飲食店事業者が​知って​おきたい​フードシェア

食品ロスの​注目に​伴い、​「フードシェア​(フードシェアリング)」と​いう​言葉が​広く​知られるようになってきました。​国内では​フードシェアに​関する​サービスも​登場し、​盛り上がりを​見せています。​このような​状況の​中で、​「フードシェアに​ついて​詳しく​知りたい」​「フードシェアサービスを​利用したい」と​いう​人も​いるかもしれません。

そこで​今回は、​フードシェアに​ついて​わかりやすく​紹介します。

具体的には、

・フードシェアが​生まれた​背景
・フードシェアリングサービスの​国内外での​動き
・​飲食店事業が​得られる​メリット
・フードシェアリングサービスを​利用する​方法

に​ついて​解説していきます。

anna-auza-5siXNDzgYtM-unsplash

フードシェアが​生まれた​背景

フードシェア、​つまり​食品・料理を​分け合うと​いう​概念は、​食品ロス​(フードロス)の​問題から​生まれました。

食品ロスとは、​まだ​食べられるのに​捨てられてしまう​食品の​ことです。​食品ロスの​削減は​国際的な​課題と​なっており、​2015年の​国連サミットで​採択された​「持続可能な​開発の​ための​2030アジェンダ」でも​言及されています。

国内での​食品ロスに​おける​現状

消費者庁に​よれば、​日本の​食品ロス量は​年間646万トン​(2015年度推計)に​昇ります。​これは、​国連世界食糧計画​(WFP)に​よる​食糧援助量​(約320万トン)の​2倍に​近い量です。

具体的には、

・​毎日​大型​(10トン)​トラック1,770台分を​廃棄
・年間1人当たりの​食品ロス量は​51kg ≒年間1人当たりの​米の​消費量​(約54kg)に​相当

と​なります。

参考: 食品ロス削減関係​参考資料​(平成30年6月21日版)

日本は、​農産物を​はじめと​する​大量の​食料を​輸入していますが、​その​一方で、​まだ​食べられる​食品を​毎日​捨てています。​政府と​しても​この​状況を​打開すべく、​食品ロス削減の​取り組みを​推奨しています。​また、​2019年には​法律面の​整備を​行いました。

「食品ロス削減推進法」が​成立

食品ロスを​減らす​ことを​目的に、​2019年5月に​成立したのが、​「食品ロス削減推進法」です。

・​国民が​それぞれ食品ロスを​課題ととらえ、​食べ物を​無駄に​しないと​いう​意識を​根付かせる​こと
・まだ​食べられる​食品は、​できるだけ​食べる​方向で​活用する​こと

この​二つを​明記し、​食品ロスの​削減を​推進する​ことを​目的と​した​法律です。

国内外で​食品ロス対策への​機運が​高まる​中で、​フードシェアリングサービスは、​一つの​解決策と​して​注目を​集めています。

yura-fresh-xezXEh fIeU-unsplash

フードシェアリングサービスの​国内外での​動き

フードシェアリングサービスへの​取り組みは、​国内外で​広がっています。​海外では、​デンマーク発の​サービス​「Too Good to Go」のように​廃棄予定の​料理を​安く​提供したり、​貧困に​苦しむ​人々の​ために​余った​食材を​寄付したりと​いった​取り組みが​進められています。​日本でも、​都心を​中心に​フードシェアリングサービスが​登場し始めました。​代表的な​サービスを​いくつか​紹介します。

Reduce Go​(リデュースゴー)
スマートフォンの​アプリを​活用した、​定額制の​余剰食品シェアサービスです。​消費者は、​月額料金1,980円で​毎月​2回まで​テイクアウトできます。​注文の​たびに​いちいち料金を​支払う​必要が​ない​ため、​お店での​受け​取りが​スムーズなのが​特徴です。​飲食店は​無料で​利用できる​ほか、​スマートフォンが​あれば​出品も​簡単なので、​取り組みやすい​サービスの​一つです。

TABETE​(タベテ)
廃棄寸前の​食品を、​「食べ手」に​単品購入して​もらう​サービスです。​飲食店は、​パソコンか​スマートフォンが​あれば​利用できます。​初期費用や​導入費用は​いずれも​無料と​なっています。​食品​一つに​つき一律150円の​システム使用料が​かかります。​販売価格帯が​250円から​680円と​設定されている​ため、​値段設定に​迷いにくいのが​特徴です。

KURADASHI​(クラダシ)
社会貢献型の​フードシェアリングプラットフォームです。​協賛メーカーから​提供された​消費期限が​近い​商品などを、​手頃な​価格で​販売しています。​飲食店と​しては、​使う​食材を​お得に​仕入れる​ことができる​ため、​「調理」の​面から​食品ロスを​減らす活動に​参加できます。​送料は​1商品あたり540円かかりますが、​月額540円の​プレミアム会員に​なれば、​送料が​無料に​なるのが​ポイントです。

飲食店なら​Squareに​おまかせ

Square レストランPOSレジなら、​店内、​オンライン、​デリバリーの​オーダーを​1か所で​管理して​飲食店の​運営を​もっと​効率化できます。​メニューごとの​売上レポートや​シフトレポートなど、​リピート率アップと​コスト削減に​役立つ​機能が​使える​有料プランも。

jesus-terres-tUsnpRj0NYE-unsplash

飲食店事業が​得られる​メリット

飲食店事業者が​フードシェアリングサービスを​行う​ことで、​どのような​メリットが​あるのでしょうか。

具体的には、​以下が​挙げられます。

・食品ロスを​減らせる
・廃棄コストが​減らせる
・​売り​上げが​アップする
・店の​ブランディングに​活用できる
・新規顧客の​獲得が​期待できる
・CSRの​活動に​つながる
・SDGsに​貢献できる

何よりも​大きな​メリットは、​食品ロスの​削減です。​商品を​捨ててしまえば​その分の​利益は​ゼロですが、​買い手が​つけば、​お店の​売り上げに​なります。​また、​廃棄する​食品が​減る​ことで、​それだけ​廃棄に​かかる​コストを​抑える​ことも​可能です。

フードシェアに​参加する​ことで​食品を​大切に​する​店、と​認知されれば、​お店の​イメージアップに​つながります。​手頃な​価格で​料理を​試せれば、​新規顧客の​獲得も​期待できます。​食品と​いう​資源を​無駄に​しない​取り組みは、​社会に​対して​企業が​何らかの​役割を​果たすCSR​(企業の​社会的責任)​活動に​なります。

さらに、​国際的な​目線から​見れば、​SDGs​(持続可能な​開発目標)にも​貢献していると​いえます。​国連サミットで​採択された​この​目標には、​世界から​貧困や​飢餓を​無くし、​環境を​守ると​いう​内容が​含まれています。​フードシェアは、​SDGs達成に​向けた​一歩となり得ます。

nordwood-themes-EZSm8xRjnX0-unsplash

フードシェアリングサービスを​利用する​方法

実際に​フードシェアリングサービスを​利用する​方法を​紹介します。

提供者側と​して​利用
一番​簡単なのは、​上記で​紹介した​サービスに​申し込む​ことです。​前述したいずれの​サービスも、​パソコンや​スマートフォンが​あれば​すぐに​使い始める​ことができます。

基本的に、​飲食店側の​登録料や​利用料は​無料の​場合が​多い​ため、​「ちょっと​試してみたい」と​いう​人にも​おすすめです。​また、​独自に​フードシェアに​取り組む方法も​あります。​お店の​ウェブサイトや​ソーシャルメディアの​アカウントを​持っていれば、​食品ロスが​出た​場合に、​すぐに​情報を​流す​ことができます。​アピール力を​高めるには、​地域の​広報誌に​載せたり、​店頭に​告知文を​出したりする​方法も​考えられます。

消費者側と​して​利用
店と​して​フードシェアに​参加する​前に、​どのような​感じなのか体験したい、と​いう​人も​いるかもしれません。​そんな​ときは、​食品を​シェアして​もらう​側に​なるのが​おすすめです。

こちらも、​一番​簡単なのは、​各フードシェアリングサービスに​登録する​ことです。​会員登録は​無料で​食品代だけ支払う​サービスや、​定額制の​サービスが​あります。​実際に​利用してみる​ことで、​自分の​店に​合う​サービスを​選びやすくなる​ほか、​お客様の​気持ちを​考える​助けに​なります。

飲食店事業者と​して、​食品ロスは​頭を​悩ませる​問題です。​フードシェアは、​そんな​食品ロス問題を​解決する​方法の​一つで​あり、​日本でもさまざまな​サービスが​登場しています。​2019年には​「食品ロス削減推進法」も​成立し、​今後、​食品ロスへの​対策はますます加速すると​考えられます。​ぜひ利用を​検討してみては​いかがでしょうか。

執筆は​2019年8月6日​時点の​情報を​参照しています。
*当ウェブサイトから​リンクした​外部の​ウェブサイトの​内容に​ついては、​Squareは​責任を​負いません。
*Photography provided by, Unsplash