「オールインクルーシブ」は、宿泊客にとって便利な仕組みであるとともに、宿泊施設にとっても業務効率化につながるとして、徐々に広がりを見せています。
オールインクルーシブの導入を検討中の宿泊施設経営者もいるかもしれません。今回は、最近注目を集めているオールインクルーシブについて解説します。
オールインクルーシブとは
「All Inclusive(すべてを含む)」という言葉のとおり、オールインクルーシブとは、さまざまなものにかかる料金をすべて旅行代金に含めたプランのことを指します。
含まれる料金の例としては、
・食事代金
・飲み物(アルコール含む)代金
・プールやジムなどフィットネス施設の利用料金
・マッサージやサロンなどリラクゼーション施設の利用料金
・マリンスポーツなどのアクティビティ参加費用
などが挙げられます。
海外では、リゾートホテルなどを中心に普及しており、日本でも徐々に広まりつつあります。
オールインクルーシブを導入するメリット
オールインクルーシブを導入するとどんなメリットがあるのか、宿泊施設側と宿泊客側それぞれの立場から解説します。
宿泊施設側
宿泊施設側のメリットとして、以下のものが挙げられます。
・会計業務がスムーズになる
お客様が何かを行うたびに、いちいち会計をする必要がありません。クレジットカード払いなどキャッシュレス決済に対応していれば、現金を取り扱ったり、レジを締めたりする手間が省けるため、さらに会計業務がスムーズになると考えられます。
・人件費などのコストを抑えられる
会計業務が効率化することで、結果として人件費などのコストを抑える効果が期待できます。今まで会計にかかっていた時間や労力を別の業務に回すことができるため、サービスの改善や生産性アップにつながる可能性も高まります。人材不足などでコスト削減や業務効率化が求められる中、オールインクルーシブは一つの選択肢となり得ます。
宿泊客側
宿泊客側のメリットとして、以下のものが挙げられます。
・支払いを気にしなくて済む
宿泊するお客様にとってもっとも大きなメリットといわれています。すべてが旅行代金の中に含まれているため、レストランで食事をしたり、宿泊施設内でレジャーを楽しんだりするたびに、いちいち支払いをする必要がありません。お客様は、滞在期間中お金のことを気にせずに過ごせるため、オールインクルーシブはお客様にとって便利な仕組みだと考えられます。
・宿泊施設の中だけで充実した滞在ができる
フィットネスやリラクゼーション、アクティビティなども料金内に含まれていることから、宿泊施設から出なくても休暇を楽しむことができます。日常から離れ、ホテル暮らしや別荘にいるような感覚で過ごせるのも、オールインクルーシブならではと考えられます。
逆に、外での観光を楽しみたいお客様にとっては魅力が少ないともいえます。「ゆっくりリフレッシュしたいお客様」「執筆作業やプログラミングなど、腰を据えて仕事をしたいお客様」など、宿泊施設からなるべく出たくない人に向けたアプローチが効果的だと考えられます。
・キッズ専用プログラムで子どもも楽しめる
宿泊施設によっては、お子様向けのプログラムを用意しているところもあります。小さな子どもがいるファミリーなどにとっては、子どもを遊ばせたり、スタッフに預けて自分たちはゆっくり過ごしたりできます。
オールインクルーシブを導入する際に気をつけること
メリットが多いと考えられるオールインクルーシブですが、導入の際にはいくつか注意したい点もあります。
・飽きられないような工夫が必要
オールインクルーシブを利用するお客様は、好きなだけ飲食やレジャーを楽しめます。しかし、毎日代わり映えしないメニューを提供された場合、飽きてしまう可能性があります。そのため、宿泊施設側としては、なるべく毎日お客様に快適に過ごしていただけるよう、食事メニューを変えたり、毎日違うイベントを開催したりするなどの工夫が必要だと考えられます。効率化の観点からいえば、常に同じものを提供し続けたほうが楽ですが、何かしらの違いを設けることで、お客様の満足度が高まる効果が期待できます。
・子どもの受け入れ体制を検討する
小さなお子様を受け入れる場合、お客様が安心できるような体制づくりを検討することも大切です。お子様へのスタッフの対応はもちろんのこと、大人だけではなく子どもも楽しめるイベントを開催したり、お子様向けの食事メニューを用意したりすることで、子連れのお客様にも喜んでいただけるでしょう。乳児や幼児を受け入れる場合は、オムツ交換や哺乳瓶の洗浄などにも配慮すると、お客様に選んでいただきやすくなると考えられます。
・会計手段を検討する
オールインクルーシブのプランを選択するお客様の中には、「できるだけ手間を省きたい」「面倒な手続きをしたくない」と考える人もいると考えられます。また、食事代金やアクティビティ利用料金がすべて含まれるオールインクルーシブは、金額もある程度大きくなりがちです。お客様によっては、多額の現金を持ち歩きたくないという方もいるかもしれません。
いくら滞在中は快適に過ごせる工夫をしていても、「支払い方法は現金しか選べない」など手間がかかる仕組みになっていれば、お客様にネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。お客様に最初から最後まで気持ちよく利用していただくために、滞在中だけでなく、その前後においてもスムーズな手続きができるよう、会計の方法についても検討しましょう。
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生産性向上や顧客満足度アップのために、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
執筆は2019年1月30日時点の情報を参照しています。2021年9月30日に記事の一部情報を更新しました。
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