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ビジネスについて司法書士に相談できること、できないことの違いは?

Square (スクエア), ブログ編集者

ビジネスを行う上で、自分たちの手でクリアすることが難しい課題についてはプロの手を借りるのが一つの方法です。個人事業主やビジネスオーナーが頼りにする専門家の代表例が司法書士です。ただ、士業は他にも税理士や弁護士、社会保険労務士、行政書士などがいるので、どの士業に何を相談したらいいのか判断に迷うこともあります。

今回は、数ある士業の中でも司法書士に焦点を当てて、事業運営について司法書士に相談できることや、他の士業との違いについて分かりやすく解説します。

そもそも司法書士とは?

司法書士は、登記や供託業務を行う専門家です。司法書士試験に合格し、司法書士会に登録しています。法務省で一定の研修や考査を受けて認定されることで、簡易訴訟に関する業務も行えます(140万円以下の民事訴訟などに限定)。この認定を受けた司法書士を「認定司法書士」といいます。

事業運営で司法書士に相談できること

司法書士法の改正を経て、司法書士も一定の借金整理や140万円以下の少額な民事訴訟の対応ができるようになりました。しかし、司法書士の主な業務は登記や供託業務です。

ビジネスオーナーが司法書士に依頼する可能性のある業務としては、次のものが挙げられます。ここではビジネスに関するものに絞っていますが、業務の範囲内であれば相続放棄や遺言関係の書類作成、成年後見、帰化申請なども行うことができます。

会社登記(会社設立)

会社の登記に関する手続きができるのは、司法書士だけです。また会社の経営を続けていくなかでは、設立時の登記以外にもさまざまな場面で登記手続きが必要となる場面があります。これらのすべてを、司法書士に相談・依頼することができます。

・代表者の住所変更
・役員の就任や退任
・本店所在地の移転
・資本金の変更
・社名(商号)や事業目的の変更
・会社役員の任期満了

不動産登記

土地や建物の名義変更や、抵当権などの権利を登記する手続きです。不動産関係の事業を営んでいれば、司法書士とのやりとりは必須です。

それ以外でも、自宅やオフィスを購入する時、代表者の不動産を会社が購入する時、金融機関からの借り入れに際して不動産に抵当権を設定する時などに司法書士の力を借りることができます。

事業承継

個人事業主や中小企業の経営者の抱える問題の一つに「後継者問題」があります。後継者へスムーズに引き継ぐための事業承継も、司法書士の得意分野です。事業承継の方法も多岐にわたりますが、親族への経営譲渡や、M&Aなど方法に応じてサポートが得られます。中には、事業承継に特化してコンサルティングを得意にする司法書士もいます。

企業法務

認定司法書士であれば140万円以下の訴訟を扱うことができます。なかには、企業法務のコンサルタントとして依頼を受けている司法書士もいます。

また、経営戦略の一環として組織変更・組織再編を行う際に必要な手続きをスムーズに進めるためのサポートも、司法書士に相談できます。

供託業務

供託業務は、司法書士の独占業務です。司法書士はさまざまな供託業務の手続きを代理し、供託物の還付の手続きも行います。宅建業や旅行業を始める際には、営業保証金の供託が必要です。この際、申請手続きの代理を依頼できます。

税理士や弁護士、行政書士に相談できることとの違い

司法書士への依頼を考えた時、「他の士業に依頼できることと何が違うの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。確かに、会社設立などは税理士や行政書士がサービスとして提供していることも多いです。

他の士業との違いをまとめると、

税理士
税務処理のプロ。税務代理や税務署類の作成を行います。確定申告や決算書類の作成、会計帳簿の記帳、税務調査の立ち会いなどの業務を行います。

行政書士
役所に提出する書類を作成するのが仕事です。事業に許認可が必要な場合は、書類作成や提出を依頼すると手間を削減することができます。

弁護士
あらゆる法律のプロです。契約書のチェックや訴訟代理、労務トラブルの解決などさまざまな法律に関するトラブルに対応できます。

社会保険労務士
社会保険に関する書類作成や労務管理に関する実務を依頼できます。給与計算や助成金の申請にも対応しています。

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司法書士に代行してもらうメリットとデメリット

司法書士に依頼することの多い業務「法人登記」を念頭に置いて、司法書士に代行してもらうメリットとデメリットを考えてみます。

司法書士に依頼するメリット

会社登記など「登記」の手続きは、司法書士だからできる専門業務です。税理士や行政書士も業務の一つとして会社手続きを行うことがありますが、書類作成部分の依頼はできても、登記そのものは自分でやるか、別途司法書士に依頼する必要があります。

その点、司法書士は会社設立にまつわる業務をすべて任せることができるので、一番スムーズに進めることができます。

会社登記の手続きは事業主自身で行うこともできますが、慣れない作業で予想外に時間がかかってしまう可能性があります。もしかすると会社設立のスケジュールに遅れが出て、ビジネスのスタートに間に合わないというケースもあるかもしれません。

経営者の貴重な時間を節約し、ビジネスに注力するためにも、専門知識が必要な業務は専門家に依頼するのが賢い選択です。

司法書士に代行してもらうデメリット

司法書士を始め、専門家に依頼するとその分の費用がかかります。会社登記だけでなく、行政への書類提出などは基本的に自分でもできる作業です。開業直後など資金を節約したいと考えている場合は、司法書士に頼まずに自分で行うのも選択肢の一つです。

また、司法書士は登記に関する分野の専門家です。税金についての対応や複雑な労務トラブルの場合は業務の範囲外です。

会社設立だけなど、目的がはっきりしている場合は司法書士に依頼するのが一番スムーズですが、長期的に節税についても相談したいのであれば税理士に、複雑な業態で許認可申請が必要な場合は行政書士に…… と状況に応じて依頼先を変えることも必要です。

必要に応じて司法書士を頼ろう

ビジネスをよりスムーズに進めるために、複雑な手続きは専門家の手を借りると時間を節約できます。自分でやるより効率的で精度も高く、専門的立場からのアドバイスは経営的にもプラスになる可能性があります。

司法書士は、会社設立登記を筆頭に、ビジネスの幅広い面でサポートしてくれる専門家です。会社登記や事業承継など、困り事がある場合は司法書士の力を借りましょう。

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執筆は2020年5月8日時点の情報を参照しています。
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