【商いのコト】重要なのはモチベーションのありかを知ること

つなぐ加盟店 vol.3 Makers’ Base 松田 純平さん

Makers’ Baseは、日本No.1規模の会員制シェア工房であり、モノ作りの夢をかなえる「秘密基地」だ。

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▲モノ作りの秘密基地

「僕自身はモノ作りは特にしないんですよね。そんなに興味がないっていうか。いや、興味はあるんですが、作り手としての興味ではないというか」

愛犬を抱き上げながら真顔でそう語るのは、Makers’ Base の構想者にして最高執行責任者(COO)の松田 純平さん。「モノ作り」「こだわり」… そんなテーマを頭に松田さんを訪問した側としては、良い意味でインタビューの出端をくじかれた。

立ち上げ直後は手探り状態

松田さんは、ヒューマンリソース / 経営コンサルタントとしてMakers’ Base を構想した一人だが、オープン1ヶ月前までまさか自分がこの工房を経営することになるとは思っていなかった。使ったこともない機械が並ぶ現場で、あらゆることが手探り状態でのスタートだった。

「大変でしたよ。自分はモノ作りはしない、だから、どんな機械が何台必要なのかも分からないんです。機械が故障しても原因の検討もつかないですしね」

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▲機械と工具が居並ぶ工房

「そんなことも見つつ、事業は黒字化していかないといけないわけです。やるべきことは見えていたのですが、売上、ビジネスの拡大・成長を追うことに重きを置きすぎると、今度はスタッフが離れていった。立て続けに数人辞めてしまったときもありました」

重要なのは個人のモチベーション

松田さんは経営者として、ビジネスの舵取りとスタッフのモチベーション維持のバランスをとることの難しさを肌で感じた。だからこそ、モチベーションの重要性を強く唱える。

「事業や組織の生産性を考えるとき、効率化という言葉に頭がいってしまうのは、経営者としてまだまだだと思います。重要なのは、個人のモチベーション。効率云々ではないです」

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▲重要なのは個人のモチベーション

「モチベーションが維持されない場所では、個人の生産性は十分に発揮されません」

組織の単位を小さくして、もっと個人が輝ける環境を

昔ながらの大規模縦割り・縦型組織では、特にモチベーションの維持が難しい。

「そんな組織ばかりでは不幸だ、日本を不幸な国にしたくない、と思っています。個々の組織の単位を小さくすることで、個人のモチベーションと生産性を高める仕組みができれば、一人一人がもっと輝けるはず」

誰でも『成功』できる。『成功』するためにかかる時間がちがうだけ

「成功への鍵は能力ではありません。能力が重要でないとは言いませんが、自分にどんな能力が備わっているかより、自分は何にモチベーションがあるのか、を知ることの方が重要です」

ちなみに『成功』の定義はなんですか?と問われるとーー「僕の場合は『それで食べていけること』ですね。生業」

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▲松田さん

松田さんの言葉はとても歯切れよく、寸分の隙もないようにすら感じられる。しかし同時に、どこか人間味に溢れているようでもある。

「よく、ひとが空間をつくるって言うじゃないですか。あれって本当だなって思います。うちの工房でも、街のカフェでも、オフィスでも同じ。その場にいる人間の雰囲気が良いと、自然と良い空間ができます。その雰囲気の良さとはどこからやってくるのか ー それも結局、そこにいる人間のモチベーションだと思うんです」

店(点)から店(点)へつなぐバトン

【商いのコト】vol.2 橋爪さんの質問に対する、松田さんの答えは?

Q : 自社のスタッフに何かを伝える時、心がけている事はどのような事ですか?
A : 「(スタッフが)興味のありそうな点をちゃんと踏まえて伝えること。また、その伝達によって何を期待しているか明確にすること。でないと、言葉が記憶に残らないため」

Q : 今の事業以外の夢はありますか?
A : 「特にないです。最高に楽しい仕事をさせていただいてます。今の事業(企業)の発展について、であれば山ほどありますが(笑)」

Makers’ Base

Tokyo 東京都目黒区下目黒2-5-12
Sapporo 北海道札幌市中央区南4条西13丁目1-26


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文:つなぐ編集部

写真協力:Makers’ Base

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