「在宅勤務」を自社で実現するには

国土交通省が2017年6月に発表した「2016年度テレワーク人口実態調査」では、サンプルとして選ばれた40,000人の雇用者・自営業者のうち、テレワーカーの数は約14%の5,673人。さらにその中で、自宅で仕事をしている在宅テレワーカーは半数近くの47.1%でした。

参考:2016年度テレワーク人口実態調査(国土交通省)

インターネットや情報処理技術の進歩により、通勤負担の軽減に加え、多様な働き方のニーズに応えられる「在宅勤務」という働き方に注目が集まっています。

経営者として実際に従業員の在宅勤務を実現させるには、どのように取り組めばいいのでしょうか。今回は、在宅勤務のメリット、導入の際に気を付けおくべき点を紹介します。

在宅勤務とは

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在宅勤務とは、その字のごとく、自宅で業務を行うことを意味します。在宅勤務は会社から離れた場所で働くリモートワークの一種です。

在宅勤務には、日々の通勤やそれに伴うストレスから解放される、会社に行かずとも業務を遂行できる、ワーク・ライフ・バランスが取りやすくなることが特徴といえます。在宅勤務制度の導入には、企業にとっても従業員にとってもさまざまなメリットがあります。

上記の「2016年度テレワーク人口実態調査」の職種別テレワーカーの割合をみると、サラリーマンの場合、「研究開発・技術(ソフトウェア等)」の割合が一番高く、30%を超えています。

自営業では、「ラ イティング(ブログ・記事作成、WEBコンテンツ作成等)」「プログラマー」が高く、どちらも50%を超えています。

在宅勤務のメリット

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在宅勤務は、企業にも従業員にさまざまなメリットをもたらします。今回は経営者からみたメリットを紹介します。

優秀な人材の確保

長年働いていた従業員が、育児や介護などのプライベートの都合でやむを得ず退職するケースがあります。経験や技術、人脈のある従業員の退職は企業にとって大きな損失といえます。

在宅勤務という働き方を提示することで、退職を防げるかもしれません。また、自宅で勤務できるならパートタイムで働きたいと考えている人材を雇用することも可能になります。

企業の社会的責任

従業員が希望する働き方に沿うような雇用形態を提供したり、多様なバックグラウンドを持った従業員を雇用したりすることは、社会における企業の責任ともいえます。在宅勤務制度の導入は、社会的責任を果たすことにもつながるのではないでしょうか。

経費削減

従業員が増えれば、それだけオフィススペースが必要です。また、オフィスの電気代・光熱費なども増えます。在宅勤務制度を導入することでこれらの経費が削減できるかもしれません。一方、自宅で仕事をしている従業員に通信代や光熱費の補助を出している企業もあるようです。在宅勤務者が不公平だと感じないような工夫が必要かもしれません。

通勤時間と費用の削減

在宅勤務により、通勤時間とその費用を削減することが可能です。通勤する必要がないことで、通勤時に感じるストレスがなくなり、通勤に費やされていた時間をプライベートや業務に充てることもできるようになります。

総務省が行った「平成28年社会生活基本調査結果」によると、平均通勤時間は男性が1時間24分、女性が1時間6分という結果が出ています。通勤にかかる時間をなくなることで、より効率の良い、ストレスの少ない働き方を提供できるのではないでしょうか。通勤にかかる費用も削減可能です。

参考:平成28年社会生活基本調査 (総務省統計局)

従業員満足度の向上

通勤やその支度にかかる時間がない分、家族や友人らと時間が長くなります。趣味や副業などにも時間を使えるかもしれません。従業員のワークライフバランスの充実が仕事に対するモチベーションにもポジティブな影響を与えることもあるでしょう。

導入時に気をつけたいこと

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在宅勤務制度の導入にあたって、気を付けておきたい点は何でしょうか。

コミュニケーション不足

在宅勤務には、従業員同士が顔を合わせる機会が減り、コミュニケーション不足になる可能性があります。オフィスにいる場合、休憩時間や昼食時間に顔を合わせ、コミュニケーションが生まれる機会がありますが、在宅勤務ではこの機会がありません。会議でもその場にいるのと、モニターを通じてコミュニケーションをするのでは違いがあります。

コミュニケーション不足を回避するには、直接顔を合わせる機会を定期的に設け、従業員同士の人間関係がスムーズに構築されるような仕組みを作っておく必要があります。

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情報セキュリティリスク

パソコンをオフィスの外に持ち出して重要な情報の詰まった機器を紛失したり、従業員の自宅のネットワーク状況によっては、ウイルスに感染して情報が流出したりする可能性があるなど、経営者として情報セキュリティは気になる点ではないでしょうか。

在宅勤務制度の導入に合わせた情報セキュリティ対策は欠かせません。日本ネットワークセキュリティ協会発行の「在宅勤務における情報セキュリティ対策ガイドブック」には、さまざまな対策が載っていますので、参考にしてみてください。

作業効率の低下

オフィスにしかないソフトウェアや機械、設備、資料などが必要な場合、それらを利用できないことで、業務の効率が悪くなる可能性があります。 在宅勤務を含む自由な働き方を推進するには、情報の共有化やリモートでも使えるITツールへの投資が不可欠です。

たとえばSquareでは、スタッフ管理機能を提供しています。従業員の就業時間を記録し、また個別の売上データの把握も可能です。ぜひ導入を検討してみてください。

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執筆は2018年3月16日時点の情報を参照しています。
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