「ロゴ」と聞くと、名刺や封筒、企業案内等に印刷されている、特定の企業やブランドを象徴する図形と文字が組み合わさった印を思い浮かべる人が多いかもしれません。
ロゴはコーポレート・アイデンティティー(以下、CI)を形成する大切な要素です。名刺や封筒等のロゴがデザインされたアイテムはアプリケーションとも呼ばています。今回はこれからビジネスを始める、もしくはブランディングに力を入れるために新しくロゴを発注したい方に向けて、発注前に抑えておきたいポイントをお伝えします。
コーポレート・アイデンティティーとは?
コーポレート・アイデンティティー(以下、CI)は、企業の理念や文化、特徴を一つにまとめ、全社員が共有すると同時に、社会にも広く認識してもらう経営戦略を指しています。20世紀初頭にアメリカを中心に普及し、日本でも多くの企業が取り入れています。
例えば、ある企業の看板やロゴを見ただけで「高級な製品が多いメーカー」や「手頃な値段で手に入る製品が多いメーカー」となんとなくイメージをする事があると思います。企業はテレビコマーシャルや看板など様々な手段を通じて自社のイメージを発信し、私たちは日常の生活の中で企業が発信するメッセージを受け取っています。
CI=MI+BI+VI……?
CIは以下の3つの要素で形成されています。
①マインド・アイデンティティー(以下、MI)=理念の統一
②ビヘイビア・アイデンティティー(以下、BI)=行動の統一
③ビジュアル・アイデンティティー(以下、VI)=ビジュアルの統一
ロゴは③VIに含まれます。
ロゴをデザイナーやデザイン事務所に発注する時、デザインの参考としてMIやBIについても聞かれるかもれません。MIやBIを正式に決めていないし、ロゴをひとつ決めることがこんなに複雑なのかと感じるかもしれませんが、シンプルに考えることもできます。
MIは「理念」と書くと固く聞こえますが、どのビジネスにも立ち上げた時の思いや仕事をする上で社員全員が大切にしている考えがあるはずです。例えば、飲食店なら近所の人にとって居心地のいい場所にしたい、地元の素材をなるべく使って美味しさを届けたいなどといったものです。
BIも同様に、近所の人にとって居心地のいい場所を作るためになるべくお客様の名前を覚えてフレンドリーな接客を心掛けていたり、料理の説明をする時には必ず地元の素材について触れたりと、MIを具体的に行動に移したものです。
ロゴのイメージを伝える時に、「かわいい」や「スタイリッシュ」など人によって受け取り方が異なる言葉を使うと、お互いのイメージのすり合わせに時間がかかります。上記のような日々の経営や接客で意識している思いや行動を具体的に説明することは、デザイナーにとってイメージを固める貴重なヒントになります。
ロゴ=ロゴタイプ+シンボルマーク……?
ロゴは、図形と文字が組み合わさったもの、図形だけで構成されたもの、文字だけで構成されたもの、の3タイプに分けることができます。
図形はシンボルマークと呼ばれ、企業やブランド、サービス、商品の特徴や特色を象徴的に表しています。蕎麦屋や鰻屋に行くと、お店の暖簾に文字やマークが入っているのを目にしたことがありませんか。暖簾に屋号や文字を入れるようになったのは、庶民の識字率が高くなった江戸時代初期からだと言われています。「暖簾分け」という言葉があるように、シンボルマークは昔から日本人にとっては身近にあるものです。
文字はロゴタイプと呼ばれ、企業やブランド、サービス、商品の名前をモチーフにデザインされた文字です。例えば、キッズ向けの製品を扱っている会社なら丸みを帯びた可愛らしいロゴタイプ、由緒ある伝統工芸を扱っている会社なら筆で書いたような和を感じさせるロゴタイプと、企業やブランドのイメージを象徴するようにデザインされた文字です。
ロゴと言った時に、シンボルマークとロゴタイプが組み合わさったものを指す場合もあれば、どちらか一方を指す場合もあります。
会社の顔を覚えてほしい場合はシンボルマークだけのロゴ、会社の名前を覚えてほしい場合はロゴタイプだけのロゴが良いと言われています。ただ、ロゴはいったん作成したらあらゆる場所に使われるので、どれが良いかは慎重に検討することをおすすめめします。
ロゴをどこに使うのか
ロゴを発注する前に、ロゴをどこに使うのかをまとめておくことをおすすめします。看板、名刺、紙袋、封筒、ウェブサイト、ユニフォーム、デリバリー用の車など、事業形態によってもロゴを利用する場所は変わります。例えば、テイクアウト専門の店舗で、商品を入れる紙袋やビニール袋の全部にロゴを入れたい場合、カラフルなロゴだと単色のロゴよりも印刷コストが上がるかもしれません。
ロゴを発注する
実際にロゴを発注する際、知人や友人の中からデザイナーを探したり、クラウドソーシングを利用したりと、ロゴを作ってくれるデザイナーを見つける手段は様々あります。
デザイナーは必ずポートフォリオと呼ばれる作品集を持っていますので、依頼する前にポートフォリオでこれまでにデザインしたロゴを見て、デザインのテイストが会社やブランドイメージに合うかどうかを確認することをおすすめします。ポートフォリオをホームページ上で公開しているデザイナーも多いです。
ポートフォリオを見て気に入ったデザイナーに直接仕事を依頼をする時、人気のあるデザイナーだとその分報酬が高かったり、スケジュールが埋まっていたりする場合があります。
費用を抑える点ではクラウドソーシングも一つの手です。
ロゴが出来上がったら、お客様に認識してもらえるように様々な場所に活用をしましょう。看板やウェブサイト、チラシなどの宣伝手段に加えて、お客様に直接手渡しできるショッパーやショップカードにもロゴは必須です。Squareのギフトカードはオリジナルデザインをカスタムオーダーすることが可能です。ロゴを活用する手段としてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
執筆は2017年3月1日時点の情報を参照しています。
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