ネットワーク接続のトラブルシューティング
ネットワークでは、さまざまな箇所で同じような症状の不具合が発生する可能性があります。標準的なネットワーク接続には、デバイス、ネットワーク(有線、無線、またはその組み合わせ)、ルーター、およびインターネット接続(通常は光ファイバー、DSL、またはケーブルモデム)が関連します。ネットワークに不具合がある場合、不具合を特定のセクションに絞り込み、そこから詳細なトラブルシューティングを進めるのが最善です。
ネットワークの不具合が発生する可能性のある領域の例:
モデムとルーター間
ルーターとネットワーク間
ネットワークとデバイス間
デバイスと別のデバイス間
お使いのデバイスとSquare サービス間
はじめに
モデムとルーターの再起動は、最初の対処として効果的です。ただし、インターネット接続やネットワークが完全に使えない状態でない限り、再起動は営業時間外に行うことをお勧めします。復旧に予想以上の時間がかかる可能性があるためです。
最近ネットワークの設定を変更したり、機器を追加したりした場合は、不具合が発生する前の状態に戻してみてください。
Wi-Fi電波の強度を確認し、全ての端末が十分な電波を受信できているか確認してください。UbiquitiのWiFimanアプリを使うと、実店舗でWi-Fi電波の強度を測定できます。
端末の接続先が、複数のWi-Fiネットワーク間で切り替わっていないか確認してください。店舗内で複数のWi-Fiネットワークを設定している場合、端末が意図しないネットワークに自動的に接続してしまうことがあります。この場合、ネットワークプリンターの接続不具合や通信速度の低下、さらにはネットワーク設定によってはより深刻な問題が発生する可能性があります。
ネットワーク機器の物理的な状態を確認してください。ケーブルの損傷やアクセスポイントの障害物をチェックし、ネットワーク機器およびPOSレジ端末が、無線周波数干渉源(電子レンジ、コーヒーミル、スマートデバイス、照明、カメラなど)から十分に離れているかどうかを確認します。
ネットワーク設定の変更は、その影響を十分に理解していない限り行わないでください。ネットワーク設定を誤って変更してしまうと、業務に重大な支障をきたす可能性があります。その場合、ネットワーク専門業者を探して不具合を解消してもらうまでシステムを使えなくなることも考えられます。
ネットワークを理解する
- VLANとは、仮想ローカルエリアネットワークのことです。VLANを使うと、物理的には同じネットワーク上にあるデバイスを、異なる「仮想ネットワーク」にグループ化できます。異なるVLAN上のデバイスは、異なる物理ネットワークを使っているかのように、互いにデジタル的に分離されます。
- サブネットは、IPプロトコルを使い、ネットワークを細分化したものです。ネットワークは2つ以上のネットワークに分けることができ、サブネット化と呼ばれます。VLANとサブネットは、一般的に一緒に使われ、デバイスのグループを分割または統合して、ネットワーク上での情報の移動方法を制御します。
- SquareではPOSレジ端末が同じサブネット上にあることを求めるため、重要なことです。
- UDP、TCP、通信プロトコル。ネットワーク上で情報がどのようにナビゲートされるかを定義します。TCP(伝送制御プロトコル)とUDP(ユーザーデータグラムプロトコル)の主な違いは、TCPがコネクションベースのプロトコルであるのに対し、UDPはコネクションレスであることです。TCPはより信頼性が高い反面、データの転送速度は遅くなります。UDPは信頼性は低くなりますが、動作はより高速です。
- ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)は、HTMLドキュメントなどのリソースを取得するためのプロトコルです。ウェブ上のあらゆるデータ交換の基盤となります。HTTPSは、すべてのデータを暗号化して送信します。第三者はネットワーク経由でデータを傍受できなくなるため、機密性の高いデータには欠かせません。HTTPSは、ネットワーク上の通信を安全にするため、トランスポートレイヤーセキュリティ(TLS)プロトコルを利用しています。
ネットワーク接続のトラブルシューティング
接続レポートは、インターネット接続、ローカルネットワークへのアクセス、Square サービスへのアクセスをテストします。接続レポートを実行するには、Square POSレジアプリの最新バージョンを実行する互換性のある端末が必要です。
- 端末から、[≡ その他] > [設定] > [ハードウェア] の順に選択します。
- [接続をテスト] を選択します。結果が表示されるまでに最大1分かかることがあります。
- レポートにはステータスレポートが表示されます。さらにサポートが必要な場合は、レポートを加盟店さまの事業のIT部門またはSquare サポートチームと共有できます。
また、ハードウェアハブにも、端末の画面上部のメニューバーにある [マイデバイス] からアクセスできます。このオプションは、プリンターなどのアクセサリーが端末に接続されている場合にのみ表示されます。
Square POSレジには、インターネットに接続するための端末の接続方法が表示されます。Square POSレジでは、Wi-Fi接続の場合はWi-Fiと表示され、電波強度がdBm(デシベルミリワット)で表示されます。携帯電話回線(スマートフォンや通信機能付きタブレット)をご利用の場合はモバイル通信と表示されます。
このテストが失敗した場合、インターネットにアクセスできず、Square サービスを利用できません。
まずはモデムとルーターの再起動をお試しください。解決しない場合は、インターネットプロバイダーへお問い合わせいただくか、バックアップの通信回線に切り替える、もしくはオフライン決済モードへの切り替えをご検討ください。詳しくは、Squareでオフライン決済を行う方法をご覧ください。
それでも問題が解決しない場合は、ステップ3に進みます。
Wi-Fiまたはイーサネットをご利用の場合、このテストではルーターから端末に正しいIPアドレスが割り当てられているかを確認します。SquareにIPアドレスがない場合、Square POSレジは重大な問題として報告します。IPアドレスが「0.0.0.0」または「169.254.y.z」で始まる場合、端末がルーターからIPアドレスを取得中であるか、ルーターと通信できていない状態です。IPアドレスが割り当てられていない場合、Squareは正常に動作しません。
次に、Square POSレジはローカルゲートウェイに接続できるかどうかを確認します。ゲートウェイとはルーターのことです。POSレジ端末からルーターにアクセスできない場合、ローカルネットワークやインターネットへの接続ができません。POSレジはゲートウェイへpingテストを実行し、インターネット接続テストと同様の判定を行います。
このテストが失敗した場合、次のような作業上の問題を示している可能性があります。
- このテストとインターネット接続テストの両方が失敗する場合、Wi-Fiアクセスポイントやルーターに問題があるか、端末自体がネットワークに接続できていない状態です。ネットワークに接続できない場合、Squareはインターネットにもアクセスできなくなります。この場合、Square サービスへの接続テストも同様に失敗します。
- 端末にIPアドレスが割り当てられていない場合(0.0.0.0または169.254で始まる場合)、ルーターの再起動、Wi-Fi接続の切断/再接続、またはLANケーブルの抜き差しまたは交換をお試しください。
- 上記の対処で解決しない場合は、ネットワークのプロフェッショナルやインターネットプロバイダーにご相談ください。
- IPアドレスが192.168.x.x、10.x.x.x、または172.x.x.xの形式で割り当てられている場合、Wi-Fiアクセスポイントやルーターに問題がある可能性があります。この場合は機器の再起動をお試しください。
- ネットワークをプロフェッショナルが設定している場合や、その他の設定がされている場合は、ファイアウォールや各種設定によってSquare POSレジ端末がブロックされていないかご確認ください。
- 他の機能が正常に動作しているにもかかわらずこのテストが失敗する場合は、数回テストを実行し直してください。このテストはゲートウェイの設定、ファイアウォール、VLANなどの環境によって結果が異なる場合があります。あくまでも診断の参考程度としてお考えください。
このテストでは、Square サービスに実際にアクセスして、接続が可能かどうかを確認します。このテストはSquare サービスの稼働状況を総合的に確認するものではありません。Square側のシステム障害の有無を判断するためには使用できません。Square サービスの詳細なステータスについては、https://issquareup.com/をご覧ください。
このテストでは次のことを確認します。
- DNS(ドメインネームサーバー)がSquareドメインを正しく解決できているか。
- ファイアウォールやルーティングの設定によってSquareドメインへのアクセスがブロックされていないか。
- アカウントが有効で、リクエストの送受信が正常に行えているか。
テストが失敗した場合:
- インターネット接続自体は機能している場合、以下の方法で速度テストを実行することをお勧めします。iOSまたはAndroid端末をお使いの場合は、https://wifiman.com/にアクセスするか、WiFimanアプリをインストールしてください。
- Square ターミナルまたはSquare レジスターをお使いの場合は、同じネットワークに接続された別の端末でテストを実施してください。正確なテスト結果を得るために、テストを行う端末のモバイル通信をオフにして、POSレジと同じ場所でテストを実施してください。
- 通信速度が5Mbps未満と非常に遅い、またはping値が250msを超えて応答が遅い場合、インターネットに接続はできていても、端末が正常に動作できないほど接続速度が遅い可能性があります。主な原因として、インターネット回線自体の速度が遅い、ネットワークが混雑している、Wi-Fi電波が弱いなどがが考えられます。
- Square レジスターまたはSquare ターミナルをご利用の場合、DNSサーバーに問題がある可能性があります。その場合はネットワークのプロフェッショナルにご相談ください。
- ファイアウォールの設定によってSquare サービスへのアクセスがブロックされている可能性があります。
IPアドレスを確認する
トラブルシューティングの手順でIPアドレスの確認が必要な場合は、お使いの端末に応じて以下のとおりに進めます。
- 端末で、[その他] > [設定] の順に選択します。
- [ハードウェア] > [接続をテスト] の順に選択してレポートを生成します。
- レポートの [ネットワークの詳細] セクションには、IPアドレスを含むネットワークの接続状況が表示されます。
- 下にスクロールして、レポートのその他の詳細を確認します。
その他のトラブルシューティングを確認する
ルーターに速度テスト機能が備わっている場合は、最も正確な結果を得るためにルーターから直接テストを実行することをお勧めします。このテストを実行する前に、バックアップのインターネット接続に切り替えるか、オフライン決済を有効にしてください。オフラインモードではWi-Fiを無効にしてください。また、ネットワークプリンターが使えなくなる可能性があります。
- ルーターに接続された端末(有線・無線どちらでも可)でブラウザを開きます。
- ルーターのIPにアクセスします。これは、https://
またはhttps://192.168.1.1. のような形式です。
- ルーターの管理者ユーザー名とパスワードを入力します。
- Dream MachineなどのUnifiで速度テストを見つけるには、[ネットワーク] から管理画面を開き、[インターネットヘルス] の左下を確認すると、[速度テスト] を見つけられます。
- Unifi以外の端末の場合は、ルーターの説明書を参照し、[インターネット速度テスト] または [速度テスト] を探します。
- [今すぐ実行] を選択します。
- テストが成功し、必要最低限の速度要件を満たしている場合、インターネット接続に問題はないと考えられます。
- テストが実行できない場合は、ルーター自体やモデムに問題があるか、インターネットプロバイダー側でサービスに問題が発生している可能性があります。いずれの場合も、インターネットプロバイダーにお問い合わせください。
ルーターで速度テストができない場合
- WiFimanアプリを使ってください。このアプリは、Apple Store、Google Play、またデスクトップ用はUbiquitiで入手できます。
- iPadまたはAndroid端末では、ブラウザでhttp://www.speedtest.netやwww.fast.comにアクセスして速度テストを実行できます。このテストは、Square ターミナルまたはSquare レジスターでは機能しません。これらの端末のインターネット速度をテストする場合は、モバイル通信をオフにしたAndroidやiOSのスマートフォンをお使いください。