ものづくりの町・蔵前に店を構える「カキモリ」は、1961年創業の株式会社ほたかが運営する文具店だ。2010年のオープン以来、オーダーノートをはじめとする体験型サービスで知られ、国内外の顧客に支持されてきた。特に外国人からの人気が高く、インバウンド比率も大きい。
そして、なんと10年以上前の2014年という早い段階でSquareを導入している。当時の日本では、タッチ決済やiPadを使った決済システム、さらにはクラウドPOSそのものがまだ珍しい存在だった中で、カキモリは早々に決済システムを一新。2020年にはマネーフォワードのクラウド会計システムを導入し、Squareと連携させることで業務効率化をさらに加速させている。
なぜ10年以上にわたりSquareを使い続けているのか、なぜマネーフォワードとの連携を選んだのか――代表取締役の広瀬琢磨さんとストアリーダーの伊比さんに話を伺った。

| 業種 | 小売 |
| 業態 | 文具店 |
| 使用しているサービス | Square ターミナル、Square リーダー、Square POSレジ、Square 請求書 |
目次
- 書く楽しさを起点に、蔵前から広がるカキモリの挑戦
- 10年以上使い続けるSquare、かっこよさと効率化の両立
- コンパクトで直感的、Square端末が現場を支える安心感
- Squareでスマートにデジタル請求書を発行
- 複雑な商品も簡単登録、Squareで負担軽減
- マネーフォワード連携で実現した「ノンストレス会計」
- 書く道具を世界中に届けるという挑戦
- Squareで実現できたこと
書く楽しさを起点に、蔵前から広がるカキモリの挑戦
カキモリ誕生のきっかけは、既存の文具店と競合するのではなく「書くこと」に特化した新しい文具店をつくりたいと考えたことだった。広瀬さんは当時を振り返り、次のように語る。
「家業は文房具の卸売りや小売りをしていましたが、私は文房具そのものに強い興味があったわけではありませんでした。ただ、自分が本当に大事にしたいことを考えたら“書くこと”だと思ったんです」
さらに広瀬さんは、万年筆との関わりについてもこう振り返る。
「そもそも祖父が始めたのは万年筆のペン先を交換するような仕事からだったのに、自分自身は万年筆を触ったことがなかったんです。それは多分、他の若い人も同じだと思いました。だからこそ、もっと気軽に試せる場をつくりたいと思ったんです」

こうした思いから、カキモリは「書くきっかけをつくる文具店」というコンセプトを掲げ、万年筆を自由に触って楽しみながら試せるスタイルを導入した。一般的な文具店では万年筆がショーケースに並び、スーツ姿の店員に試し書きを頼む必要があったからだ。
また、オーダーノートについては、職人の町・蔵前という土地柄、かつて手帳などがつくられていた背景を活かし、下町の職人と顧客をつなぐ店を目指した。続いて2014年にはオーダーインク(Inkstand)が誕生。「ラボ」のような雰囲気の中で、実際に理化学品の道具を使いながら、自分だけのインクの色をつくれるサービスだ。
「ペンそのものをカスタマイズするのではなく、色を混ぜて自分だけのインクをつくることにこそ楽しさがあると思いました。当初は予約なしで、立ったまま気軽にインクを混ぜる想定でしたが、実際に始めてみるとお客様が夢中になりすぎて時間を忘れてしまう。そこで現在は完全予約制に切り替え、じっくり体験できるようにしています。オーダーノートも週末は予約制とし、来店客を分散させています」


体験型店舗としての背景には、コロナ禍というきっかけもあった。コロナ禍前の店内は常に混雑し、リピーターや顧客の満足度が低下していることを体感していたからだ。そこでEC強化をはかることで、店舗の役割を「売り場から体験する場所」へとさらなるアップデートさせた。
こうしてカキモリは顧客体験を大切にしながら成長を続けている。海外売上は全体の半分を超え、日本のものづくりを広げる挑戦を続けながら、海外店舗の開設も将来の夢の一つとして掲げている。

10年以上使い続けるSquare、かっこよさと効率化の両立
カキモリはなぜ国内でキャッシュレス決済が一般化するよりもはるか前の2014年に、Squareの導入を決めたのだろうか。
「Square導入のきっかけは、2014年当時にアメリカ・サンフランシスコを訪れた際、多くの店舗で小さなSquare リーダーとiPadで決済を行っている姿を目にしたことでした。その光景をすごくかっこいいと感じていたことから、直感的に導入を決めました」
当時のSquare 決済システム導入は、スタイリッシュさを備えた先駆的な選択肢だった。
「その当時、Squareのデザインは“アナログの文具屋にデジタルがある”というよいギャップを生み出し、お客さんから『ちょっとかっこいいね』という反応がありました。会計という作業が、Squareの導入によって“ちょっとプラスな体験”へと変わったんです」
また、同時に効率的な決済ももたらした。決済処理の速さ、直感的なUI、紙の事務作業からの解放、会計データの自動連携など、現場の負担を大きく減らす“具体的な効率化”を実現したからだ。そして、10年以上継続して利用している理由もその効率にある。
「Squareのよさは、なによりUIの使いやすさと決済スピードの速さですね。決済を扱うスタッフも、“すごい!”とみんな口を揃えて感動していました。他の決済システムを検討したこともありますが、一瞬の“もたつき”がストレスになってしまうので、Squareを使い続けています」


▲本画像はSquare リーダーの利用イメージ
Square導入前に使用していた旧端末は、顧客に感熱紙へサインをもらい、それを集めて「月2回送る」という事務作業が発生していた。Squareではこのサイン業務がiPad上のデジタルサインに置き換わり、紙仕事が完全になくなった。
「クレジット決済でサインをいただいた紙を送る作業は大した作業ではないとはいえ、やっぱりストレスがあり、それが残業の原因にもなっていました。でもSquareを導入してからは、その紙仕事が全くなくなったのでストレスが大きく減り、業務効率化としても大きな意味がありました」
また、Squareの手数料も大きなメリットだった。広瀬さんは当時の決済環境について次のように語る。
「以前は決済手数料の負担がいまより大きく、経営面での重荷になっていました。Squareは手数料率が明確で、コスト面でのメリットが大きかったですね。導入前は5,000円以上でないとクレジットカードを受け付けないようにしていたんですが、アメリカでの体験をきっかけに“そんな制限はありえない”と思い直しました。Squareに切り替えてからは逆に“どんどんカードを使ってください”と積極的に促すようになったんです」
コンパクトで直感的、Square端末が現場を支える安心感
現在、カキモリの決済では、Square リーダーとSquare ターミナルを使い分けている。メインレジではSquare リーダーとSquare POSレジアプリをダウンロードしたiPad、それ以外の主にオーダーメイドサービスの受注コーナーにはSquare ターミナルを導入。伊比さんは次のように語る。
「オーダーメイドの受注コーナーはスペースが限られているので、Square ターミナルのコンパクトさがすごく助かっています。店舗内のどこでも会計ができますし、レシートもすぐにビッと出てくるので、お客様を待たせずに済むのがいいですね。一方、メインレジでSquare POSレジアプリをインストールしているiPadは、画面が見やすいうえにお客様に地図を案内するなど他の用途に使えるのもすごく便利です。あと、Square リーダーのあの小ささが、“これで決済できるんですか?”と驚かれることが多くて、皆さんすごく感動してくださっています」
現場のスタッフからは、「Squareの決済端末やPOSレジは基本的に操作がスムーズで、安心して使える」と高評価で、他社への切り替えを検討した際は現場から反対の声が上がったそうだ。

さらに、スタッフ教育の負担も軽減されている。
「Squareの決済端末は新しく入ったスタッフでもほとんど教育なしで、誰でも使うことができるんです。分厚いマニュアルは必要なくて、営業しながら自然に覚えられます」(伊比さん)
カキモリでは、顧客管理の方法にも独自のこだわりがある。
「スタイリッシュさを追求するという点からショップカードは発行したくないと思っていました。ゆくゆくは、メールアドレスを軸にデジタル上で全てを連携させ、紙に頼らないスマートな顧客管理の仕組みを構築していきたいと思っています」(広瀬さん)
これは、顧客情報と決済情報を紐づけ、一元管理につなげていくためのビジョンだ。さらに、Square POSレジでは、メールでのレシート送付にも対応できる点も、カキモリの顧客体験を支える仕組みの一つとなっている。
Squareでスマートにデジタル請求書を発行
カキモリは日々の接客の中で発生する“通常のレジでは処理しきれない取引”に、Square 請求書を活用している。Square 請求書なら通常の店舗決済やECサイトの枠に収まらない「特別対応」や「イレギュラーパターン」の取引に柔軟に対応できるからだ。
例えば、店頭で会計を済ませた後に「後日海外へ送ってほしい」と追加注文が入るケースや、オーダーメイドノートで「少しだけ仕様を変えたい」といった微調整が必要な場合、あるいは直販チームが少量の特注を扱う場面などである。広瀬さんはこの機能について以下のように語る。
「請求書の作成はすごくスムーズで、本当に素晴らしいなと思います。顧客にとっても、Squareというしっかりした決済システムを通すことでの安心感がありますし、さらにモバイルから簡単に決済できる利便性や、振込手数料を避けられる点が大きな魅力となっていると思います」

▲ 本画像はSquare 請求書の利用イメージ

複雑な商品も簡単登録、Squareで負担軽減
カキモリの商品は文房具という性質から、品番も色番もとても細かいうえ、オーダーメイドもある。商品登録はどのように行っているのだろうか。
「商品登録はスタッフが自ら行っていますが、誰でも簡単にできるのがいいですね。タブレットなので持ち運びながら点数を確認して入力できるのはすごく便利です。iPad上での打ち込みもシンプルで分かりやすい。オーダーメイドや色番など細かい品目が多い店ですが、そういう点でもSquareは向いていると感じています」(伊比さん)
Squareのシンプルで直感的な商品登録機能は、スタッフの負担を軽減すると同時に、複雑な商品構成を持つカキモリの店舗運営に適合する仕組みとして活用されている。

マネーフォワード連携で実現した「ノンストレス会計」
Squareを日常の決済や売上管理に活用してきたカキモリにとって、経理業務の非効率さは課題として残っていた。以前、税理士が使用していた会計ソフトはクラウド連携がなく、Squareやクレジットカードの情報を自動で取り込めないため、毎月データを全てExcelに落としてからCSVのフォーマットを修正する作業が必要で、広瀬さん自らが対応することもあり「恐ろしくストレスが溜まる仕事」だったという。
2020年、コロナ禍で時間的余裕が生まれたことをきっかけにクラウド会計ソフトを検討し、最終的に選ばれたのがマネーフォワードだった。広瀬さんは次のように語る。
「マネーフォワードへの連携は、Squareやクレジットカードのデータを全部連携して管理できる点が決め手でした。クラウド会計の見た目や新しいサービスとしてのかっこよさにも惹かれました。導入して連携させる作業もスムーズでストレスはありませんでした」
導入後に得られたメリットは具体的にどのようなものだろうか?
「Squareとマネーフォワードの連携後は月末に3時間かかっていた作業がごっそりなくなり、紙の報告やExcel修正が不要となって非生産的な仕事が減りました。最大のメリットはリアルタイム性ですね。リアルデータが自動反映されるので、ヒューマンエラーがなくなったのは本当に大きいです。間違いなく正しい情報が得られる安心感があります」
こうした効率化に加えて、リアルタイム性は経営判断にも直結している。
「Squareの売上状態が即日、同時にマネーフォワードに上がってくるのが一番の利点です。経理担当者は報告書を確認せずとも状況を把握でき、会計処理もその場で進むようになりました。税理士にも連携していますので、売上情報を都度渡さなくても処理してもらえるので、本当に便利ですね」

書く道具を世界中に届けるという挑戦
カキモリは、次のステージとして店舗運営のさらなるデジタル化を進めている。その一つが、現在使用しているSquare リーダーから、お客様用の画面が搭載されているSquare レジスターへの切り替えだ。
「いまは合計金額をお客様にお見せするたびに、iPadをくるっと回して提示しなければならず、正直その動作が面倒なんです。Square レジスターなら背面にカスタマーディスプレイがあって、金額がそのまま表示され、お客様がそこでタッチ決済まで完結できる。接客の流れがとてもスムーズになると思っています」(広瀬さん)
Square レジスターは、決済端末・スタッフ画面・お客様用ディスプレイが一体化したオールインワン端末のため、周辺機器をまとめて接続でき、レジ周りの配線や機器管理がシンプルになる。さらに、お客様用ディスプレイに金額や会計情報が表示されることで、会計内容を視覚的に分かりやすく確認でき、より安心して決済いただける体験につながっている。
そして、カキモリではSquareを活用する未来のビジョンも描いている。
「カキモリは文房具というアナログなもの、それも万年筆やノートのような書く道具を扱っていますが、もともと“楽しい時に楽しく書ければいいから、アナログにこだわらず、デジタル化すべきことはしよう”という考えがありました。だから、2014年という早い時期にSquareを導入しましたし、その考え方とSquareの相性がすごくよかったのだと思います。この先は、オーダーメイドノートの受注プロセスについても、人と人で受注して書いているところを、極力デジタル化できたらと思っています」(広瀬さん)

「Squareのよさは、なによりUIの使いやすさと決済スピードの速さですね。決済を扱うスタッフも、“すごい!”とみんな口を揃えて感動していました。他の決済システムを検討したこともありますが、一瞬の“もたつき”がストレスになってしまうので、Squareを使い続けています」ー株式会社ほたか 代表取締役 広瀬琢磨さま
Squareで実現できたこと
Squareの使いやすさが現場のストレス軽減に
Square ターミナルやSquare リーダー、Square POSレジアプリなど、Squareの決済端末全体に共通する“直感的で迷わないUI”が、現場の安心感につながっています。誰でも直感的に操作できるため、日々の業務ストレスを軽減するだけでなく、新しいスタッフの教育も簡単に済ませることができ、スタッフの負担軽減に大きく役立っています。
Square ターミナルとSqaure 請求書でオーダーメイド体験をスムーズに
カキモリの特徴であるオーダーメイドノートやインクの受注コーナーは、スペースが限られています。Square ターミナルのコンパクトさは現場に最適で、店舗内のどこでも会計が可能なうえ、レシートも即時発行できるため、顧客を待たせません。また、Square 請求書を活用することで、店頭会計後の追加注文やオーダーメイドの微調整などの特別なご要望も、再度のご来店をお願いすることなくスムーズにご案内できるようになりました。オンライン(遠隔)で追加の金額をスムーズにお支払いいただけるため、お客様の負担を減らしつつ、柔軟なやり取りが可能になっています。振込手数料が不要な点も、安心で便利な体験につながっています。
Square×マネーフォワード連携でノンストレス会計
Squareを日常の決済や売上管理に活用してきたカキモリにとって、経理業務の非効率さは課題でした。以前はSquareやカード決済のデータをExcelに落とし、CSVを修正して会計ソフトに取り込む必要があり、「恐ろしくストレスが溜まる仕事」だったといいます。2020年にマネーフォワードを導入し連携させたことで、月末に時間を要していた作業が不要となり、残業も解消されました。リアルタイムで正しいデータが反映される安心感は経営判断にも直結しています。

