なにかにのめり込み、そこに結びつくことを生業とするのは誰しもができることではない。戸谷悠(とや・ゆう)さんは学生時代にクライミングに没頭してからいまに至るまで、クライミング、そして山への愛情を深め続け、自分のアウトドアセレクトショップまで作りあげた人物だ。お店は、長野駅から徒歩10分ほどの場所にある「NATURAL ANCHORS(ナチュラル・アンカーズ)」。店内には山とクライミングに並々ならぬ愛情をもつ戸谷さんが実際に使い、重宝したいと思ったアイテムが並ぶ。
Squareを導入したのは2015年の開業時。Square リーダーと無料のSquare POSレジをしばらくのあいだ使っていた。月日が経ち、2022年からは店舗から車で20分ほどの「長野フォレストヴィレッジ」でも販売スペースを運営することに。実質2箇所で販売するようになってからは、Square POSレジを有料版にアップグレードしている。
ここではお店について、また有料版のPOSレジに切り替えてよかったこと、そして詳しい活用方法などをオーナーの戸谷悠さんと、一緒に店舗を営む妻の晶子さんに伺った。

| 業種 | 小売 |
| 業態 | アウトドアセレクトショップ |
| 使用しているSquareのサービス | Square リーダー、Square POSレジ(リテールモード・有料版) |
目次
- 長野市の数少ない、個人店としてのアウトドアショップ
- 店舗間での在庫移動がしたかった
- 在庫移動はかんたん。移動履歴が見られるのも利点
- 助かるのは、「在庫消化率」が自動集計されること
- あとからの「買いたい」に応えるSquare 請求書
- NATURAL ANCHORSの今後
- Squareで実現できたこと
長野市の数少ない、個人店としてのアウトドアショップ
戸谷さんがクライミングに傾倒したきっかけはなんだったのだろう。聞いてみると「学生時代、あまりにも時間があったので(笑)」と楽しそうに振り返る。近くのボルダリングジムに足を運んだらあっという間にのめりこんだ。その熱意は「クライミングで食べていく!」という思いになり、岩や山を登りに日本を飛び出てカナダに1年、ニュージーランドに1年滞在した。その間、週5日は山に行き、ひたすら登る生活を送ったそうだ。帰国後はクライミングジムでルートセッターとして活躍した。いったん会社員になるも、山もギアも大好きであることから自分のアウトドアショップをもつ夢が心を占めるようになった。

そうして「NATURAL ANCHORS」が誕生する。当初のお店は会社員をする傍、寝る間も惜しんで、善光寺付近の古民家を仲間とともにリノベーションしてつくった。こぢんまりとしたスペースはギアについて説明したり、おしゃべりしたりできるようにソファを置き、お茶を出したと振り返る。
戸谷さんがお店をはじめた頃、長野市にはアウトドア商品を扱う大型店はあったものの、個人店はほとんどなくなってしまっていたそうだ。当時はよそでは手に入らない日本未発売の商品なども販売しており、クライミング・山・ギアについて膨大な知識を備えた戸谷さんが運営していることも相まって、購買率は50%ほどにまでなっていたという。
一方で、居心地は抜群でありながらも、場所が少しわかりづらく、3回来ても迷いかねなかったのが玉に瑕だった。「たくさんの人に山やギアについて知ってもらいたい」という思いで店を営んでいたからこそ、モヤモヤもあった。
そんなある日、松本市でカフェ「amijok」を営む友人から「長野市で、いろんなカルチャーが混ざり合う場所をつくれたらいいよね」という話が舞い込んできた。この話をきっかけに、2020年に現店舗に移転してきた。

現店舗のあるビルは、カフェ「NorthSouthEastWest」とヴィンテージ家具屋「Ph.D stock “hue”」の倉庫兼展示スペースを運営する方々とともに借りている。NATURAL ANCHORSの店舗横にあるイベントスペースは3店舗の共有空間で、3者のつながりをもとに、定期的に展示をしているそうだ。
以前までは目掛けて訪れる店舗だったのが、ふらりと立ち寄り、思いがけずアウトドアアイテムに触れられるスペースになったのは、うれしい変化のようだ。
「やっぱり1人でやっているときには知り合う機会がなかった方々、異ジャンルの人と交流する場も増えました。自分自身が知ったり、遊んだりする機会も増えましたね」(悠さん)
店舗間での在庫移動がしたかった
現店舗に移転してすぐ、自然体験リゾート「長野フォレストヴィレッジ」の販売スペース用に商品をセレクトしてもらえないかという話が舞い込んできた。同施設にはキャンプ場もあることから、NATURAL ANCHORSはキャンプ時に使うガス缶やカトラリー、そして食べ物などをセレクトすることにした。

▲長野フォレストヴィレッジの販売スペース
こうして実質、2箇所で在庫を抱えることになった。当初はそれぞれ分けて商品を仕入れていたものの、次第に本店と同じ商品でも売れるかも……と思うようになり、共有在庫として管理し、必要なタイミングで在庫移動できる機能を求めるようになったという。
有料版のSquare POSレジリテールモード(月6,000円/店舗)なら、同一商品の在庫数を店舗ごとに振り分けられるうえ、店舗間での在庫移動もできるとわかり、もともと利用していた無料版のSquare POSレジからアップグレードすることにした。

在庫移動はかんたん。移動履歴が見られるのも利点
いまではおおよそ週1回のペースで在庫移動の作業が発生するという。
「向こうの在庫が減ったら増やし、こっちが少なくなってきたら『向こうのをこっちに持ってこよう』という感じでやっています」(悠さん)
Square POSレジ(リテールモード)での在庫移動はたったの数分で終えられるほど簡単だ。Squareの管理画面から該当ページ(※)にアクセスし、在庫の移動先と商品を選ぶだけ。移動先の店舗で在庫を受け取ったら「商品を受け取る」ボタンを押し、作業完了だ。
※在庫移動には「転送注文」の機能を使います。詳しくはこちらをご確認ください。

「在庫の移動はSquareの管理画面上で私が管理して、入力しています。受け取ったら『受け取り』もできるので、『実際の数、ちゃんと向こうに移動したかな?』というのを確認してから入力するような流れでやっています」(悠さん)

たとえミスがあっても、在庫調整の履歴ログを遡れば「ここで打ち間違えているね」と気付くこともできる。特にレディースとメンズで同じ商品を扱うこともあるため、打ち間違いもなくはないそうだ。だからこそ、こまめに確認できるのはとても便利だという。
「いままでは指でさらっていたのが、商品をいつ店舗間で移動したかはもちろん、商品がいつ販売されたか、というのもSquare POSレジのリテールモードだと記録として全部見られるので、移動ミス・販売ミスが確認できて、すごく便利です」(晶子さん)

助かるのは、「在庫消化率」が自動集計されること
POSレジを有料版にアップグレードするうえでのお目当ては在庫移動だったものの、そのほかにもいまやすっかり日常的に使っている機能があるという。「在庫消化率レポート」だ。
前までは肌感覚で売れている商品を仕入れるような流れだったが、POSレジをアップグレードしてからは商品の販売データをもとに消化率が自動的に集計されるようになった。

消化率が100%なら来期も仕入れよう、30%ならSNSなどでプッシュしていこうと次のアクションも明確にでき、Instagramの運営をはじめ、販売促進を担当する晶子さんはかなり参考にしているという。
「『仕入れてから3カ月経ったけど、まだ半分残っているね、じゃあどうしよう?』という話をして、Instagramにあげたり、強化したりできるようになりました。これまでは消化率を出していなかったので在庫を抱えてしまって、『あれ、これまだあるじゃん!』ということがありました。それまでは本当に店主とスタッフの感覚でこれ結構出てますよね、という形だったのが、明確な数字で消化率が見えるようになって、すごくわかりやすいです」(晶子さん)

あとからの「買いたい」に応えるSquare 請求書
NATURAL ANCHORSでは、POSレジ以外にも必要に応じて利用している機能がある。メールで送れて、オンライン決済までできるSquare 請求書だ。
移転してからはお店が3倍ほど広くなり、商品点数もそれに応じて1,000点ほどから3,000〜4,000点にふくらんだため、オンラインショップでの掲載はある程度厳選されているのが現状だそうだ。そのため、問い合わせが毎月少なくとも1回はくるらしい。
「『お店に寄ったとき、ちょっと迷って買えなかったけど、こういう製品ありましたよね。でもオンラインショップには載ってないみたいで……どうにか買えませんか?』というお問い合わせも結構多いんですね」(悠さん)
Square 請求書ならクレジットカード決済できるリンクがメールに記載されるため、お客さまは実質オンラインで商品を購入できることになる。戸谷さんに使い心地をきいた。
「フォーマットとしてお客さまへの案内文も入れられますし、あとはお名前や連絡先などの情報を入れて、Squareに登録した商品のなかから買っていただくものを選ぶだけなので、とてもわかりやすくて簡単に使えます」(悠さん)
請求書の作成から送信まで簡単スピード対応
Square 請求書は決済機能付きのクラウド請求書サービスです。無料ではじめられ、自動送信や定期送信など便利な機能も盛りだくさん。フリーランス、個人事業主、業務請負やサービス請負業の請求業務を簡単に効率化できます。

NATURAL ANCHORSの今後
NATURAL ANCHORSではコロナ禍前まではあえて買い付けを海外でしていた。国内の展示会でももちろんできるが、日本では手に入らない商品やブランドなどを開拓したいという思いから、アメリカの西海岸をはじめ、アウトドアブランドが集結するエリアへ年に1、2度足を延ばした。空き時間を見つければ山にも登りに行けるという特典付きの遠征なのも魅力だ。予期せぬ感染症拡大により軽い足取りがすっかり重くなってしまっていたものの、来年からは、海外買い付けを少しずつ再開しようと考えているそうだ。

また、新たに目を向けたいことも出てきたそうだ。
「今まで自分も外遊びということで山には行っているんですけれども、ここ数年、ただ遊びに行く以外のことでも関わる機会が増えてきました。せっかくお店をやっているという立場でもあるので、山の保全などにも力を入れていけたらなと思っています」

「『仕入れてから3カ月経ったけど、まだ半分残っているね、じゃあどうしよう?』という話をして、Instagramにあげたり、強化したりできるようになりました。これまでは消化率を出していなかったので在庫を抱えてしまって、『あれ、これまだあるじゃん!』ということがありました。それまでは本当に店主とスタッフの感覚でこれ結構出てますよね、という形だったのが、(Square POSレジのリテールモードを使うようになってからは)明確な数字で消化率が見えるようになって、すごくわかりやすいです」ーNATURAL ANCHORS 店舗管理責任者 戸谷晶子さま
Squareで実現できたこと
店舗間での在庫移動
Square POSレジのリテールモード(有料版)を使用することで、NATURAL ANCHORSと長野フォレストヴィレッジの販売所のあいだで、在庫を簡単に移動できるようになりました。Squareの管理画面から移動する商品と移動する数、移動先を入力すれば、あとは移動先で受け取り作業を行うだけ。それぞれの販売場所での在庫数は自動で調整されるため、打ち間違いや差異が発生する心配も減りました。
自動集計される在庫消化率
NATURAL ANCHORSでは現在3,000〜4,000点ほどのアイテムを抱えており、これまでは各アイテムの在庫消化率を出せていませんでした。Square POSレジのリテールモード(有料版)では販売データをもとに在庫消化率が自動で集計されます。いまでは在庫消化率レポートを頼りに、今後何を仕入れるべきか、どの商品の販売を強化していくべきかなどを考えられるようになりました。在庫数が多く、自分たちで消化率を出す時間がなかなか確保できない事業者にはおすすめの機能です。
かんたんなオンライン販売
NATURAL ANCHORSではオンラインショップに掲載できていない商品について、お客さまから購入希望を受けることもあるそうです。そういった場合には、メールで送れて、メール内のリンクからクレジットカード決済もできるSquare 請求書を発行することで、オンライン販売に対応できるようになりました。
記事に掲載されている店舗情報 (商品内容、価格、営業時間など) は2025年10月時点のものです。

