【商いのコト】難民を支援するだけではなく、後押ししたい ― 難民起業サポートファンド

成功も失敗も、すべては学びにつながる。ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。

つなぐ加盟店 vol. 32
公益社団法人難民起業サポートファンド 吉山昌さん

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「年間28名」

この数字が何を示すか、皆さんはお分かりだろうか。これは、2016年の日本の難民認定者数を示している。「難民問題」と聞くと遠くの国で起こっている問題だと思う方も多いかもしれません。実際、日本の難民認定者数は世界的に見てかなり少なく、受け入れのハードルの高さが国際社会でも指摘されている。

今回「商いのコト」で紹介するのは、起業による難民の経済的自立を後押しする、公益社団法人難民起業サポートファンドの代表理事・吉山昌さん。吉山さんは、起業を目指す難民に、事業資金の融資や経営のアドバイスをしている。

前編では、吉山さんが難民起業サポートファンドを設立した経緯を伺った。

後編はこちら

大学時代、難民支援活動に触れて

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吉山さんが難民と最初に接点を持ったのは、大学生のとき。国際問題への興味から、アムネスティ・インターナショナルの大阪事務所の活動に顔を出すようになった。

アムネスティ・インターナショナルは国際的な人権NGOで、人権侵害のない世界を実現するためにさまざまな問題に取り組む組織。そこで活動をする中で、難民支援活動に参加する機会があったのだという。

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「紛争や人権侵害によって故郷を追われ、私達が当たり前に送っている生活が送れなくなってしまう人たちが日本にもいるという現実を目の当たりにしました。自分も何とか力になれないかと、その時強く思ったんです。」

アムネスティ・インターナショナルが扱う問題の幅は多岐に渡っていたため、1999年、難民支援に関わっていた東京と大阪のアムネスティ・インターナショナルの一部メンバーは難民問題に専門的に取り組む団体を設立することを決意。当時大学4回生だった吉山さんも参画し、NPO法人 難民支援協会が設立された。

難民を後押しすることで、経済的自立を

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難民支援協会の立ち上げからまもなくして、吉山さんは大学を卒業。一般企業に就職して経営コンサルタントの仕事をする傍ら、難民支援協会の活動に理事として関わりを続けた。難民支援協会では、年間3,500件以上にのぼる相談に対する個別支援、難民受け入れの制度改善を目指した政策提言、そして広報活動など、日本の難民保護を目的に幅広く活動をしている。

難民支援協会の活動に一つの転機が訪れたのは2008年のこと。日本の難民申請者数が前年の約2倍(2007年:816人、2008年:1599人)に増加したのだ。この事実を受けて、協会では難民支援のあり方について改めて考えたのだという。

「“私達が個々人に対して支援をし続ける”というアプローチだけでは回らなくなってしまうと感じました。そこで、難民同士が支え合う、自助・共助の可能性を探ろうとしました。」

そこで、協会では支援している難民の生活状況を改めて調査した。すると、既に事業をしていたり、これから事業を起こそうと考えていたりする難民が何名もいたのだ。

「“難民が起業する”というのは、意外に思われるかもしれませんね。安定した働き口がなく自らを雇用するために起業するという方もいますし、来日する前から事業経験があって起業を選択する方もいます。理由は人それぞれですが、“本気で挑戦しようとしている人達がいる”ことを知ったんです。難民問題はどうしても“支援”の色が強いですが、自分たちで自分たちを支える方法を後押ししたいと思ったのです。」

2010年、資金調達のハードルの高さと異国でビジネスをすることの難しさを抱えた難民をサポートする目的で、難民起業サポートファンドの設立準備を開始。そして2011年、吉山さんはそれまで働いていた企業を辞め、“難民サポートの世界”で生きていくことを決めた。

後編はこちら

公益社団法人難民起業サポートファンド
160-0004
東京都新宿区四谷1-7-10 第三鹿倉ビル6階

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(つなぐ編集部)
写真:小沼祐介


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