【商いのコト】“料理のポリシー”を貫き、お客様を満足させる ― イエローバンブー

成功も失敗も、すべては学びにつながる。ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。

つなぐ加盟店 vol. 33 イエローバンブー 南雅和さん

“ベトナム料理の本場の味を伝える”ことをコンセプトに掲げるイエローバンブー。

前編の最後で、南さんは「自分の料理にお客様が満足してくれているか不安だ」と語った。飲食店を経営する多くの人が直面したことのあるだろうこの不安と、南さんはどう付き合っているのだろうか。

後編では、お客様に満足してもらえる料理を提供するために南さんが実践していることについて伺った。

前編はこちら

料理を残したお客様に、理由を聞く

Yellow Bamboo 02

「食べ残しのあるお客様に声をかけ、『すみません。もしよろしければ料理を残した理由を聞かせていただけないでしょうか。』と尋ねるようにしています。」

お客様に満足してもらえる味を実現するための取り組みとして、南さんは当然のように答えた。しかし一般的には、飲食店で食べ物を残しても、その理由を聞かれることはおそらく少ないだろう。なぜ同店では、普通の店ではやらないような、少し“過激”にも見える取り組みをしているのだろうか。

「料理を残して帰る方は、うちの料理に何かしら不満を持っているはずです。これだけたくさんの飲食店の中でうちが生き残っていくためには、お客様の満足度を徹底的に上げなければいけない。だから、お客様の不満から学ぶべきだと思うんです。理由を伺うと、『辛かったから』『量が多かったから』など、改善すべきポイントが見つかるので、とても助かっています。」

Yellow Bamboo 03

他店がやらないような取り組みをする背景には、“お客様の不満1つひとつとしっかり向き合いたい”という南さんの実直な思いが隠されていた。お客様からの“生の声”に耳を傾けることが不満を解消する方法だとすると、本人に直接残した理由を聞くことほど、分かりやすいやり方はないだろう。

また、南さんはお客様が残した料理を必ず食べるようにしていると語る。味に問題がなかったかどうかを確かめるためだ。

「実際に食べてみると『今日の料理はちょっと辛いな。』と感じるときがあります。そういうときは、シェフに伝えて味を調整してもらうようにしていますね。味に一切の妥協はしません。」

お客様が満足する味を提供しようとする日々の努力が実を結び、現在ではお客様の約8割がリピーターという驚異的な数字を記録している。また、レストランからできたての料理をデリバリーするサービスでは、利用者および配達員から「ベスト・レストラン・パートナー」に選出された。

味に真摯に向き合う同店の姿勢が、お客様の評価に繋がっているのだろう。

本当に美味しければ、お客様は納得してお金を払う

Yellow Bamboo 04

「うちの店は絶対に価格では競争しません。本当に美味しい料理を提供すれば、お客様は納得してお金を払ってくれるだろうと確信しているからです。だから味で勝負しています。」

同店は、広告宣伝にはお金をほとんど割いていない。その分南さんは料理の味に妥協はしない。

「使う材料にはこだわります。中途半端なものを作ってしまわないように、いつも使っている材料がなければ、料理は提供しないようにしています。たとえそれがほんの少しだけ加える調味料であっても、です。“自分のポリシー”を貫いているんじゃありません。“料理のポリシー”を貫いているんです。」

“本場の味”を伝えたいという創業当初からの南さんの思いが、“料理のポリシーを貫く”という言葉に集約されている。「料理のポリシーを貫く」「お客様が満足するサービスを提供する」という2軸を追求することが、同店の強みであり人気の秘訣になっているのではないだろうか。

Yellow Bamboo 05

「この前、家族4人でいらしたお客様から『今まで行った店の中で、この店が一番美味しい。』と言葉をかけてもらえたのが、とても嬉しかったです。美味しいと言ってくれるお客様は増え続けている実感があるので、これからもお客様の目線に立って料理を提供し続けたいですね。」

真剣な眼差しで今後の目標を語る南さん。“美味しさ”は強烈な個性であるという飲食店の原点を、イエローバンブーは教えてくれた。

前編はこちら

イエローバンブー
100-0011
東京都千代田区内幸町2-1-1
飯野ビルディングB1
03-6206-1461
Facebook
Twiteer

(つなぐ編集部)
写真:小沼祐介