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レセコン利用の効率化のために医療機関が検討すべきポイントとは

Square (スクエア), ブログ編集者

今や医療機関に欠かせない存在となっているレセコンは、医療業務全体の効率化をサポートしてくれます。多忙な医療機関で省力化が求められる中、レセコンをより効果的に活用するにはどうすれば良いでしょうか。レセコン導入から一歩進んで、電子カルテとレセコンの連携や、クレジットカード決済の導入など、包括的な業務効率化を考えてみましょう。

レセコンの役割とは

レセコン(レセプトコンピューター)とは、医事コンピューターや医療事務コンピューターとも呼ばれ、病院、診療所、調剤薬局など医療機関での診療報酬の計算に使うシステムです。現在では、日本のほとんどの医療機関でレセコンが導入され、業務効率化という重要な役割を果たしています。

参考:電子レセプト請求の電子化普及状況等(平成27年4月診療分)について(厚生労働省)

診療報酬明細書(レセプト)は従来、専門知識を有する医療事務スタッフなどの手によって、紙ベースで作成されていました。健康保険組合などの保険者に請求する金額と、窓口で患者に請求する金額を確定するレセプト業務は、非常に複雑で、かつ正確性とスピードも求められます。また、1カ月分を取りまとめて各保険者に請求する審査の時期には、担当者の業務負担が大きくなるといった問題もありました。この作業を電子化するシステムがレセコンです。医科、歯科、調剤、診療群分類包括評価(DPC)制度向けなど種類が分かれており、主に以下のような機能を有しています。

  • 患者の受け付け
  • 診療内容を記録(カルテではない)
  • 窓口支払い額の計算
  • 領収書の発行
  • 処方箋の発行
  • お薬手帳や薬の情報管理
  • レセプトの作成(健康保険組合への請求用)
  • レセプト請求

レセコンを導入することで、レセプト業務の効率は大幅にアップします。レセコンを使うと、担当者は診療ごとに治療や検査などの各項目をコードや品番としてシステムに入力するだけで、保険者ごとの集計などはコンピューターが自動的に行います。そのため、レセコンの導入によりレセプト業務の負担は軽くなり、医療機関の省力化や人材不足の解消に寄与します。

レセコンを使う場合も、作成したレセプトを詳細にチェックし、医師や薬剤師に確認してもらう必要があることは変わりませんが、人為的なミスの発生確率は格段に低くなり、毎月のレセプト請求の業務については作業量が大幅に減少します。さらに、レセコンの記入内容の漏れなどをチェックしてくれる点検用ソフトウェアも出回っているため、必要に応じて導入することができ、業務の円滑化に役立ちます。

レセコン導入のメリットは医療機関側だけではなく、医療サービスを受ける患者側にもあります。診療報酬の計算やチェックがスピーディーになり、正確性もアップすることにより、患者にとっても待ち時間の短縮や誤請求の減少といったメリットが期待できます。

なお、レセコンには大きく分けて2種類あり、一つは日本医師会が提供する日医標準レセプトソフト(日レセ)。もう一つは民間企業が提供するレセコンで、複数の企業によるレセコンが多くの医療機関で利用されています。

電子カルテとレセコンは連携すべき?

レセコンと同じく、電子ツールを使った業務効率化の手段として電子カルテがあります。カルテを手書きからコンピューターを使ったシステム入力に切り替えることで、治療内容や処方薬、検査といった患者ごとの情報の管理や検索、医療機関内での共有がしやすくなり、業務効率アップと同時に患者に最適な医療を継続的に提供しやすくなるという点もメリットです。

その電子カルテとレセコンを、連携させて利用する方法もあります。診療内容を記録する電子カルテと、診療内容に応じた診療報酬情報を記録するレセコンは、情報として連続性があるため、シームレスな使い方ができれば業務効率はいっそうアップする可能性があります。そこで、電子カルテとレセコン連携の、メリットとデメリットを比較してみましょう。

【メリット】

  • 患者の受付や会計業務が効率化される
  • 診療報酬や薬価の改定、新薬の登録など、情報の更新を一本化できる

【デメリット】

  • 通信ネットワークを介した連携の場合、セキュリティー対策の強化が必要
  • 連携のトラブルが起きた際に対処が必要
  • 連携によりシステムが複雑化する場合、システム担当者が必要

以上は、電子カルテとレセコンという別個のシステムを連携させた場合のメリットとデメリットです。もともと一体型のシステムや、連携を前提に作られたシステムの場合は、デメリットとして挙げたような問題が起きないケースもあります。現段階では、連携にかかる初期コストやランニングコスト、具体的な作業工数も考えた上で、医療機関の規模や人的配置ごとに合った方法を選ぶことが最適ということになります。

クレジットカード決済の導入が必要?

レセコンと併せてもう一つ、医療業務の効率化を考える上でポイントとなるのが、会計におけるクレジットカード決済の導入です。

レセコンで正しい診療報酬を計算して保険者に請求したとしても、窓口での患者への請求において受け取り金額や釣り銭のミス、未収金が発生する可能性もあります。診療費の請求は医療機関をビジネス面で支える重要な屋台骨であり、徴収がうまくいかないと経営や医療行為を継続していくことが難しくなってしまいます。

そこで注目したいのが、クレジットカード決済の導入です。患者に手持ちの現金がないときや、何らかの理由で現金を手元に用意できないときでも、未収金の発生を防止し、患者側にとっても利便性が高まります。社会全体でキャッシュレス化が進む中、医療機関のクレジット決済導入のメリットとデメリットは、以下のようにまとめることができます。

【メリット】

  • 金銭授受のミスがなくなる
  • 未収金を減らすことができる
  • 決済の一部電子化でレジ締めなどの業務が軽減される
  • 現金授受がないことで感染症の防止につながる
  • 患者の決済方法の選択肢が増え、サービス向上になる

【デメリット】

  • 手数料負担が発生する(決済金額の数%)
  • 決済用の端末を設置する必要がある

このように考慮すべき点もありますが、手数料については未収金や会計時のミスによる損失と比較してみるなど、検討の余地は多いにあるといえそうです。端末の設置についても、最近は非常に小型であまりスペースを取らない機器が増えているため、大きなデメリットにはなり得ないでしょう。

さらに、患者サイドから考えてみると、キャッシュレスで医療費の支払いができる便利さに加え、クレジットカード利用による特典が受けられるというメリットもあります。クレジットカードに慣れ親しんでいる人にとっては、同条件の複数の医療機関のうちクレジットカード決済対応可能なほうを選ぶことがあっても不思議ではありません。

なお、クレジットカード決済の可否は医療機関ごとに異なるのが現状で、特に小規模な診療所などでは現金支払いのみを受け付けているところが少なくありません。昨今のキャッシュレス社会の流れも踏まえ、レセコンや電子カルテに続く電子化の一手として、さらなる業務効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

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執筆は2020年7月16日時点の情報を参照しています。
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