表参道の裏路地にある美容室、SIX。地上から少し登った3階部分に広がる空間は、コンクリート打ちっぱなしの中にも、丸みのある木の家具や窓の外に映る緑の姿が心地よさを演出する。スタッフのことを第一に考え、日々コミュニケーションを取りながら、持続可能なお店作りを目指す。店主の久保さんにその秘訣を聞いた。
「もともと何歳でお店をやりたい、というのはなかったんですけど、自分がやりたいビジョンとそれに共感してくれたスタッフたち、場所とが合致して今出そう、と始めました」
「この辺りでずっと美容師をやっていたので、エリア的には、迷わなかったです。ただ、メインストリートよりはもう少し通いやすい感じの落ち着く美容室がいいなぁと思いここにしました。3階にした理由ですか?特にないですが、外からあまり見えない1階以外にしようと思いまして」
「この辺りは常に動き続けている場所なので、自分に厳しくいけますね。現状維持は衰退してしまうのでいつも新しく刺激的なことを作っていくのが大事かな、と。少し落ちつく月に個人ブランディングのような感じで、一人ひとりのスタッフと話し合いながらお店の色作りをしていますね」
「お客様は9割女性ですね。切る担当によってお客様の年齢層はさまざまです。スタッフの数だけ得意なカットも増えるのでボブが上手い子にはボブの方ばかりきたり、と個性が出ておもしろいです。長期の休みの時は地方から髪を切りにいらっしゃる方もいます」
「スタッフ達に大切にしてほしいこと数えていたら6個あったので、それをお店の名前にしました。まずはスタッフ、お客様、自分のデザイン、お店、仕事の関係者、後は家族を大切にしてほしいですね。美容師さんってけっこう短距離走みたいな感じなんですが、あんまりよくないスパイラルだと思っていて、お休みをしっかり取れたりだとか、福利厚生はしっかり考えています」
「スタッフみんなが忙しいと一番嬉しいです。最初はお客様がいなかった子が忙しくしていたり、周りがみんな楽しんで働いてくれるとすごく嬉しいですね。僕はナンバーワンじゃなくていいんですよ」
「前使っていたこともあり、すぐSquareだな、と思いました。紙物を全てなくしたんですよ。カルテも雑誌も全てiPadにしました。商品棚も配線もなしにして、余計な物をなるだけ省きたくて。Squareはわかりやすくて支払いが即日なのが気に入っています。シンプルなのがいいですよね」
「今後の働き方としてもっと幅を広げたいと思っていて。撮影をしたりとか、イベントを開いたり、出張美容師をやりたい、など一個の家といいますか、サロンワークがうちであればいいかなぁ、と思います。いろいろな子が入ってきた時のために沢山パイプを作っておきたいですね」