与信とは?与信管理が必要な理由、方法と手順

公開日:2022/11/29

企業間取引を行う際に一般的に使われるのが与信取引という方法です。相手先を信頼し、後払いで商品やサービスを提供するシステムですが、売掛金を回収できないリスクも伴います。与信管理を怠ると、気付かないうちに経営がひっ迫する可能性があります。本記事では、与信の意味からリスクを回避する与信管理の方法までをわかりやすく解説します。

与信とは?

与信とは、取引相手に信用を供与するという意味です。通常、私たちのような消費者が商品を購入する際は、受取時に決済します。一方で、企業間取引では、製品を納品する度に代金を決済することはほぼありません。なぜなら企業間取引は継続して頻繁に行われるため、都度支払いを行うのは非効率な上、事務手続きが頻雑になるからです。また、与信取引であれば、取引先は、自社の商品やサービスを製造・販売した後に代金を支払うことができるため資金繰りに困ることもありません。ただし、取引先が資金難に陥った場合は代金が回収できないこともあります。与信は、企業間の信頼関係によって成り立つ取引なのです。

与信管理とは?

与信管理とは、販売先企業の支払い能力を調査・分析した上で、取引額や決済方法を決定し損失を生まないように管理することです。

代金を支払う前に、販売先企業の業績が悪化し倒産した場合に、その代金は回収できません。このように、企業間の与信取引は不確実性のリスクが伴います。倒産する可能性がある取引先に対しては、与信枠を絞ったり現金決済にするなど、状況に応じてリスクヘッジを行います。

与信管理が必要な理由

販売先から代金を回収できなくなることを「貸し倒れ」、または「焦げ付き」などといいます。売掛金が増え貸し倒れ状態が続くと、対外的な信用を落とすだけでなく、最悪の場合は販売先の企業と連鎖倒産を起こす可能性もあります。不良債権となれば、それまでがどれだけ黒字経営であっても帳簿には「貸倒損失」と計上することとなり、利益は圧迫されるでしょう。

ただし、リスクを恐れ取引に消極的になってしまっては、売り上げを落とすことにつながり、企業の成長を妨げます。黒字倒産に陥ることなく、継続して安定した利益を確保することが与信管理の最大の目的です。

与信管理の方法と手順

与信管理を始める前にルールを策定し、取引先の信用力を判断できるよう社員教育をすることが大切です。取引先の変化を敏感に察知し、臨機応変に対応することがリスク回避につながります。

1、情報収集・与信審査
取引を行う前にしっかり相手先の情報を収集します。営業担当が取引先に出向き、直接ヒアリングする方法や信用調査会社など第三者からデータを入手する方法があります。

2、分析・評価
収集した情報をさまざまな角度から分析、評価します。
・分析の種類
【定量分析】主に決算書の数値分析。貸借対照表や損益計算書などの決算書から経営状態をつかむ。
【定性分析】数値で表れない情報。経営者の資質や株主、サービス内容、技術力や販売体制が健全かを分析する。
【商流分析】トラブルを防ぐため、取引先が扱う商品の仕入れ先や対象顧客、納品先などの商流(一連の流れ)を分析する。

分析後、あらかじめ決められているルールに則り、総合的に取引の信用力を評価します。

3、与信限度額の決定と契約締結
契約前に、取引先ごとの売掛金の上限額(与信限度)を決めます。社内決裁が済んだら、決められた条件の下で交渉し、契約締結まで進めます。

契約締結後は、引き続き取引先の経営状態を把握し、支払遅延がないように継続管理して、貸し倒れを起こさないように随時調整を図る必要があります。

与信に関するよくある質問

与信とは何ですか?

与信とは、取引を行う相手に信用を与えることです。企業間では継続的に多くの商品の取引がなされるため、都度の代金支払いは経理処理などを煩雑にさせます。そのため、商品の納品やサービスの提供後にまとめて支払いを行う与信取引が一般的な手法として取り入れられています。

与信管理とは何ですか?

与信取引には、取引先が代金を支払えず損失となるリスクが伴います。リスクを回避し、損失を最低限に抑えるために行うのが与信管理です。取引先の経営状態などを調べて、取引すべき量や取引額を調整していきます。倒産する可能性がある取引先に対しては、与信枠を絞ったり現金決済にするなど、状況に応じてリスクヘッジを行います。

与信管理が必要な理由は何ですか?

与信取引における最大のリスクは、売掛金を回収できない焦げ付きや貸し倒れの状態に陥ることです。代金の未払いは損失として経営を圧迫し、取引先と共に連鎖倒産を起こす可能性もあります。安心して取引できる営業基盤を築き、事業を継続・拡大することが与信管理の目的です。

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