弁護士が独立開業するには

弁護士事務所に勤めながらも、いつかは独立したいと考えている勤務弁護士の方もいるのではないでしょうか。

弁護士が独立開業するには、どのようなことに注意したら良いのかや資金や集客方法など、気になることはたくさんあります。今回は、弁護士の独立開業について解説します。

1.開業するメリット

Alt text

弁護士の独立開業は勤務弁護士と比較して、以下のようなメリットがあります。

1-1.時間の自由が効く

まず、事務所に勤務する弁護士に比べて時間が自由になります。勤務弁護士の場合、サラリーマン同様勤務先の方針やルールに従って働くことになります。私用で平日に休みを取ることや、夏休みやお正月休みを個人の予定に合わせて取得することは簡単にはできないかもしれません。個人事業主もしくは法人として開業した場合、経営者として労働時間や休暇のタイミングをある程度自由に決めることができます。たとえば、休日に打ち合わせや相談を希望するクライアントを多く抱えているのなら、土日にたくさん働いて、平日に休むというスタイルを取ることもできるかもしれません。

このように、自分のペースで仕事ができることは、大きなメリットです。

1-2.仕事を選べる

弁護士が受ける事件は多岐にわたります。自分の事務所である以上、自分が得意なもの・取り組みたいものに絞って仕事を受けることができるのも大きなメリットです。

勤務弁護士の場合、担当する事件を選ぶことができません。事務所が受けた事件を割り振られるので、苦手な分野や、クライアントと方向性が合わない事件でも、仕事として進めていく必要があります。

これに対し、あまりに範囲を絞りすぎると事務所の収入に影響があるかもしれませんが、気が乗らない仕事を無理にしなくて済むという点では、モチベーションを下げずに仕事ができるかもしれません。

1-3.収入の変化

開業による変化は、手がける事件から得られる収入がすべて自分のものになることです。

勤務弁護士の場合、大きな事件を解決して事務所の収益に貢献しても、給与の額は大きく変わらないかもしれません。事務所を経由せずに、個人で受ける個人事件についても、報酬の何割か、あるいは経費を事務所に払わなければならない場合も多いようです。

個人事件を多く受けている弁護士であれば、独立した方が収入が増えるかもしれません。

2.開業にかかる費用、必要な資格や届出

Alt text

弁護士を開業するときには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。また、必要な資格や届出についても確認しておきましょう。

自宅でも開業はできますが、物件を借りて開業すると想定した場合、以下のような初期費用がかかります。

・ 物件の保証金
・ 事務所の内装費用
・ 机、椅子、本棚などオフィス家具の購入費用
・ 複合機や電話機、パソコンなどのオフィス機器の購入
・ ネットワークの設置費用
・ 紙や文房具など、細々とした備品にかかる費用

物件の立地や広さによっても初期費用は変わってきます。

また、必要な資格は弁護士資格だけです。司法修習を終了しただけではなく、どこかの弁護士会に登録する必要があります。開業したら、住所や電話番号、FAX番号、事務所名などを所属する弁護士会に届けます。特に、事務所名は非常に重要です。これから事務所の顔になるものですから、印象に残る良い名前を慎重に考えましょう。

また、個人事業主として独立する場合は、通常の開業手続きを行う必要があります。実際に手続きをする際には、税務署から提供される情報を確認しながら進めましょう。

参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)

3.クライアント開拓の工夫

Alt text

弁護士が独立開業するとき、気になるのが「クライアントの開拓」です。これまで個人事件を担当した経験が少ない人や、弁護士としての経験が浅い人は、どのように顧客を開拓したら良いのでしょうか。

先輩弁護士に紹介してもらったり、弁護士会が行う法律相談に行って事件を受任したりする従来の方法もありますが、今は顧客開拓にインターネットを活用する事務所も多いのではないでしょうか。

まずは事務所のホームページを作って、事務所の専門性をアピールしましょう。たとえば、交通事故や遺産相続、離婚や企業法務、刑事事件など、得意分野を記載します。そして、できればその分野に関するコラムなどを書いて、ホームページに掲載しましょう。その分野に精通している弁護士を探している人が、ホームページを訪れる可能性が高くなります。無料法律相談を実施して、「お気軽にお問合せ下さい」と載せておくとなおのこと効果的です。

また、事務所のホームページを制作するだけではなく、法律事務所のポータルサイトも利用しましょう。ポータルサイトにはたくさんの法律事務所が掲載されており、依頼したい弁護士を探すことができます。登録しておけば、ポータルサイトを見た人から問合せが来ることもあります。できるだけ多方面からクライアントを集められるようにしておくことが大切です。

4.事務所運営の際に利用したい、便利なサービス

Alt text

独立したばかりの小さな事務所を運営する弁護士にとって、請求書の作成、発行、送付は手間のかかる業務です。クライアントも、請求書が届いたら振り込みに行かなければいけないことを面倒に感じることもあるでしょう。請求のプロセスを簡単にできれば、双方にとってメリットがあります。

Square 請求書なら、Squareの管理画面上で簡単に請求書を作成し、クライアント宛にメールで送信できます。もちろん紙に印刷することもできます。請求書を受けとったクライアントは、その場でクレジットカードを使って支払えます。いちいち振り込みに行かなくても良いので、未払金が発生しにくく、督促にかける手間も減ります。管理画面は、パソコンやスマートフォンなど複数の端末からアクセスできて、情報を一元管理できる点も便利です。請求書の作成・送信は何通でも無料ですが、請求書のテンプレートのカスタマイズなど一部の機能は有料プラン(Square 請求書Plus)限定です。

このように、Square 請求書を使えば、事務作業の煩雑さを軽減できるので、ぜひ検討してみてください。

関連記事

処理漏れゼロで請求書を安全に管理するコツ
自分を売り込む集客ツール「プロフィール」の書き方

執筆は2017年12月11日時点の情報を参照しています。2021年9月24日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash