店舗経営者が​知って​おきたい、​ショールーミング対策

近年、​若年層を​中心に​広がりつつある​「ショールーミング」。​顧客の​購買が​インターネットへ​流れてしまう​ことに、​戦々​恐々と​する​店舗経営者も​多いのではないでしょうか。

今回は、​店舗経営者が​知って​おきたい​ショールーミング対策の​必要性から​具体的な​対策方法まで、​店舗経営に​役立つヒントを​紹介します。

ショールーミングとは

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「ショールーミング」とは、​顧客が​商品を​店舗で​確認した​あとに、​インターネット上で​店頭より​安い​価格で​購入する​ことです。​実店舗での​価格よりも、​ECサイトの​方が​人件費などが​かからない分、​安価に​なりがちです。​近年、​スマートフォンの​普及に​伴って、​インターネット上で​気軽に​取引できるようになった​ことも​あり、​「ショールーミング」と​いう​購買​行動が​加速しています。

この​購買行動は​日本だけでなく、​世界各国で​広がっているようです。​トランスコスモス株式会社が​アジアの​10都市で​行った​調査に​よれば、​ショールーミングを​経験した​こと​ある​人の​割合は​東京で​62%、​ほかの​都市では​80%を​超えていました。

ショールーミングとは​逆の​購買行動である、​オンラインで​欲しい​商品を​見定めてから​実店舗で​商品を​購入する​「ウェブルーミング」の​アジアでの​広がりも​調査から​読み取れます。​ショールーミングと​ウェブルーミングの​両方を​経験した​ことが​ある​消費者は​東京では​32%でしたが、​ほかの​アジアの​都市では​倍以上の​70%から​80%でした。

参考:トランスコスモス、​「アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2019」​結果を​発表 ​(トランスコスモス株式会社)

顧客の​心理で​考えると、​実際の​商品を​目で​見たり​使い心地を​確かめたりして​判断できる​ことから、​商品の​見た​目や​使い勝手を​確かめてから​購入の​可否を​決定する​「判断の​場」と​して、​店舗が​重要な​役割を​果たすと​考えられます。

「ショールーミング」を​含めた​顧客の​購買行動の​変化に​まだまだ​対応しきれているとは​いえない​店舗も​多いのではないでしょうか。​特に​小規模な​お店などでは、​大手ECサイトへの​顧客の​流出を​防ぐ​必要が​あります。

ショールーミング対策の​必要性

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ショールーミングを​始めと​した​顧客の​購買行動の​変化を​理解する​ために、​まず​ECサイトや​ネットショッピングの​普及に​ついて​理解する​ところから​始める​必要が​あります。

実店舗を​運営するには、​物件の​取得から​内装工事、​什器の​購入まである​程度の​初期投資が​必要です。​また、​一旦オープンした​あとも、​家賃や​水道光熱費、​通信費用など店舗を​維持する​ための​費用が​かかります。​一方で、​ECサイトの​運営に​かかるのは、​ウェブサイトの​制作費用や​サーバー代、​ドメイン代など、​実店舗より​比較的少額で​済みます。​その分、​実店舗より​安く​販売できる​可能性が​高まっています。​「同じ​商品を​できるだけ安く​購入したい」と​いう​消費者に​とっては、​ショールーミングは​合理的な​買い物方法と​いえます。

経済産業省の​調査に​よれば、​BtoCの​EC市場規模は​16兆5,054億円で、​年々​増加しています。

参考:平成 29 年度​ 我が​国に​おける​データ駆動型社会に​係る​基盤整備 ​(電子商取引に​関する​市場調査)

総務省の​平成29年版通信情報白書に​よれば、​ネットショッピングを​利用する​世帯は​年々増加しており、​2002年には​5.3%だった​ところが​2016年には​27.8%に​増えています。

また、​野村総合研究所が​2018年に​行なった​調査では、​過去1年に​インターネットショッピングを​利用した​ことが​ある​人の​割合は、​20代と​30代で​8割弱、​50代では​5割強、​60代では​3割弱が​利用していました。​20代から​30代を​中心に、​インターネットを​利用した​購買行動が​生活に​浸透してきている​ことが​分かります。

参考:
平成29年版 情報通信白書 ネットショッピング
8回目の​「生活者1万人アンケート調査」を​実施​(株式会社野村総合研究所)

ショールーミング対策を​行なう​理由に、​「売り上げを​伸ばす」​機会である​ことが​あげられます。​ショールーミングは、​実店舗の​経営者に​とっては​脅威に​なりがちですが、​変化に​合わせて​適応すれば​より​売り上げを​伸ばすチャンスでも​あります。

Square導入の​ご相談は​営業チームに

Squareサービスの​導入を​検討中の​お客さまに、​営業チームが​導入から​利用開始まで​サポートします。​イベントでの​利用や、​複数店舗での​一括​導入など、​お気軽に​ご相談ください。

ショールーミング対策の​具体的な​方法

では、​店舗経営者は​どのように​ショールーミング対策を​行なえば​よいのでしょうか。

価格競争を​する
大手ECサイトに​対抗して​商品の​値下げで​アピールするのが​一つの​方法です。​キャンペーンや​セールなど​期間限定の​値下げは​効果的かもしれませんが、​常時ECサイトと​価格競争を​するのは​現実的ではなく、​長続きする​方法とは​いえないでしょう。

店舗内での​情報検索を​サポートする
ショールーミングと​いった​消費行動の​変化は、​自店の​対策だけでは​止められない​ものです。​お客様が​インターネットで​購入する​ことを​受け入れ、​店舗で​積極的に​商品の​情報検索を​サポートするのも​一つの​方法です。

もちろん、​同じ​商品を​安く​購入できる​サイトが​見つかれば、​機会損失に​なってしまう​可能性が​ありますが、​一方で​お客様が​必要と​している​情報を​提供できる​チャンスにもなりえます。​場合に​よっては、​店舗でしか​買えない​商品の​購入を​検討して​もらえたり、​丁寧な​接客が​購買の​動機に​つながったりする​ことが​あるかもしれません。

O2Oを​展開する
O2Oは​「Online to Offline」の​略で、​オンラインから​オフラインである​店舗へ​来店を​促すマーケティング施策の​ことです。​店舗内で​直接購入する​ことで、​ポイントを​貯められたり、​商品の​メンテナンスサービスを​受けられたりするなど、​来店を​促す施策を​オンライン上で​展開する​ことで、​これまで​以上に​集客を​見込めます。

たとえば、​ソーシャルメディア上で​店舗限定の​クーポンを​発行し、​お客様の​来店を​促してみるのも​いいかもしれません。​近年は、​店舗が​ソーシャルメディア上で、​気軽に​クーポンを​発行できる​仕組みが​整い​つつ​あるので、​利用を​検討するのは​いかがでしょうか。

参考:店舗の​売り上げアップに​つながる?​O2Oとは

オムニチャネルを​展開する
O2Oが​店舗への​誘導施策なのに​対し、​「オムニチャネル」は​店舗や​インターネットなどさまざまな​チャンネルで​お客様と​接点を​持つ​「囲い込み戦略」です。

たとえば、​商品を​買いに​行っても​店舗に​在庫が​なかった​場合、​代わりに​ECサイトで​購入できたり、​ECサイトで​購入した​商品を​店舗で​受け取って​決済できたりと、​顧客が​オンライン・オフラインを​問わず​柔軟に​購買できる​仕組みなのが​特徴です。

さまざまな​チャネルを​利用し、​積極的に​アプローチする​戦略で、​顧客と​強固な​関係を​築けるのが​オムニチャネルの​メリットです。

実店舗の​「価値」を​提供する
細かな​お客様への​気配りなど、​ECサイトでは​実現できない​価値を​提供できるのも、​実店舗の​メリットです。​近年加速する、​EC化の​流れに​柔軟に​対応しながら、​店舗内で​より​密な​関係構築を​目指してみては​いかがでしょうか。

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執筆は​2019年5月6日​時点の​情報を​参照しています。​
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