個人タクシーにキャッシュレス決済端末を導入するメリットとは。選び方のポイントも解説

キャッシュレス化が進むタクシー業界。個人タクシー事業主のなかには必要性を感じていながらもまだ対応できていないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、そのような事業者へ向けて個人タクシーがキャッシュレス決済を導入するメリットや決済端末選びのポイントを解説します。おすすめの決済端末についても紹介します。

目次


個人タクシーがキャッシュレス決済を導入するメリット

個人タクシーがキャッシュレス決済を導入するメリットにはどのようなものがあるでしょうか。主だったところとして次の4点が挙げられます。

  • 売上アップが期待できる
  • 増加する訪日観光客のニーズに応えやすくなる
  • お会計の流れがスムーズになる
  • 感染症対策になる

それぞれを詳しくみていきましょう。

売上アップが期待できる

現金決済だけでなくキャッシュレス決済も選択できるようにすることにより、支払い方法が限定されていることを理由にした機会損失を減らすことができます。

タクシー料金に限った話ではありませんが、利用金額に応じてポイントが貯められたり、貯めてあるポイントが決済に利用できたりするお得感から、現金よりもキャッシュレス決済を好む消費者はある程度存在します。そういった顧客を獲得することが売上アップにもつながります。

増加する訪日観光客のニーズに応えやすくなる

海外旅行などの際にクレジットカード決済が便利なように、訪日観光客のなかにもできるだけクレジットカード決済を利用したいと考えている人たちが一定数存在します。そのような見込み客に向けてキャッシュレス決済ができることをアピールするのは、利用者数を増やすために有用性の高い方策だといえます。

新型コロナウイルス感染拡大前に比べて訪日観光客が増加している昨今は、特にその恩恵が見込めるでしょう。

お会計の流れがスムーズになる

電車やバスに比べて時間を掛けずに目的地へ移動できるという点でタクシー利用を選択する人は支払いも短時間に済ませたい意向があると考えられます。キャッシュレス決済ができるタクシーでは時間を掛けずに金銭のやり取りができるため、そういった利用者に選ばれるケースも多くなることが見込めます。

また、乗務員にとっても、釣り銭の計算や受け渡しなどの手間が省け、効率化できる点はメリットになります。

感染症対策になる

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、求められる対策は穏やかになってはいますが、未だ完全に収束はしていません。キャッシュレス決済の導入は、乗務員自身を守るためだけでなく、感染症対策としてキャッシュレス決済を求める利用者のニーズに応えるためにも有効な方策になりえます。

個人タクシーに向けた決済端末選びのポイント10選

キャッシュレス決済の導入にあたって、悩みどころとなるのが決済端末選びでしょう。世の中にはさまざまなキャッシュレス決済端末がありますが、どのような点を考慮して選べばよいでしょうか。個人タクシー事業者の視点をふまえて次の10のチェックポイントを挙げてみました。

(1) 初期費用・月額利用料・決済手数料
(2) 決済スピード
(3) 決済方法の豊富さ
(4) 利用限度額と取引制限
(5) 操作性
(6) サポート体制
(7) 入金サイクル
(8) セキュリティー対策
(9) 持ち運びの可否
(10) 充電の保ち

それぞれを掘り下げて詳しく解説していきましょう。

(1) 初期費用・月額利用料・決済手数料

キャッシュレス決済を利用するには初期費用や月額利用料、決済手数料といった費用が発生します。サービスを提供する事業者によって料金体系が異なっているので、公式サイトやパンフレットなどを確認し、求める機能が標準で利用できるか、オプション扱いになるかなども含めて比較、検討しましょう。

同じサービス内であっても決済方法によって手数料が異なったり、振込先口座を特定の金融機関に指定することで入金手数料が無料になったりすることもあります。場合によっては現在使用している銀行口座をそのまま使うか、新たな口座を開設するかなども含めて判断しなくてはなりません。

また、導入時の費用だけでなく、この先、数年間利用することを見越したランニングコストも視野に入れて検討することも大切です。

さらに、決済端末は基本的にインターネット回線に接続されていないと使えないものがほとんどなので、ポケットWi-Fiやスマートフォンのテザリングオプションなどで、車内にインターネット環境を構築しなくてはならないことも覚えておかなくてはなりません。求められるすべての機能が組み込まれたマルチ決済端末もありますが、そうでない端末を選んだ場合にはレシートを印刷するためのプリンターやスマートフォン、タブレットなどを別途用意しなくてはならないケースもあるので、周辺機器も含めてトータルでどれくらいの費用がかかるかをしっかり計算して選ぶようにしてください。

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(2) 決済スピード

会計手続きのスムーズさを求める乗客の満足度や決済時間の短縮によってもたらされる回転率の向上を考えると、決済が完了するまでのスピードは早ければ早い方が理想的です。タッチ決済に対応している端末であれば、そのほかのキャッシュレス決済よりも格段にやり取りを早く済ませられます。決済スピードを重視するのであれば、タッチ決済に対応している端末をぜひ候補に入れておきましょう。

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(3) 決済方法の豊富さ

ひと口にキャッシュレス決済といっても大きく分けてクレジットカード、電子マネー、QRコード決済などの種類があり、さらにそれぞれに決済サービス事業者が多数存在します。利用方式もタッチ決済、クレジットカードの差し込み、QRコードのユーザースキャン・ストアスキャンがあるなど、それぞれの組み合わせを考えると膨大なものになります。

決済端末を選ぶ際には、より多くの利用者に対応できるよう、決済方法が豊富に用意されている事業者のものにするのが理想的です。

(4) 利用限度額と取引制限

キャッシュレス決済では、それぞれ1回、1日、1カ月といった枠のなかで利用できる限度額が決められており、さらに決済サービス事業者側で1回あたりの最小決済額や最大決済額を設けている場合があります。

なかでも、携帯電話料金とあわせて請求されるキャリア決済では原則的に少額の利用を想定しており、1カ月あたりの限度額は1万円から10万円程度です。年齢や加入期間などによってはさらに少なくなる可能性もあります。また、決済サービス事業者によっては決済金額の条件など取引制限が設けられていることもあるので、よく確認して選ぶようにしましょう。

(5) 操作性

手間を掛けずに会計ができるというキャッシュレス決済の利点を生かすには、操作が簡単であることも見逃せないポイントになります。シンプルに扱えて、決済完了までのプロセスが少ないほど、顧客を待たせたり、操作を間違えたりするリスクが減らせます。

たとえばクレジットカードの場合、現在は磁気テープを読み取る、ICチップを読み取る、タッチ決済と、最大で三つの方法がありますが、いずれを選んでも操作手順がシンプルな端末であれば、人為的なミスを軽減できます。

(6) サポート体制

タクシードライバーはIT機器の専門家ではないため、導入時の初期設定をはじめ、端末やシステムに不具合などが起きたときの対応が不安な人も多いのではないでしょうか。トラブル時の安心感を考えると決済サービス事業者が用意しているサポート体制の充実度も重要な検討項目となります。

仕事柄、深夜や早朝に営業していることも多いタクシー業界であれば、24時間サポートを受け付けている事業者を選ぶのがおすすめです。相談窓口がウェブサイトやメールに限られていることもあるので、不安な場合は電話での相談も受け付けているかどうかも確認しておきましょう。これまでの導入実績などを確認するのも参考になります。

(7) 入金サイクル

入金サイクルとは、乗客がキャッシュレス決済で支払ってから、その金額が事業者の口座に振り込まれるまでの期間、または頻度のことをいいます。経営効率を考えると、売り上げてから入金されるまでの期間は短いほうが安全なので、できるのであれば入金サイクルが短期のサービスを選びたいものです。

決済サービス事業者や入金口座に設定している金融機関などによって、即時、翌日、半月締めの2週間後払い、月末締めの翌10日払いや翌月末払いなど、さまざまなものがみられます。

(8) セキュリティー対策

キャッシュレス決済を扱う上で気をつけておきたいのがセキュリティー対策です。特にクレジットカードでは不正利用による被害が大きな問題になっています。クレジットカード業界ではセキュリティー基準としてPCI DSSというものを用意しており、決済端末はこの基準に準拠していることが原則となっているので、選ぶ際には必ず確認するようにしましょう。

参考:ご注意!クレジットカードの不正利用被害が急増しています(経済産業省)

また、クレジットカードの決済方法としてはタッチ決済がカードを相手に渡すことなく決済ができるので、安全性が高いといわれています。このような点を考慮して、可能な限りタッチ決済に対応する端末を選び、お客さまが使おうとしているクレジットカードがタッチ決済に対応しているのであれば積極的に使ってもらうようにすすめましょう。

そのほか、QRコード決済においては、実際のQRコードの上に異なるQRコードのシールを貼って本来の事業者とは別の口座に送金させたり、偽の決済完了画面を提示して支払ったように装ったりする手口もあるようです。決済方法の種類が増えるに従って、不正の手口も多様化します。これからキャッシュレス決済を導入するのであれば、一度キャッシュレス決済におけるセキュリティー対策の知識を学んでおくと安心です。

(9) 持ち運びの可否

領収証の発行を求められる場面が多いタクシーでは、レシートプリンターが必須だといえます。スペースの限られた車内で使うことを考えると、プリンターを別途用意して接続するタイプよりもプリンターと一体になった持ち運びできるキャッシュレス決済端末を選ぶのがよいでしょう。

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(10) 充電の保ち

持ち運びができるキャッシュレス決済端末は充電式のものがほとんどです。営業中に充電が切れることのないよう、できるならば長時間バッテリーが持つタイプを選びたいものです。

なかにはタクシーやキッチンカーでの使用を想定して、シガーソケットからも充電できるバッテリーを備えた端末も見受けられます。不安な場合はそういったものを選ぶのもよいかもしれません。

Square ターミナルでかんたんにキャッシュレス決済を導入!

キャッシュレス決済の端末には多くの種類がありますが、個人タクシーで使うことを考えると選択肢は絞られてきます。そのなかでも特におすすめなのが「Square ターミナル」です。

安心感の高いオールインワンタイプのキャッシュレス決済端末「Square ターミナル」

Square ターミナルは、クレジットカード、電子マネーQRコードなどさまざまなキャッシュレス決済(※)に対応する決済端末です。レシートプリンターも備えたポータブルなタイプであり、タブレットやスマートフォン、カードリーダーなどを用意することなく利用できます。決済の方式もタッチ決済、ICチップの読み取り、磁気テープの読み取り、QRコードのユーザースキャンなどが可能です。画面が大きめで操作がシンプルな点も特色の一つです。

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毎日の使用にも耐える高い強度と耐久性を兼備し、すべての決済情報は安全に暗号化。ソフトウェアは自動的にアップデートされる仕組みとなっており、最新のセキュリティーと機能がタイムリーに提供され、性能が常に向上し続けるようになっています。

また、Squareは個人事業主でも申し込みができ、カードブランドによっては申し込み完了後、最短当日に審査結果を確認できるのも魅力です。面倒な契約手続きや長期契約は不要です。

決済代金は三井住友銀行かみずほ銀行であれば最短翌営業日に入金されます。それ以外の金融機関でも毎週金曜日に振り込まれます。振込手数料は無料で、振込状況はメールやアプリでいつでも確認できるので安心です。

利用していて不明な点や困ったことがあれば、24時間いつでもアクセスできるヘルプセンター、加盟店コミュニティやチュートリアル動画なども用意されており、参考になります。電話の問い合わせ窓口も完備しています。

「Square リーダー」や「Tap To Pay on Android」という選択肢も

Square リーダーはAndroidやiOSのタブレット端末やスマートフォンと連携させて使用する、手のひらに収まるポケットサイズのカードリーダーです。Square ターミナル同様、クレジットカード、電子マネー、QRコードのユーザースキャンなどのキャッシュレス決済(※)に対応します。

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利用開始方法や入金サイクル、セキュリティー対策、サポート体制なども「Square ターミナル」と同様なので安心して利用できます。レシートを印刷するためのプリンターは別途必要になりますが、すでに持っているタブレットやスマートフォンが生かせるコンパクトな端末である点が魅力だといえます。

また、SquareではAndroidのスマートフォン本体がキャッシュレス決済の端末になる「Tap To Pay on Android」というサービスも提供しています。

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乗客がクレジットカードやスマートフォンを乗務員のスマートフォンにタッチするだけで、簡単にキャッシュレス決済をすることが可能。タッチ決済以外にユーザースキャンによるPayPayのQRコード決済も受け付けられます。

互換性のあるAndroid端末をすでに持っているのであれば、追加で端末を用意せずにキャッシュレス決済が導入できるので、なるべく早く導入したい場合や試しにキャッシュレス決済を使ってみたい場合におすすめです。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

カード決済、タッチ決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます

個人タクシーがキャッシュレス決済を導入した場に見込めるメリットとして、おもに次のような点が挙げられました。

  • 売上アップが期待できる
  • 増加する訪日観光客のニーズに応えやすくなる
  • お会計の流れがスムーズになる
  • 感染症対策になる

また、個人タクシー事業者がキャッシュレス決済端末を選ぶ際にチェックすべきポイントには、次に挙げる10の項目がありました。

(1) 初期費用・月額利用料・決済手数料
(2) 決済スピード
(3) 決済方法の豊富さ
(4) 利用限度額と取引制限
(5) 操作性
(6) サポート体制
(7) 入金サイクル
(8) セキュリティー対策
(9) 持ち運びの可否
(10) 充電の保ち

キャッシュレス決済端末を選ぶ際には、これらを参考にし、各サービスを比較しながら自身が求める機能やサービスに過不足のないものを探すのが肝要です。


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執筆は2017年2月21日時点の情報を参照しています。2024年4月26日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash