キャッシュレス・消費者還元事業に続く、マイナポイント事業とは

対象店舗でキャッシュレス決済を行うと、消費者に最大5%(※)が還元される「キャッシュレス・消費者還元事業」への参加店舗数は、とうとう100万を突破。2019年10月から開始している本事業は、2020年6月に終了を予定しています。そこでポイント還元の終了とともに消費が低迷してしまわないよう、次なる施策として総務省が発表しているのは、「マイナポイント事業」です。「どのような事業なのだろう」「参加するにはお店側が申請しないといけないの?」とその内容に興味を抱いているビジネスオーナーも少なくないのではないでしょうか。ここではマイナポイント事業の概要、また中小企業が参加するうえでの手続きを解説します。

※:原則として、購買額の5%。ただしフランチャイズチェーン店舗などでは2%。

マイナポイント事業の仕組み

2020年9月から開始を予定している「マイナポイント事業」(※)。本事業は2021年3月まで続く予定ですが、具体的にはどのような施策なのでしょうか。「キャッシュレス・消費者還元事業」との共通点や相違点を通じて「マイナポイント事業」への理解を深めていきましょう。

※:マイナポイントの申し込みは2020年7月からはじまります

キャッシュレス・消費者還元事業との共通点や相違点は

2019年10月の消費税率引き上げによる消費の落ち込みを防ぎ、同時にキャッシュレス決済を普及させるために始まった「キャッシュレス・消費者還元事業」。そのため、期間中に対象店舗でキャッシュレス決済を行うことで、毎回最大5%のキャッシュバックが受けられるような仕組みが作られました。対象店舗になるには参加申請が必須でした。参加をすると、キャッシュレスへの対応がまだであれば決済端末を無料で手に入れられたり、カード決済手数料が実質2%台に抑えられたりというようなメリットが受けられ、これを機にキャッシュレス決済端末を手に入れた人も少なくないのではないでしょうか。

一方でマイナポイント事業は、「キャッシュレス・消費者還元事業」と同じようにキャッシュレスや消費を促すための施策ではあるものの、大きな相違点として「マイナンバーカードの普及促進」を掲げています。そのため、消費者は事前に指定したキャッシュレス決済サービスにチャージ、あるいはそれを利用して商品を購入することで、購入額の25%を「マイナポイント」として還元を受けることができます。しかしながら、まず大前提として、マイナンバーカードを取得しなければいけません。さらにマイナポイントを受け取るにはマイナンバーカード取得後、マイキーIDを設定し、マイナポイントの申し込みをする必要があります。

消費者がマイナポイントを取得するまでのおおまかな流れを整理しましょう。

  1. マイナンバーカードの取得申請を行う
  2. 交付窓口などでマイナンバーカードを受け取る
  3. マイキープラットフォームでマイナポイントの予約をする。利用したいキャッシュレス決済サービスを一つ選択し、マイナポイントの申込をする
  4. 登録したキャッシュレス決済サービスが利用できる店舗などでキャッシュレス決済を行う
  5. マイナポイントが付与される

期間中の付与額には上限があり、2020年6月19日時点で発表されている額は、最大5,000円です。すでに2月19日の発表ではSuicaやWAONなどが、マイナポイント事業に参画するキャッシュレス決済サービスとして発表されています。

参考:
事業概要 | マイナポイント事業(総務省)
キャッシュレス利用で最大5000円を付与 PayPayやSuicaなどがマイナポイント事業の対象に(ITメディア、2020年2月19日)

手続きが複雑に聞こえるマイナポイント事業ですが、株式会社カンムがマイナポイントへの意識調査を行なったところ、手続きを知ったうえで「マイナポイントを使いたい」と答えた消費者は7割を占めていました。

参考:マイナンバー制度によるポイント還元 「マイナポイント」への意識調査(2019年10月3日、株式会社カンム)

ここで覚えておきたいのは、マイナポイントを利用するには、マイナンバーカードの取得が大前提としてあるものの、キャッシュレス決済を行うことも必須条件の一つだということです。この理由から、飲食店、小売店、宿泊施設など、業種問わずマイナポイント利用層を囲うには、マイナポイント事業の公式サイトに掲載されている対象となるキャッシュレス決済サービスに対応しておくことが大切だといえます。

ビジネスオーナーとしての留意点は、「キャッシュレス・消費者還元事業」のように店舗側が参加申請を行う必要はないということ。そのほか詳しい情報は、マイナポイント事業の公式ウェブサイトから随時確認しましょう。

参考:マイナポイント事業(総務省)

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、特別定額給付金の申請のためにマイナンバーカードを取得した消費者もいるでしょう。「せっかくマイナンバーカードを持っているし、マイナポイントにも申請してみよかな」と考える消費者は想像以上に多くいるかもしれません。キャッシュレス決済への対応がまだであれば、マイナポイントを狙う層を逃してしまわないためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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執筆は2020年2月21日時点の情報を参照しています。2020年6月19日に記事の一部情報を更新しました。
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