起業を考えている人にとって、どこでビジネスを始めるかは非常に重要なことです。都会で起業する人もいれば、生まれ故郷で起業する人もいるでしょう。あえて、馴染みのない地域で事業を始める人もいるかもしれません。
今回は「地方」で起業することのメリット、デメリットについて紹介します。
地方で起業するメリット
都会から離れて、「地方」を選んで起業する人がいます。
都会で起業するメリットとしては、事業に関わるさまざまな情報がいち早く手に入るため、スピード感のある環境で挑戦できることが挙げられます。一方、地方で起業することにも色々なメリットがあります。
地方で起業する具体的なメリットを挙げてみます。
固定費を抑えることができる
都会と比較して地方で起業する方が、ある程度固定費を抑えられます。
たとえば、オフィス賃料を東京23区でオフィスビルが立ち並ぶ港区を例に考えてみます。
港区の1坪あたりの坪単価(20坪以上50坪未満)平均を見てみると、約14,625円になります。20坪のオフィスを借りると、毎月のオフィス賃料は30万円程度です。一方、群馬県高崎市で同様に20坪のオフィスを借りた場合、坪単価(20坪以上50坪未満)は7,497円なので、毎月の賃料は港区の半分の15万円程度になります。高崎市は都心から新幹線で1時間程度の距離に位置する地方都市ですが、港区でオフィスを借りるのに比べると固定費をかなり抑えられることが分かります。
参考:
東京主要5区のオフィス相場一覧表(三幸エステート株式会社)
主要都市以外の地域の賃料(三幸エステート株式会社)
補助金や助成金制度を活用できる
地方で起業をする場合、該当する事業であれば補助金や助成金制度を利用することができます。
たとえば、茨城県で行っている助成金制度をみてみましょう。茨城県には、「いばらき地域資源活用プログラム」という支援制度があります。農林水産物や産地技術、観光資源など、同県の強みである地域産業資源を活用した取り組みに対して支援をしてくれるプログラムです。
参考:いばらき産業大県創造基金事業(公益社団法人茨城県中小企業振興公社)
地方には、このように地域活性化のために、その地域で起業する人を対象としたさまざまな補助金や助成金制度があります。内容や条件は各自治体によって異なるため、詳細はウェブサイトなどで確認してみてください。
通勤ラッシュから解放される
都会で仕事をする人を悩ませる、通勤ラッシュ。「人がぎゅうぎゅうに詰まった電車に乗って会社に着いた頃には、体も心も疲れている」など、通勤自体にストレスを感じている人もいるでしょう。
都会に比べると地方は電車やバスの座席が空いているので、ストレスのない通勤が実現できるかもしれません。
同業他社が少ない環境で起業できる
事業によっては、都会で起業すると同業他社に囲まれた競争の激しい環境に身を置くことになりますが、地方ではその可能性も減ります。ライバルが少ない分、営業がしやすくなり、新規の獲得もしやすくなるかもしれません。
また、同業他社が少ないことは「優秀な人材が集まる」ことにもつながります。事業内容に興味がある人材が、集中して応募してくることもあるでしょう。
地方で起業するデメリット
地方で起業するときのデメリットを紹介します。
情報の格差がある
都会にいると当たり前に入ってきた情報でも、地方では入ってくるまでに時間がかかることがあります。最新のニュースを常にチェックしたり、ソーシャルメディアを活用したりして、自ら情報を取りに行くという姿勢が大切です。
また、情報発信の場の使い方も工夫をする必要があります。自社のウェブサイトを制作したり、ソーシャルメディアを積極的に活用しましょう。より多くのお客様に商品やサービスを知ってもらうためには、オンラインショップの開設もおすすめです。「集客力に差をつける!ネット販売のためのおすすめ機能まとめ」の記事もぜひ参考にしてみてください。
自動車が必要になる
都会では、移動に便利な電車やバスなどの公共交通機関が発達しています。
しかし、地方では線路が通っていない地域やバスが1時間に1本しかない地域もあります。このような地域の場合は、目的地に行く手段として自動車が必須になります。オフィス賃料は抑えられますが、通勤や配達、営業に必要な自動車の購入費用や燃料費などがかかることになります。
通信環境が整っていない地域もある
徐々に整備はされていますが、未だに携帯電波が入りにくい地域など通信環境が整っていない場所もあります。
そのため、取引先とデータのやり取りやソーシャルメディアの投稿など日々の業務を行う際に、不便に感じることがあるかもしれません。起業する地域の通信環境を事前に調べるようにしましょう。
紹介した以外にも地方で起業することにはさまざまなメリットとデメリットがあります。それらを鑑みた上で、起業の場所を検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2017年12月22日時点の情報を参照しています。
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