カードは2020年までに全てIC型の時代に。ICチップ付きクレカの安全性が高いワケ

先日、日本経済新聞の一面で、国内で発行されている全てのクレジットカードが2020年までにICチップを搭載したカードに切り替わると報じられました。クレジットカードのIC化は、偽造クレジットカードを使った不正防止のために世界中で進められてきましたが、日本で発行されている2億5千万枚超のカードのうち、4割弱が未だに磁気ストライプしか搭載されていないタイプなのだそうです。

ではなぜ、ICチップが搭載されることでクレジットカードの安全性は高まるのでしょうか。

理由は、ICチップの次の2つの特長にあります。

複製が極めて難しい

磁気ストライプカードは、文字通り「磁気」を帯びています。カードがスワイプされると、決済端末が磁気フィールドを読み取り、口座情報との照合を行います。問題は、この情報が非変動的であるため、偽造犯は簡単に情報を抜き取って新しいカード上に複製することができてしまう点です。実際に、スキミングと呼ばれる手法を使えば、わずか2,000 円程度の費用で簡単にカードが偽造できてしまうそうです。

反対に、IC チップのデータは常に更新され続けているので、ICカードから情報を特定して抜き出すことは非常に困難です。ICカードの情報を盗もうしても、物理的なチップ回路に入り込んでデータを操作しない限りは、クレジットカード情報に到達することはできません。このようなレベルでの、いわば「データの外科手術」は、手順が難しいことに加えて、それに必要なハイテク機器の用意に1億円以上かかるといわれており、並大抵のことで手に入れられるものではありません。

チップそのものがデータを高度に暗号化

磁気ストライプカードをスワイプすると、クレジットカード情報は丸ごとそのまま決済端末に取り込まれます。Squareが提供する決済端は、カード情報が取り込まれると、すぐに暗号化し情報を安全に保護した上で、オーソリゼーションと呼ばれる口座情報を照合するためのデータのやり取りをしています。ICカードの場合、チップそのものに高度な暗号化機能が内蔵されていて、決済端末に取り込まれる情報がそもそも暗号化されているため、さらに安全性が高まります。ICカードを挿入するとターミナルとICチップとの間で、一度限り有効な秘密の暗号でデータが何往復もやり取りされ、実際に誰が支払いを行っているかを確認します。

カードのIC化がなぜ大切か。以上の説明でご理解いただけたでしょうか。

新しくクレジットカードを申し込もうと考えている方は、ICチップが搭載されているかどうかにも注目してカードを選んでみるといいかもしれません。

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執筆は2015年8月17日時点の情報を参照しています。2021年3月16日に記事の一部情報を更新しました。