流動比率の計算方法
流動比率の計算方法は、「流動資産 ÷ 流動負債 × 100(単位%)」です。たとえば、流動資産が300,000円、流動負債が150,000円である場合には「300,000 ÷ 150,000 × 100 = 200%」となります。この数字が100%を超えているときは、1年以内に支払わなければならない負債を、1年以内に現金化できる財産でまかなえる状態であることを表しています。流動負債の支払い能力を示す比率ですので、流動比率の数字はより高いことが望ましいです。
流動比率の適正水準
中小企業の流動比率の適正水準(目安)は下記の通りです。
150%以上
流動比率が150%以上であれば優良水準です。
120~149%
流動比率が120~149%の範囲であれば安全水準です。
100~119%
流動比率が100~119%の範囲であれば改善の余地があります。
99%以下
流動比率が99%以下であれば、危険水準とみなされます。一般的に、流動比率が99%以下だと、資金繰りに影響が出始め、会社の心証が悪くなることがあります。たとえば、銀行融資や助成金の交渉などに影響が出る場合があります。
流動比率は会社の支払能力を示す経営指標の一つですが、流動資産の中には棚卸在庫など、換金性の低い資産が含まれているので、支払能力の安全性を十分に示せない一面があることも事実です。
当座比率と固定比率との違い
企業の安全性を見るための指標には、流動比率の他にも当座比率や固定比率という指標があります。
当座比率
当座比率は流動負債に対して当座資産をどのぐらい保有しているかを示す数値です。貸借対照表の流動資産から棚卸資産を除いた当座資産を、流動負債で割って求めます。当座資産を分子、流動負債を分母とする分数になるため、当座資産を多く保有していると流動比率の値は大きく、流動資産の保有が少ないと値も小さくなります。流動資産と同じように流動負債について返済が必要になった場合の対応能力などが表れるので、数値が大きいほど対応力が高く、逆に数値が小さいと安全性が低いと判断されます。
固定比率
流動比率は短期間の安全性を知る指標ですが、長期的な安全性を判断するための指標として、固定比率があります。株式会社の資金調達手段として考えられるのが、外部から出資をしてもらうことと借金をすることです。借金の場合には返済の必要がありますが、出資の場合には返済する必要がありません。そのため、返済の必要がない出資による資金である自己資本が多いことは、安定性の判断に影響します。
固定比率の計算は「固定資産 ÷ 自己資本 × 100(単位%)」で計算され、100%以下が目安とされています。
【関連サイト】
財務省ウェブサイト|法人企業統計調査からみる日本企業の特徴 - 「当座比率」
財務省ウェブサイト|法人企業統計調査からみる日本企業の特徴 - 「流動比率」