カー用品店の取扱領域拡大による競合化など、ビジネスを進める環境が年々厳しくなる傾向にある自動車整備業界。自動車そのものも時代に合わせて新たなテクノロジーが次々と導入されています。
今回は、自動車整備業界で売り上げを伸ばしていくためのヒントや知っておきたいポイントを紹介します。
競争が激化する自動車整備業界
国土交通省や日本自動車整備振興課連合会による「自動車分解整備業実態調査結果報告書」をみると、年によって多少の増減はあるものの、自動車整備業界の売り上げ推移を大局的にみると右肩下がりの傾向があり、2017年の売上金額は10年前に比べて約1割少ない数字となっています。
参考:
平成29年度 自動車分解整備業実態調査結果の概要について(日本自動車整備振興会連合会) {: target=”_blank” rel=”nofollow”}
平成21年度自動車分解整備業実態調査結果報告書(国土交通省自動車交通局)
一方、自動車検査登録情報協会が公表している「自動車保有台数の推移」によれば、自動車の保有台数は2012年から徐々に増加傾向にあります。
また、国土交通省が公表している「認証工場数と指定工場数の推移」をみると、自動車整備業を行う指定工場の数は緩やかな増加傾向にあることがうかがえます。
これらを重ね合わせると、自動車整備業界の売り上げは減っている一方で、自動車の台数と自動車整備を行う認証工場は増えていることがみてとれます。現状を踏まえると、市場拡大への対策を意識しつつ、競争が激しくなるなか、どう勝ち残っていくかが自動車整備業に携わる経営者の課題となっていくでしょう。
自動車整備業界で勝ち残るための方策
楽観視できない自動車整備業界で勝ち残るにはどのような点に注意すればよいでしょうか、いくつかポイントを挙げていきます。
料金体系の明示
チェーン展開の車検専門店やリペア専門店、ディーラーなどでは、料金体系が明示されていることが多く、利用する側もある程度費用の予測を立てて修理や車検を依頼できます。一方、個人経営や小規模な自動車整備業者には料金体系が明示されていないことも多く、利用する側に費用面での不安を与えてしまい、お客様の足が遠のく要因となりがちです。料金体系を明示し、利用に際してのハードルを下げることを心がけましょう。
また可能であれば、車検や点検の早期予約特典や指定日入庫割引などのサービスも用意し、継続的利用や、口コミによる宣伝効果が望める方策を打っておくとさらに効果的です。
宣伝
車検整備も扱うカー用品店やチェーン展開をしている車検専門店の多くは、定期的に宣伝を行い、店舗の存在やサービスの内容を周知させています。大手と同じ方法を取るのはコスト的に難しいかもしれませんが、個人経営や小規模な自動車整備業者も何らかの宣伝活動を行って、店舗の存在やサービスの内容を知らせることが肝心です。宣伝にまで手が回らない場合は、専門の業者に相談してみるのも一つです。予算と目的に応じた宣伝プランを提案してくれるでしょう。また、新規顧客の創出だけでなく、これまで利用歴のある顧客に対して継続的に利用してもらうように働きかけることも重要です。
ウェブサイトやソーシャルメディアの利用
修理や車検を検討する際、お客様はインターネットを使って情報収集することが多いでしょう。まずは自社のウェブサイトを用意し、提供しているサービス内容や料金体系を載せ、比較検討の対象になるようにしましょう。また、ウェブサイトだけでなく、ソーシャルメディアを活用して最近の事例紹介なども定期的に行い、利用する際のイメージが湧きやすくすることも大切です。依頼を待つだけではなく、見込みのある顧客をみつけて積極的に仕掛けていく姿勢で売り上げ確保のチャンスを拡大していきましょう。
人材
競合との差別化を図る場合、人材育成も大切です。整備技術の面にどうしても意識が行きがちですが、コミュニケーション力など対人スキルの面も意識して育成を行い、顧客満足度の高いサービスを提供する活気ある職場環境づくりをめざしましょう。
キャッシュレス決済の導入
日本の政府も積極的に推し進めている、キャッシュレス化。
キャッシュレス決済には、現金を持ち合わせていなくても修理代金や車検費用の支払いができるだけでなく、利用金額に応じたポイントが付与されたりなどの特典もあります。比較的高額な支払いとなる自動車修理や車検などは、まさにキャッシュレス決済にうってつけの利用シーンとなるでしょう。
キャッシュレス決済を導入するにあたって、専用のレジやシステムを導入せずに簡単に設定して利用できるものもあります。たとえば、Squareなら、必要なものはSquare リーダーという専用のICカードリーダー(7,980円)だけです。パソコンやアプリから無料のアカウントを作成するだけで利用でき、費用は決済時の手数料のみというシンプルな体系が特長です。この機会にぜひキャッシュレス決済を導入して決済方法の選択肢を増やしみてはいかがでしょうか。
執筆は2019年1月22日時点の情報を参照しています。2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
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