暑中見舞いは集客のチャンス!?

蝉の鳴き声が聞こえる初夏の時期に思い出すものの一つ、暑中見舞い。年賀状を一枚も出さないという人も少なくない今の時代、暑中見舞いを出すべきか否か毎年悩んでいませんか。

ウェブサイトやソーシャルメディア、メールマガジンなど、お客様と接点を持つ手段は様々です。その中でも直接手元に届くはがきというのは手間ひまがかかっている分、受け取った側も嬉しいと感じるのではないのでしょうか。

今回は暑中見舞いの由来を振り返りながら、送る際のマナーや書き方を説明します。

暑中見舞いの由来

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暑中見舞いの歴史を遡ると江戸時代にたどり着きます。当時はお正月とお盆、年に2回親戚やお世話になっている方、目上の方に贈り物を持って挨拶回りをする習慣があったそうです。遠方でなかなか足を運べない方には飛脚便などを使って挨拶状や贈り物を届けていたようです。

ただし、飛脚便を使うとなると一枚の手紙を人間が馬に乗りながら、時には走りながら、箱根駅伝のようにリレー形式で受け渡していくので、現代の暑中見舞いよりも随分とお金のかかった暑中見舞いだったことが推測されます。

現代のように気軽にはがきという形で暑中見舞いが出せるようになったのには、郵便制度の発達が関係しています。日本の郵便制度が始まったのは1871年(明治4年)、その二年後には郵便はがきの発売が開始されました。1950年(昭和25年)には暑中見舞用郵便はがきの発行が始まり、1986年(昭和61年)には「かもめ~る」と名前を変えて現在のくじ付きのはがきになりました。

ちなみに2017年のかもめ~るは6月1日9時から8月16日18時まで日本郵便株式会社のオンラインショップで購入できます。くじの抽選日は9月4日、現金で1万円か、クオカード1,000円分が当たるそうです。

暑中見舞いは新しいマーケティング手法!?

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くじ付きハガキのかもめ~るの販売枚数が一時期は減ったものの、この数年はまた増加しているそうです。その人気の背景には法人利用の増加にあります。

日本郵便株式会社では販促用のかもめ~るを販売しています。例えば、かもめタウンというサービスでは指定したエリアに暑中見舞いを送ることができます。この場合、新しくオープンしたばかりで顧客リストを持っていないお店でも、ターゲットとしているエリアのお客様に暑中見舞いの形を借りてDMを送ることができます。このサービスでは、特定の集合住宅宛にピンポイントに送ることもできるので、新しくできたファミリー向けのマンションに塾やクリーニングサービスの案内を送ることも可能です。

参考:
少子化時代を生き残る、子ども向けの塾や英会話教室を経営するには
個人事業の強みを活かす!家事代行サービス開業のヒント

また、既存のお客様にとっても夏のご挨拶を兼ねた暑中見舞いは、宣伝だけが載っているDMよりも目を通してくれる可能性が高いのではないでしょうか。

暑中見舞いはいつ出すべき?何を書くべき?

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小暑の7月7日から立秋の8月7日前日(=8月6日)までが暑中見舞い。8月7日以降は残暑見舞いになります。

暑中見舞いの名の通り、暑い夏に相手の健康を気遣う文面にしましょう。文面は下記のような順番で書きましょう。

①お見舞いの挨拶

「暑中(残暑)見舞い申し上げます」が定番の挨拶です。

②相手の健康を気遣う言葉

「梅雨明けとともに本格的な夏がやってまいりましたが いかがお過ごしでしょうか」
「日に日に暑さが厳しくなっておりますが お変わりなくお過ごしでしょうか」

このように季節感のある表現とともに、相手の健康を気遣う言葉を書きましょう。もし、既存の顧客でしたら、「先日は当店へ足をお運びいただきありがとうございます」など、来店へのお礼もここで述べましょう。

③近況を知らせる言葉

友人や知人に送る暑中見舞いでしたら、ここで仕事やプライベートのことに触れて元気に過ごしている様子を書きますが、ビジネスで送る場合はお客様の来店や利用を促す文面を書きましょう。

「お陰様で当店も開店から3年を迎えました 割引クーポンを用意しましたので ご来店の際にはぜひはがきをお持ちください」
「カットやカラーをご利用のお客様には 夏の暑さを吹き飛ばす スッキリ爽快ミントシャンプーサービスを無料でお付けいたします」
「ご来店のお客様には冷たいお手拭きと麦茶をサービスいたします ぜひお立ち寄りください」

④結びの挨拶

受け取った相手の健康を祈る挨拶文を結びに書きましょう。

「まだまだ暑さが続きますので どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます」
「◯◯様にとって素晴らしい夏になりますようお祈り申し上げます」

⑤日付

詳細な日付は必要ありません。

「平成二十九年 盛夏」(暑中見舞いの場合)
「平成二十九年 晩夏」、「平成二十九年 立秋」(残暑見舞いの場合)

ご留意いただきたいのは、「句読点を付けない」点と「必ず相手の健康を先に伺う」点です。

日本語には元々句読点がなく、明治時代に文章を読みやすくするために付けるようになったそうです。今でも賞状や年賀状、暑中見舞い、結婚式の招待状には句読点を付けないことが慣習として残っています。

また、あくまでもお見舞いのお手紙なので、来店や利用を促す言葉よりも必ず先に相手の健康を気遣う言葉を書きましょう。

はがきを集客のチャンスに

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せっかくお客様の手元に届く暑中見舞い。来店したくなるような工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか。

新しくオープンしたばかりのお店なら、お客様が来店時に迷わないようにサービスの説明とともに地図やお店の写真を載せるようにしましょう。

既存の顧客に送るのでしたら、はがきをお持ちいただいたお客様には何かをサービスしたり、文面に割引クーポンコードを記載したり、新入荷商品の案内を載せたりするのもいいかもしれません。

涼を感じる絵柄とともにお客様の手元に季節の挨拶を届けてみてはいかがでしょうか。

執筆は2017年7月13日時点の情報を参照しています。
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