅威(force)となる競争要因5つを分析するフレームワークです。以下の5つの観点から捉え、業界の収益性や特徴を把握することが可能です。

新規参入の脅威(業界外要因)
代替品の脅威(業界外要因)
既存の競合他社の脅威(業界内要因)
サプライヤーの交渉力による脅威(業界内要因)
消費者の交渉力による脅威(業界内要因)

ファイブフォース分析のステップ

業界外要因を分析
・新規参入の脅威
市場シェアを奪う可能性のある新規参入者について、参入障壁の有無、商品価値、流通経路、消費者のスイッチングコストなどを分析します。

・代替品の脅威
自社商品と同じ目的を果たす代わりの商品について、消費者から見たコストパフォーマンス、他社製品に乗り換える際にかかるコスト(スイッチングコスト)、消費者ニーズの変化を分析します。

業界内要因を分析
・既存の競合他社の脅威
市場シェアを分かつ競合について、生産力や固定費、商品価値、ブランド力、消費者のスイッチングコストのほか、産業そのものの成長の状況やポテンシャルも分析します。

・サプライヤーの交渉力による脅威
サプライヤー(供給者)は、商品のコストや品質を大きく左右する存在です。原材料の質、代替材料の有無のほか、業界と自社の限界コストも分析します。

・消費者の交渉力による脅威
インターネットなどで価格や品質を比較することが容易になった現代では、消費者の交渉力は売り上げに少なからず影響を及ぼします。消費者の情報収集力、交渉手段、購買規模、代替品の有無、企業やブランドの認知度など、多角的に分析します。

脅威を見極め、対策を講じる
すぐに対応が必要な脅威から順に対応策を検討します。ファイブフォース分析によって得た分析結果は、新規事業の立ち上げや新商品の開発、既存事業の市場拡大などに役立てられます。

今回紹介したどのフレームワークにおいても、実践のポイントとして「目的の明確化」が挙げられます。何のためにこれらの分析を行うか、目的がはっきりしていないと、収集する情報や分析結果の活用方法にブレが生じてしまい、思ったような効果が出せないこともあります。

事業の新たな展開や現状の打開など、より具体的な目標を掲げ、より効果的なマーケティングを実施しましょう。

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執筆は2018年6月28日時点の情報を参照しています。
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