店舗だけにとどまらず、新しい事業にチャレンジしたい飲食店にとって「ケータリングサービス」はひとつの選択肢ではないでしょうか。
デリバリーサービスに比べて、難しいといわれるケータリングサービス。今回は、飲食店が新たにケータリングサービスを導入するにあたってのポイントを説明します。
ケータリングサービスとは
ケータリングサービスとよく比較されるのは、デリバリーサービスです。
デリバリーサービスとは、調理済の料理をお客様の自宅やオフィスなどに配達し、その場で精算して終了するサービスのことを主に指しています。出来上がった料理を「届ける」サービスで、配膳や片付けなどはお客様が行います。
一方、ケータリングサービスでは、料理を届けるだけの場合もありますが、それだけではなく、会場のセッティングや配膳、片付けなどを行うことも多いようです。
中には、出来たての料理を美しい食器に盛り付け、テーブルにテーブルクロスや花などを綺麗にセッティングするようなサービスを提供している事業者もあります。
パーティーや宴会中は、ケータリングサービスのスタッフが料理の配膳やドリンクの提供を行い、来場者が楽しめるように気を配ってくれます。楽しいパーティーが終わったあとは、片付けも行い、ゴミも全て持ち帰ります。事業者によっては、事前にパーティーの目的を聞いて、会場や目的に合わせてセッティングを行ってくれることもあります。
ケータリングサービスの種類
お客様がケータリングサービスを利用するシチュエーションはさまざまです。
個人向けでは、
・ホームパーティー
・ウェディングパーティー
・法事・法要
法人向けでは
・レセプションパーティー向け・宴会
・社内イベント
・社外イベント
このようにケータリングサービスにはさまざまな種類があります。
ケータリングサービスを始めるメリット
ケータリングサービスにはどんなメリットがあるのでしょうか。
売り上げアップ
店舗の売り上げを、客単価 ✕ 客数 ✕ 回転数で計算したときに、店舗だけで売り上げを伸ばそうと考えると、客単価を上げるか、座席数を増やして客数を増やすか、効率を良くして回転数を上げるかしかありません。
どの飲食店でも試行錯誤を繰り返して売り上げを伸ばそうとしていますが、これらの点を思ったように実現することはなかなか難しいでしょう。
一方、ケータリングサービスの場合、会場によっては通常の店舗よりも大規模な注文を受けることもできます。たとえば、100人以上が参加するパーティーでは、実際の店舗が20席しかなければ、その5倍以上の客数を獲得することができます。大人数の注文が定期的に入れば、売り上げアップが期待できます。
ロスが少ない
ケータリングサービスでは、事前に予約を受け付けることが多く数日前には料理の内容と人数が確定し、急なキャンセルや大きな変更が起きることはめったにないと考えられます。
通常の飲食店では、その日にお客様がどれだけ来るか予測した上で食材を準備しているので、予測が外れた日には残った食材はロスになってしまうでしょう。さらに、スタッフの人件費もかかってしまいます。
ケータリングサービスでは、数日前から提供する料理のボリュームや配膳などに必要な人員を把握しているため、適切な食材の調達と人員配置ができ、食材と人件費のロスが出にくいといえます。
ケータリングサービスのデメリット
ケータリングサービスにもデメリットはあります。
すでにケータリング業界には多くの事業者がいます。新しくケータリングサービスを始めるためには、既存の事業者を超えるような料理のメニュー、サービスのクオリティー、他にはない特徴などが必要になってきます。
ケータリングサービスを始めるには
実際にケータリングサービスを始める際、どんなことに気を付けるべきでしょうか。知っておきたい点を紹介します。
衛生管理
ケータリングサービスでは、お客様はパーティーやイベントが開催される会場で料理を食べます。自店舗と違って、当日までどんな会場か分からない場合もあるでしょう。時として、環境が悪い中でサービスをすることも考えられます。自店舗以上に衛生面に気をつかうことが大切です。
また、お客様がどのタイミングで料理を食べるかわかりません。イベントやパーティーの進行に合わせて、フレキシブルに対応することが求められます。
従業員の管理
ケータリングサービスには、配達だけでなく、会場セッティングや料理の盛り付けなどの工程もあります。従業員にとっては今まで経験していなかった新しい工程を覚えなければならず、シチュエーションや会場によっても工程が変化します。
お客様に満足してもらうためには、従業員の事前のトレーニングが必要です。
ソーシャルメディアを使った宣伝
ケータリングサービスを始めただけでは、すぐに予約は埋まりません。チラシの配布や、ホームページを作ってアピールすることも大切ですが、TwitterやFacebook、Instagramといったソーシャルメディアを使って宣伝する方法が効果的でしょう。サービスの内容が興味を引くものであれば、情報は自然に拡散し、予約につながることも期待できます。
口コミも有効です。ケータリングサービスの試食会を開き、ソーシャルメディアに感想を投稿してくれた人には割引サービスを提供するなどもよいでしょう。
精算の方法
デリバリーサービスでは料理を届けてもらったときに、お客様が現金で料金を払う場面がよく見られます。お客様は事前に現金を用意しておく必要があり、事業者もお釣りの準備が必須になります。
ケータリングサービスは、デリバリーサービスと違って規模が大きいことも多いため金額が高くなります。パーティー後に精算するのは、お客様にとっては多額の現金を事前に準備しておく必要があるので、不安に感じるかもしれません。
これらの不便さを解消する方法が、クレジットカード決済の導入です。クレジットカードなら事業者にとっても、お釣りの準備を気にする必要がありません。また、Squareなら会場でのクレジットカード決済だけでなく、請求書をメールで送付することもできます。法人のお客様の中には現金よりも請求書払いを希望するところもあるのではないでしょうか。支払い方法の選択肢を増やすことも顧客満足度につながります。
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執筆は2018年5月2日時点の情報を参照しています。
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