スマートフォンやタブレット端末、パソコン、さらにはゲーム機など、さまざまな端末が普及し、インターネットに多くの人が気軽に接続することができる現代。ネットショッピングでは食料品から衣料品、家電などさまざまな商品を購入できるようになっています。そのような中、事業者にとって、実店舗だけでなくECサイトでの商品販売は必要不可欠になりつつあります。実店舗経営とECサイト運用を行う際に役立つのが、「O2O」の考え方です。
今回はO2Oがどのようなものなのか紹介します。
O2Oとは
まずはO2O(オーツーオー)がどのようなものなのかその概要から確認していきましょう。
O2Oとは「Online to Offline」の略称です。主にEC(エレクトロニックコマース、電子商取引)の分野で用いられる言葉であり、オンライン(インターネット上)とオフライン(インターネット外)を連携させることでお客樣の実店舗への来店や購買を促すという意味を持っています。
たとえば、実店舗で実際に商品を見て、店員から情報を聞いたうえで、自宅でインターネット経由で購入するお客様もいます。これをショールーミング(showrooming)といいます。服の場合、店舗で試着をしてサイズを確認した上でオンラインで購入する人もいるでしょう。
この場合、試着をしたお店のサイトで商品を購入すれば、お店にとっては特に問題はありませんが、他のお店のサイトで購入した場合は売り上げにつながりません。このようなショールーミングによる損失を防ぐ際に役立つのがオンラインとオフラインを連携させるO2Oの考え方です。
オンラインとオフラインの連携として行うことができるものには、以下のようなものが挙げられます。
・実店舗で使えるクーポンをオンラインで発行
・実店舗の在庫状況をオンライン上に掲載
・実店舗に来店することでアプリやオンラインのポイントを付与(ゲーミフィケーション、gamifiction)
・ソーシャルメディアの活用(ハッシュタグを使ってクーポンが当たるキャンペーンなど)
・位置情報の活用(お店にチェックインするとポイントがもらえる仕組み)
・オンラインサイトで購入した商品の店頭での受け取り(その際に店頭受け取りポイントや店頭受け取り割引、店舗での購入より場合よりも安くするなどのメリットを設定)
など
このようにオンラインでの行動をオフラインでの購買につなげていくことがO2Oの考え方になります。
O2Oを導入するメリット
では、このO2Oを導入するメリットは何なのでしょうか。ここでは以下の3つのメリットについて説明します。
・広範囲での販促活動が可能
・効果の即効性
・効果測定の容易さ
広範囲での販促活動が可能
店舗への来店数を増やすために、チラシ配布や看板設置に力を入れるお店は少なくありません。しかし、チラシや看板はその店舗のある地域に暮らしている人や普段から店舗を利用している人など、限られた人に対してしか行えないため、多くの人に店舗の存在をアピールすることは難しいでしょう。
一方でオンラインの場合、日本全国はもちろん世界中からアクセスできるので、店舗の近くに住んでいない人に対してもお店をアピールすることができます。また、店舗の存在を知らなかった人が商品検索をした際に、その店舗の情報にたどりつくというケースも起こり得ます。
このように、オンラインでの発信はより多くの人の目に止まる可能性があり、結果として新規顧客の獲得につながっていくことが期待できます。
効果の即効性
O2Oは数あるマーケテイング施策の中でも比較的その効果が現れやすいものと考えられます。たとえば、オンライン上で実店舗で利用可能なクーポン券を発行した場合、クーポン券の有効期限を定めることで、期限内にクーポン券を利用しようとする顧客が増えることが予想されます。
店舗として販売したい商品があるときやセールを行うときなどにこの期間限定のクーポン券を活用することで、集客力アップや売り上げの拡大につなげていくことが期待できます。
効果測定の容易さ
O2Oの場合、効果測定も比較的簡単に行うことができます。たとえばオンラインで発行したクーポン券の場合、どのくらいのクーポンを発行して、実際に来店してクーポンを使ったのが何人なのか、すぐに集計することが可能です。また、サイトへのアクセス数の解析やソーシャルメディアでのリーチ数なども数字として把握することができます。
オリジナルデザインのギフトカードを導入
自店限定カードを作るO2Oを導入する際のヒント
O2Oは実店舗への来店を促すのに活用できるものですが、課題もあります。そこで、O2Oを導入する際に覚えておきたいポイントを解説していきます。
継続した顧客育成のための取り組み
O2O施策の特徴としてあげられるのが、効果が一時的であるという点です。たとえばクーポン券の期限があると、その期限内は来店客の数が増えるかもしれませんが、来店が1度きりになってしまう可能性もあります。
クーポン券はあくまでも来店につなげるためのものであり、継続した来店につなげていくためにはお店としてさらなる取り組みを行っていく必要があります。
たとえば、 クーポン券を利用したお客様にプレゼントとして少額をチャージしたSquare ギフトカードをお渡しすることも方法のひとつです。お客様はその後もチャージして使い続けられるので、再来店も期待できます。ぜひ導入を検討してみてください。
店頭在庫とオンラインの連携
店頭の在庫状況がオンライン上でわかるようにしておくことも重要です。
たとえば、せっかくクーポン券を使うために来店したお客様がいたとしても、お店に欲しい商品がなければ他のお店に流れてしまう可能性もあります。
このような機会損失と顧客満足度の低下を防ぐためにも、在庫が確認できるように店舗とオンラインでの連携を行うようにしましょう。
オフラインからオンライン上のサポート
O2Oはオンラインからオフラインへの誘導を目的としたものですが、その逆であるオフラインからオンラインへのサポートに関しても体制を整えておく必要があります。
たとえば、店舗に買い物に来たものの、欲しい商品がなかった場合にオンライン上で商品を取り寄せることができるような仕組みを整えるといったことが考えられます。
オンライン、オフラインという場の違いこそありますが、お店の売り上げアップという目的を達成するためには、オンラインからオフライン、オフラインからオンラインというトータルで考えることが大切だといえます。ぜひ、双方向での相乗効果を発揮できる体制を整えるようにしましょう。
関連記事
・簡単にオムニチャネルを導入!漫画でわかるSquareのECサイト開設
・顧客の信頼・愛着度を高めるロイヤルティーマーケティングとは
執筆は2018年6月20日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
Photography provided by, Unsplash