【一歩ずつ、​前へ​】地元民に​愛される​パン屋で​あり続けるには。​ミカヅキ堂

Square 加盟店が​今どのように​ビジネスと​向き合い、​どのように​前に​進もうと​しているのか。​【一歩ずつ、​前へ】は、​加盟店の​今の​声を​お届けする​シリーズです。

今回お話を​伺ったのは、​東京メトロ田園都市線​「三軒茶屋駅」から​2分ほど​歩いた​ところに​ある​パン屋、​「ミカヅキ堂」。​今年の​4月には​インスタグラムを​通じて​初の​全国配送を​はじめ、​6月には​ウェブサイトからの​注文受付も​開始するなど、​店頭まで​足を​運ぶ​ことのできない​人にも​ミカヅキ堂の​パンを​楽しんで​もらえるよう試行錯誤を​されている​最中です。

ここでは​店長の​遠藤穰​(ゆたか)さんと、​販売マネージャーの​小田嶋萌実さんに​新たな​取り組みに​おいて​苦労された​ことや​心動かされた​こと、​パン​作りに​おいて​これまでも、​これからも​大切に​していきたい​ことに​ついて​伺いました。

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▲ミカヅキ堂の​店長、​遠藤穰さん​(右)と​マネージャーの​小田嶋萌実さん​(左)

ミカヅキ堂さまに​ついて​簡単に​教えていただけますか。

遠藤さん​「ミカヅキ堂は、​同じく​三軒茶屋に​ある​ヨーロッパ食堂と​いう​飲食店が​出した​お店で、​姉妹店に​あたります。​ヨーロッパ食堂で​働いていた​石井と​僕が​友達で、​そのつながりで​一緒には​じめた​パン屋さんです。

日々に​馴染む、​毎日​食べていただける​パンと​いう​コンセプトで​やっています。​お年寄りから​ちっちゃい​お子様まで​食べられるように、​無農薬野菜に​こだわりながら、​安心安全の​食材を​使って​パンを​作るようにしています。

パンは​国産小麦を​使っていて、​なかでも​割と​風味が​強い​茶色い粉を​使っています。​雑味が​出ると​パンは​おいしくなると​思っているんですが、​茶色い粉は​真っ白い​粉よりも​味に​深みが​出るんです。​なので​茶色い粉を​使って、​風味の​強い​パンを​目指すように​作っています。

店頭には​常時40から​50種類ほどの​パンを​用意していて、​週末は​それよりも​多くなったりしますね。​そのうちの​3分の​1くらいは​季節に​よって​変わったりもします。

サンドイッチやタルティーヌなどの​パンは​ミカヅキ堂で​焼いて、​お惣菜パンに​乗せる​具材などは​ヨーロッパ食堂に​作って​もらったりしています。​ヨーロッパ食堂と​連携しながらパンを​作れるのは​ミカヅキ堂の​強みでも​ありますね」

お客様は、​地元の​方が​多いのでしょうか。

遠藤さん​「そうですね。​割と​三軒茶屋と​いう​土地が​外から​来る、と​いう​よりかは​地元の​お客様で​賑わう​ところだとは​思っているので、​地元の​人に​楽しんで​もらうと​いうのを​コンセプトに​やっています」

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4月下旬からは​「ミカヅキ便」で​全国配送を​開始

緊急事態宣言が​発令されてからの​状況と、​現在の​状況を​教えていただけますか。

遠藤さん​「パン屋は​割と​コロナの​影響は​そこまでない​業態だと​思うんですけれど。​うちも​テイクアウトと​いう​位置付けには​なるので、​そこまで​売り​上げが​落ちたと​いうわけでは​ありませんでした。​ただ​時間を​縮めたり、​そういう​ことは​しましたね​(※)。​すごく​お客様が​遠の​いたと​いうのは​なかったですね。​今も​状況は​変わらず、と​いうような​ところです」

※当面の​間は、​営業時間を​10:00-18:00までとし、​通常と​比べて​1時間​繰り上げて​営業を​続けられる​予定です。

新しい​取り組みと​して、​4月の​下旬からは​パンが​7つから​12個ほど​詰まった​「おまかせセット」を​全国に​配送する​「ミカヅキ便」を​はじめられましたよね。

小田嶋さん​「そうですね。​コロナ以前から、​地方の​方から​『配送は​やっていないんですか』と​お問い​合わせを​結構​受けていた​ことも​あって、​コロナを​きっかけには​じめました。​それに​気づいてくれた​地方の​人が​頼んでくれる、と​いうのも​ありましたね。

実は​コロナが​始まった頃は、​通常19時閉店の​ところを​17時閉店に​して、​2時くらい​営業時間を​短く​していたんです。​なので​店頭で​販売する​分に​加えて​作ると​いう​形ではなく、​2時間分の​店頭での​売上を​補填する、と​いう​形で​ミカヅキ便には​対応していました」

地方だと、​遠くて​どちらから​注文が​入りましたか。

遠藤さん​「北海道も​ありましたよね。​あとは​沖縄も​ありました」

予約を​受けてから​発送するまでは​どのような​流れなのでしょうか。

小田嶋さん​「今は​代引きで​対応できるようになりましたが、​最初は​振込のみでの​対応だったんです。​なので、​まず​振込されているのを​確認してから​パンを​作って、​送ると​いう​感じでしたね。​お客様の​手には​翌日に​届くように​発送していました」

配送に​取り組むうえで、​大変に​感じられる​部分は​ありましたか。

小田嶋さん​「やってみると​一つ​ひとつの​パンを​詰めるだけでも​意外と​時間が​かかったり、​たくさん​送るとなると​間違えちゃいけないし、と​慎重になる​部分も​ありましたね。​なかなか​慣れないと​大変な​ことは​結構​ありました」

遠藤さん​「インスタグラムからの​お問い​合わせも、​結構​質問が​多かったりして、​一人​ひとりに​対応するのは​大変そうでしたね」

ピークの​ときは​どれくらいの​注文が​入ってきていたのでしょうか。

小田嶋さん​「​(ミカヅキ便に​ついての​投稿を​)​あげた​瞬間に、​いっきに​30件から​40件くらい​注文が​来た​ことも​ありましたね。​それを​ちょっと​ずつ​作って、​送って、と​いうのを​やっていました」

遠藤さん​「ただ​注文を​受けてから​一週間以内に​送る​ことに​していたので、​1日に​何十件も​送ると​いう​ことはなくて、​順番に​送っていました」

やってみて​新鮮だと​感じられた​ことなどが​あれば、​教えていただけますか。

遠藤さん​「パンが​届いてから、​『届きました!』と​いう​メッセージを​インスタグラムで​送ってくれる​お客様も​いました。​すごく​喜んでくれるのは、​すごく​うれしかったですね。​特に​地方の​方は​すごく​喜んでくれました。​それを​見ると​『やって​よかったな』と​いう​気持ちに​なりましたね」

6月からは​ウェブサイトからの​注文も​可能に

6月下旬からは​インスタグラムの​ダイレクトメッセージ​(DM)を​通してだけでなく、​ウェブサイトからも​注文できるようになりましたよね。

遠藤さん​「コロナが​いつ終息するかと​いうのが​まだまだ​見えないので、​通販も​伸びてくる​ことを​見据えて、​通販を​用意しました。​地方の​方など、​来れない​人に​食べて​もらいたいと​いうのも​ありますね」

現時点では​ウェブサイトから​「おまかせパンセット」​「焼き菓子セット」​「和牛まくらコブの​赤ワイン煮と​パンセット」​「バナナパウンドケーキ」​「フリュイ・セック」の​5点が​購入できますが、​ラインアップは​今後変わる​予定ですか。

遠藤さん​「実は​今、​通販が​落ち着いてしまっているので、​今の​ラインアップの​ままで​いこうかなと​考えています。​ただ​通販の​仕組みを​変えようと​考えている​最中です」

どのように​変わる​予定なのでしょうか。

小田嶋さん​「今は​ホームページに​ミカヅキ便で​お送りしている​ものを​載せているんですけれど、​ホームページとは​また別に​商品だけが​見れる​ページを​用意しようと​考えています。​もう​少し​見やすいように、​商品ごとに​購入ボタンが​押せるように​作ろうかなと​考えています」

飽きが​こない​パンを​安心・安全に​提供しつづけたい

このような​ご時世のなか、​ミカヅキ堂さまと​して​パンを​作り続けていくうえで​大切に​していきたい​ことを​教えていただけますか。

遠藤さん​「これからは​健康に​ついてもっと​考えさせられるようになっていくと​思うので、​ミカヅキ堂でも​いかに​安心して​食べていただけるか、と​いう​ところを​一番​大事に​していきたいと​思っています。

あと、​いま電車に​乗って​来ていただく​ことがなかなか​難しかったりもするので、​地元の​お客様を​いかに​大事に​できるのか。​愛される​場所で​いる​ことがとても​大事に​なってくるのかなと​思います。

作り手と​しては、​全ての​ものに​妥協なく、と​いうのは​やっぱり​一番だと​思いますね。​それと​『飽きさせない』と​いうのも​大切に​しています。​決まっている​パンも​出していますが、​季節ごとに​一部の​商品を​大幅に​変えたりしているのは​それが​理由です。​毎日​来て​もらって、​毎日​違う​発見が​あると​すごく​おもしろいなと​感じるので」

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