【Square Story】かもめブックス

フラッと入っただけのはずが、いつの間にかコーヒー片手に読書を楽しんでいる。本探しに疲れて奥のギャラリーに飾られた絵を見ていたら、気づけば文房具とノートを買っていた。なんだか楽しい…それがかもめブックスという本屋さんで持つ感情だ。「ここがあるから神楽坂に引っ越してきた」というお客さんもいるほど多くの人に愛されるこの場所は、一体どうやって生まれたのか?

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もともと、ここ「文鳥堂」という本屋さんだったんです。うちの会社(鴎来堂)がすぐ3軒先なんですが、ある日出勤の時にシャッターが閉まっていて…出版社も多い神楽坂で本屋さんが無くなるのが悲しかったというか、寂しかったというか。それで代わりに始めたんです(笑)

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(店を始める時に)出版社の人たちに「本屋なんて儲からないから、辞めたほうがいいよ」って言われて。なんじゃそら!って感じでした(笑)本を作っている仕事なのに「本って売れないの?売れないもん作ってんの?」と考えた時に、自分で答えを見つけようと思いました。

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読書って単純に30-40分のオフラインがないとできないんですよ。LINEがずっと来るとか、SNSがどうこうとか…それがある限り本を読む時間なんてあるわけないんですね。「オフラインをどう作るか」は、かもめブックスの大事な裏テーマのひとつなんです。

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「本とどう出会うか」についても考えています。インターネット的な話になるんですけど、今は皆人気のある本に集中して、そうじゃない本は見向きもされないという二極端な状態なんです。新刊が一日240冊も出ている今、一般の人が良い本に出会うチャンス自体はすごく少ない…それを手救けできればなと思ってます。

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地元の人が普段使いしてくれることを考えた上で、「なんとなくいつ来ても新しい」「帰る前にちょっと気分を変える」そんな空間にしたいなという思いがありました。本が一冊二冊変わっても空間にはほとんど変化はないですが、ギャラリーの展示が二週間に一回変わると店内の雰囲気もガラッと変わる…そういった考えで、今の構成になりました。

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カフェを入れた理由として、一般的に本屋さんって、接客があんまり良くない、というよりそもそも接客という概念がないんですよね。本を選んでる人にベタベタくっつくのは流石にやりすぎなんですが、「いらっしゃいませ」「こんにちは」を入って来るお客さんに対して言うのは当たり前の接客だと思っていて。それってカフェの接客なんですね。自然にそれができるよう、入り口であり、南側の日の当たるスペースにカフェを設置しました。

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正直、「この店を応援したい。」という素直なファン心理みたいなのがないと、本屋さんはどんどん無くなっていくと思います。僕は「かもめブックスがなくなったら悲しい」って思ってくれたら良いなって思ってますよね(笑)永遠にこの場所に残りたいんです。

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Squareを使い始めたのは、うちみたいな独立系本屋で、ポスレジを使う意味があるのかと思ったことが最初ですね。3-4万のランニングフィーをカバーするのに、一体どれほどの本を売らなくてはいけないのかと。そんな時に、在庫管理と販売管理もすべてSquareでやろうと思ったんです。他者と比べた際も、ボタンの感じも含め、一番インターフェースが使いやすかったんですね。

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かもめブックスを始めて、街の人ととても近い距離になれたんです。長い間神楽坂で働いていたものの、オフィスにいた時には感じることができなかったことです。ようやく神楽坂の仲間になれた!街に下りれた!と感じですかね。

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