アクティビティ・ベースド・ワーキングとは、メリット・デメリットを解説

アクティビティ・ベースド・ワーキング、という勤務形態について最近耳にしたという人もいるのではないでしょうか。新しい働き方、生産性向上につながるワークスタイルとして興味を持っている経営者も多いかもしれません。

今回は、アクティビティ・ベースド・ワーキングとは、導入事例やフリーアドレスとの違い、メリットやデメリット、導入におけるポイントなどを解説します。

アクティビティ・ベースド・ワーキングとは

アクティビティ・ベースド・ワーキング(Activity Based Working、以下ABW)とは、従業員が業務内容に合わせて好きな場所で働けるというワークスタイルです。たとえば、集中が必要な作業とそうではない作業に分け、集中が必要なときには周囲から邪魔されないスペースで一人で作業し、逆に適度な雑談をはさみながら作業を進めたいときは同僚が集まっている空間に行くことなどが挙げられます。どこで働くのかを、所属や役割によって決めるのではなく、業務内容(アクティビティ)によって個々人の判断で決定し、アクティビティに最も適したスペースを選ぶことで生産性の向上を図る点が特徴です。

ABWは、オランダの企業が提案した働き方で、海外や日本でも導入が進んでいます。

参考:フリーアドレスはもう古い 働き方を根本から変える「ABW」の破壊力(2018年11月30日、ITmedia) 

ABWとフリーアドレスの違い

ABWと比べられる勤務形態として「フリーアドレス」があります。フリーアドレスとは、オフィスに固定席を設けずに、社内の座席を自由に利用できるワークスタイルです。オープンなオフィスの中にデスクが配置されており、誰の隣で働くのかを選ぶことが多くなりがちです。

一方で、ABWは、個人作業用、チーム作業用、ミーティング用など、業務内容に合わせて異なるスペースが用意されています。「誰の隣に座るか」ではなく、「この活動に適している空間はどこか」という判断軸で仕事場所を選びます。

アクティビティ・ベースド・ワーキング導入のメリット・デメリット

実際にABWを導入することでどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

ABW導入のメリット

ABW導入のメリットには、主に次の点が挙げられます。

・生産性の向上
・従業員の満足度向上
・従業員のワークライフバランス向上
・コスト削減
・優秀な人材の獲得

生産性の向上
たとえば、固定席だと集中して作業をしている最中に同僚からの相談、電話や周囲の声などで集中力が途切れがちになることがあります。ABWの導入で、静かな空間で作業に集中できれば、作業にかかる時間が減り、生産性向上が図れます。

従業員の満足度向上
オーストラリアの不動産企業では、ABWに基づくオフィスリニューアル後に従業員アンケートを行ったところ、8割以上の従業員が「新オフィスの方がモチベーションが上がる」「より仕事が楽しくなった」と回答しました。

参考:ABWを徹底的に研究、導入し、満足度の高いオフィスを実現 オーストラリア発、グローバル総合不動産グループ(WORKSIGHT)

従業員のワークライフバランス向上
テレワークや在宅勤務との併用によって、オフィス以外の場所も選択肢に入れれば、通勤時間の短縮など、従業員のワークライフバランスが向上します。

コスト削減
ABW導入と併せてテレワークや在宅勤務を取り入れることで、オフィスの数を減らしたり、よりコンパクトなオフィスにできたりと、家賃や光熱費などの固定費の削減につながります。また、どこでも仕事ができるように資料のデジタル化を進めた結果、コピー用紙や印刷コストが大幅に削減できた事例もあります。

優秀な人材の獲得
ABWの導入によって、既存の従業員の満足度を上げることで、魅力的な職場に惹かれて優秀な人材が集まりやすくなる可能性があります。

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ABW導入のデメリット

対して、ABW導入のデメリットには、主に次の点が挙げられます。

・コミュニケーション低下の可能性
・ 会社への帰属意識低下の可能性

コミュニケーション低下の可能性
各自が好きな場所を選んで働く場合、管理職や同僚に相談をしたいのにどこにいるか分からず、コミュニケーションが取りづらくなるケースが予想されます。週のうち何日かはプロジェクトやチーム用のスペースで働いたり、管理職は特定のスペースに待機したりなど、ABW導入前に対策を考えておく必要があります。

会社への帰属意識低下の可能性
チーム単位の活動時間や職場への滞在時間が短くなることで予想されるのは、チームや会社への帰属意識低下の可能性です。対策として、チームごとに専用のスペースを作り帰属意識の向上を図っている企業や、ABWを導入しても自席は設けている企業もあります。

アクティビティ・ベースド・ワーキング導入の際のポイント

ABWを導入する際に気をつけたいポイントは、主に次の点です。

・従業員同士の信頼関係
・コミュニケーションの活性化対策

従業員同士の信頼関係
従業員同士、特に管理職と部下の間に、自律的な働き方を任せられるだけの信頼関係が築かれていない場合は、ABWの導入は難しいといえます。

コミュニケーションの活性化対策
従業員同士のコミュニケーションや帰属意識が低下しないように、週のうち何日かはチームメンバー全員で同じスペースで働いたり、密にコミュニケーションが取れるようなツールを取り入れたりなど、コミュニケーション活性化の対策を取る必要があります。

ABWは、さまざまなメリットがあることから海外や日本の企業で続々と導入されているワークスタイルですが、導入時にはコミュニケーションが疎かにならないように対策が欠かせないに注意しましょう。

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執筆は2019年5月29日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash

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