これまで、美容院、飲食店、小売店向けに集客方法についてご案内をしてきました。今回は、住宅のリフォームや修理事業を行う経営者向けに集客におすすめの方法をお伝えしたいと思います。
リフォーム・修理業の場合、他の事業と大きく異なるのは店舗を持たない点です。職人としての技能の他に、工具、車があれば独立できるので、開業に資金があまりかからない業種といえます。その一方で、「店舗」というお客様にアピールする手段がない分、集客には工夫が必要です。
お客様の信頼を勝ち取る
店舗があれば、お客様はその前を通り過ぎた時にどのようなお店か様子を伺うことができますが、リフォームや修理業の場合は「きちんと予算通りの金額で、満足できる工事をしてくれるだろうか」と分かる手段はなかなかありません。
リフォームや修理工事の場合、「軽微な建設工事*」の範囲に含まれるような作業を請け負うことが多いため、建設業の許可を取得する必要はありません。従って、お客様にとって許可を取っている業者かどうかで判断することも難しいです。
このように、自宅のリフォームや修理を安心して頼める業者を探すのはお客様にとって意外にハードルが高いことです。ついつい、以前頼んだことがある業者や近所にある業者に頼むことも多いかもしれません。このハードルを下げることが集客に繋がります。
建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事。建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事。詳細についてはこちら
自治体に登録する
市町村区の中には、自宅のリフォームや修理を考えている住民向けに、ホームページや窓口で事業者を紹介している自治体もあります。
例えば、新宿区の場合は住宅課が新宿区住宅リフォーム協議会を通して業者をあっせんしています。練馬区では、区のホームページから登録事業者を検索できるようになっています。
他にも、群馬県住宅供給公社では、“畳”、“襖”、“造園”といった工事項目ごとに登録事業者を見つけられるようになっています。
営業圏内に住んでいるお客様にアピールする第一歩として、自治体の提供する情報の中に事業者として登録してみてはいかがでしょうか。
紹介サイトに登録する
飲食店に口コミやクーポンサイトがあるように、リフォームや修理事業者の情報を集めているウェブサイトもあります。
一般財団法人住まいづくりナビセンターが運営するリフォーム評価ナビや、株式会社アイアンドシー・クルーズが運営するリショップナビ、株式会社オクトが運営するみんなのリフォームなど、サイトごとに特徴があるので、見比べてみて登録を検討してみてはいかがでしょうか。
登録料金がかかったり、掲載する写真や情報を準備する必要はありますが、自社のウェブサイトをいちから作成するよりずっと手間を掛けずにインターネット上で広告宣伝ができます。
登録をするだけではお客様はすぐに増えないので、施工事例の写真や説明をなるべく多く載せたり、施工可能な範囲を細かく記述したりするなど、情報収集するお客様の目に留まる工夫をしましょう。
自社ウェブサイトやソーシャルメディアの活用
飲食店や小売店と同様に、リフォームや修理業が自社のウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントを持つことは、宣伝ツールとしてとても大切なことです。
ウェブサイトのメリットについてはこちらの記事を参考にしてください。
営業圏内に単身世帯や子育て中の若い親世代が多く住んでいるのであれば、ソーシャルメディアの活用をおすすめします。マンションや戸建てを初めて購入する世代で、リフォームや修理の知識・経験が比較的少ないと考えられるためです。
FacebookやTwitter、Instagramといったソーシャルメディアのアカウントを開設し、施工実績を載せるだけでなく、襖の張替え時のコツや壁を塗り替える時におすすめの道具など、プロ目線からのDIYに役立つ情報も発信してみましょう。リフォームに興味を持つ層がフォロワーとして増えると同時に、施工実績の写真を見て、「やっぱりプロの手にお願いしよう」と仕事の受注に繋がる可能性もあります。
発信だけでなく、ソーシャルメディアではフォロワーが投稿にコメントしたり、直接メッセージをやり取りすることが可能なので、リフォームや修理をしようかどうか悩んでいるお客様とオンライン上でコミュニケーションを取ってみるのはいかがでしょうか。
アメリカでは実際にFacebookのメッセージ機能を利用して注文を受けている会社もあるようです。
年齢層によって工夫を
もし、営業圏内が比較的高齢者の多い地域だと、これまで触れた紹介サイトや自社ウェブサイト、ソーシャルメディアの活用といった手段はあまり有効ではないかもしれません。高齢の方をターゲットとして見据えている場合は、紙媒体による宣伝を検討してみてはいかがでしょうか。
新聞に広告を出すには莫大な費用がかかりますが、どの自治体でも広報誌を出していて、広告主を募集しています。広告枠の大きさにもよりますが、費用は数千円から数万円と新聞広告に比べてかなりリーズナブルな上、全世帯に向けて配布されるので確実にターゲットとなる地域住民の目に触れます。
ユニークな例だと、世田谷区では職員に配布される給与明細の裏側を広告スペースとして利用しており、定期的に広告主を募集しているようです。
お得意様に繋げる
住宅のリフォームや修理は、家主のライフスタイルの変化や建材のライフサイクルによって需要が度々生まれます。一度依頼のあったお客様とはできれば長い付き合いを続けたいものです。お客様も自分の家をよく理解してくれている事業者に任せられると安心します。リフォームや修理に関する専門知識や工事の仕上がりはもちろんのこと、他のサービス面でもお客様に満足していただけることが次の受注に繋がります。
支払いもその一つではないでしょうか。
直接自宅にお邪魔しての作業になるので、少額の場合はその場で、高額の場合は請求書での支払いになると思います。作業後は手や作業服が汚れているので、その場でお金を受け取ったり、請求書を渡すのはちょっと気まずいということはありませんか。
SquareのPOSレジをご利用いただければ、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを利用してカード決済を受け付けることができますし、作業後に事務所に帰ってから請求書をお客様のメールアドレス宛に送ることもできます。
複数の現場を抱えている場合は、Squareのスタッフ管理をご利用いただければ、職人の作業時間や現場ごとの売上を管理することができるので、今まで事務作業に使っていた時間の節約になります。その分、営業活動に時間を使うことが出来るので、より効率的な経営に繋がるのではないでしょうか。
執筆は2017年2月22日時点の情報を参照しています。2019年2月26日に記事の一部情報を更新しました。
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