ネイリストとして独立開業したい!年収、必要な資金や資格とは?

ネイルケアが大好きで、ネイル業界に入った人の中には、次のステップとして、独立開業を目指しているという人もいることでしょう。独立開業する前に、どのくらいの年収を得られるのか、どのような開業方法があり、どのくらいの開業資金を用意するのか知っておくと、安心して独立開業を目指せます。本記事では、独立開業したネイリストの年収や、開業に必要な資金や資格について詳しく解説します。

目次


ネイリストが独立して目指せる年収

ネイリストが独立開業する場合の年収は、多くの要因に左右されます。技術力、顧客獲得能力、ターゲットとするお客さまの層、マーケティング戦略、立地条件などが影響し、年収は個々のネイリストやサロンによって大きなばらつきがあります。一般的な年収としては、おおまかに数百万円と考えておくとよいでしょう。

高い技術力と顧客満足度を持つネイリストは、それを大きく上回る年収を得ることも夢ではありません。ただし、自らが施術する場合には、時間が有限であるため、年収には上限があります。ビジネスを拡大していきたいという人は、将来的には人を雇うことを想定する必要があります。

ネイルサロンの開業に必要な資格や届出は?

ビジネスを始めるにあたって、必要となる資格や届出を知り、適切に手続きを行うことは欠かせません。ここではネイルサロンを開業するにあたって必要な資格や届出について説明します。

必要な資格はない

美容師の場合には国家資格の美容師免許が必要ですが、「ネイリスト」という資格はありません。つまり、日本でネイルサロンを開業するには、特定の資格は法律上必須ではないということです。

ただし、ネイリストの仕事に関連する資格を持っておくことで、お客さまやスタッフに対する技能の証明になることは確かです。具体的には、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)の「ネイリスト技能検定試験」や、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)の「JNAジェルネイル技能検定試験」は特に取得を検討したい資格です。

このほかにもネイルサロンを運営する上で、サロンオーナー自身が取得しておきたい資格、スタッフを雇う場合に取得してもらいたい資格などが数多くあります。開業前の時間のあるうちに、どのような資格があるか把握し、必要な資格の取得計画を立てるとよいでしょう。

開業届の提出は必要

ネイルサロンのサービス提供に資格は必要ありませんが、開業するにあたって、事業所を管轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(通称: 開業届)を出す必要があります。また、一定の収益が見込めていて青色申告をする可能性があるという人は、「所得税の青色申告承認申請書」も合わせて税務署に提出します。

ネイルサロンの主な開業方法

ネイルサロンを開業する方法には大きく分けて、自宅、店舗、フランチャイズ、出張の四つがあります。ここではそれぞれがどのような開業方法なのか概要を説明します。

自宅開業

独立開業ではありつつ、少ない資金でスモールスタートできる方法の一つです。自宅にスペースがある人は、自宅での開業も選択肢になります。自宅の一室をサービス提供専用の部屋に割り当てるほか、お客さまを迎えるときに自宅の一角を都度サロンのようにするといった方法も考えられます。

店舗を構える

ネイルサロンを始めにあたって、自宅とは別に物件を借りて、店舗でネイルサロンを始めたいという人もいることでしょう。すでに他の方法でサロンを運営したことのある人や、本格的にネイルサロンをスタートさせたいという人向けの開業方法です。

フランチャイズではじめる

ネイルサロンを開業するというと、自分で独自に一からサロンを立ち上げるイメージがありますが、フランチャイズとしてはじめる方法もあることを知っておくとよいでしょう。フランチャイズ本部のノウハウを利用できるため、経営面に自身がないという人は特に検討してみるとよいでしょう。

出張型にする

出張ネイルサロンは、直接お客さまの元に足を運んで仕事をする方法です。自宅にお客さまを自宅に招き入れることに抵抗感がある人や、店舗を構える資金が十分にない人は、出張ネイルサロンとして開業することを検討してみるとよいでしょう。

ネイルサロン開業に必要な資金

ネイルサロンの開業資金は、開業方法によって大きく異なります。ここではそれぞれの開業方法でどのくらいの開業資金が必要なのか説明します。

自宅で開業する場合

自宅兼用でネイルサロンを始める場合、自宅の状態や規模、改装が必要かどうかにもよりますが、最低限の設備と材料費用で数十万円から数百万円を見積もるのが一般的です。具体的には、改装費用、ネイルテーブルやチェア、照明、ディスプレイ用の棚などの基本的な什器の購入と、宣伝費用などが含まれます。

店舗を構える場合

店舗物件を借りてネイルサロンを開業する場合、物件の立地や規模、内装の状態、改装の必要性によって開業資金は大きく異なります。敷金や礼金といった初期費用、改装費、什器備品の購入費、開業前の宣伝費用、初期の運転資金などを含めると、通常は数百万円から、物件や立地によっては数千万円におよぶこともあるでしょう。

フランチャイズではじめる場合

ネイルサロンをフランチャイズで開業する場合の必要資金は、フランチャイズ本部の規定や加盟条件によります。加盟金、初期のフランチャイズ料、設備やインテリアへの投資、開業に向けた研修費用、店舗の賃貸料などが含まれます。通常、これらの合計は数百万円が目安となるとされています。詳細な金額については、経験者に話を聞いたり、フランチャイズの本部に直接問い合わせたりするとよいでしょう。

出張型にする場合

出張型ネイルサロンを始めるには、ポータブルなネイルテーブルや椅子、ネイル用品、初期の広告費用などが必要になります。公共交通を使わないのであれば、車両関連の費用も無視できません。店舗の賃貸料や改装費は不要ですが、車両や移動用キット、宣伝費を考慮すると、開業資金として少なくとも数十万円は確保しておきたいところです。

ネイリストとして独立開業するメリット・デメリット

ネイルサロンの開業方法によってそれぞれのメリットとデメリットがあります。ここでは具体的なメリットとデメリットを見てみましょう。

自宅で開業する場合

自宅で開業するメリットはなんといってもコストを抑えられることにあります。自宅のスペースを使うので、サロン用に新たに他の場所を借りるための敷金や礼金、毎月の賃貸料が必要ありません。改装や什器の購入は必要ですが、新たに物件を借りるよりもコストを抑えられます。

自宅での開業にはライフスタイルやライフステージに合わせられるといったメリットもあります。同居する家族が家にいない「平日の日中だけ」、副業として始めたい人は「週末のみ」、育児や介護をしている人は時間の余裕のあるときに限定してサービスを提供することもできます。

一方で、自宅が繁華街や駅から離れた場所にあったり、住宅街などのわかりにくい場所にあったりする場合、集客が難しくなることもあります。また、自宅の生活感がネイルサロンの雰囲気に出てしまわないように注意する必要もあります。

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店舗を構える場合

店舗を構える場合、自宅での営業とは異なり、家族や近隣住民を気にせず営業時間を自由に決められます。費用はかかりますが、内装もより好みを反映したブランドイメージに合うテイストに整えられます。仕事場としての空間が整うと、仕事とプライベートの切り替えもしやすくなることでしょう。

一方で、物件を借りる場合、自宅での開業とは異なり、物件の賃貸契約を結ぶには保証金や仲介手数料、前家賃、保険料など、ある程度まとまった資金が必要です。もちろん、内装の工事費や什器購入費などのコストもかかります。前の店舗の内装や設備が残っている居抜き物件か、何も残っていないスケルトンの物件かでも初期費用に差が出ます。また、賃貸料もエリアによって価格が異なるので、事前にどのくらいが相場なのかよく調べておくとよいでしょう。

フランチャイズではじめる場合

フランチャイズでネイルサロンを開業すると、すでに知られているフランチャイズ本部のブランド力とノウハウを活用でき、統一されたサービスや商品を提供できます。また、一から始めるよりも集客もしやすいでしょう。

一方で、フランチャイズで開業する場合、フランチャイズの初期費用や、本部へのロイヤリティや加盟金といった費用が発生します。また、本部の規定に従う必要があるため経営の自由度が制限される、地域や市場状況に応じた柔軟な対応が難しいことは知っておくとよいでしょう。

出張型にする場合

出張型にすることで、物件の契約費用や月々の賃貸料、内装や什器など費用がかからず、コストを抑えられます。最低限、ネイルケアのための道具やパーツをそろえるだけで営業を始められます。

出店場所を選ばないのも出張型ネイルサロンのよいところです。最近では、お客さまの自宅だけでなく、大勢の人が集まる場所やイベントで出店するネイリストもいるようです。たとえば、地域にある温泉施設でネイルケアサービスを提供しているネイリストもいます。普段ネイルケアに興味がない人にも、ネイルケアについて知ってもらえる機会を作れ、そこから常連のお客さまになる可能性も考えられます。

一方で、出張型の場合、お客さまのご自宅に直接うかがって仕事をすることになるので、道具や材料などを含めた荷物が多くなるという難点があります。タオルや仕事中に座る椅子、手元を明るく照らすライトなど、出張場所によって必要なものも変わってきます。出張型のネイリストには、特に柔軟性が必要になります。

ネイルサロンを開業するまでの主なステップ

ネイルサロンの開業方法によって詳細は異なりますが、ここでは一般的なネイルサロン開業までの具体的なステップを紹介します。

1. 開業方法を決める

ネイルサロンを開業するにあたって、まずは、自宅で開業するのか、店舗を借りるのか、フランチャイズするのか、出張型にするのか開業方法を決めましょう。

2. コンセプトを明確にする

開業方法と合わせて、どのようなコンセプトのネイルサロンにするのか、イメージを具体化していきます。このとき、頭の中で考えるだけでなく、紙に書いたり、パソコンやスマートフォンで文字や図表にしたりしていくと、次の事業計画を作成するステップがスムーズに進みます。

3. 事業計画を作成する

開業方法やコンセプトをもとに、どのようなサービスをどのような客層に提供し、どのくらいの初期費用と固定費がかかり、どのくらいの期間でいくらの収益を上げていくのか、事業計画にまとめます。事業計画は、次の資金調達で外部資金を利用する場合には欠かせない書類です。ていねいに他の人が読むことも想定してまとめましょう。

4. 資金調達をする

事業計画を作成した時点でどのくらいの開業資金が必要か明確になっているはずです。自己資金では足りない場合には、資金調達を検討します。資金調達の方法としては、家族や友人から借りる、銀行の融資を利用するといった方法のほか、該当する助成金や融資制度があればそれを利用することも考えられます。

5. 物件を探す

ネイルサロンの店舗を構える場合や、フランチャイズで店舗が必要な場合は物件を探します。事業計画で想定したエリアを中心に実際に物件を見てまわるとよいでしょう。

6. 設備を導入する

事業計画に基づいて設備をそろえます。物件を契約する場合は、物件を決めてから大きな什器をそろえるのが無難です。事業計画にもとづいて、必要な設備をそろえていきましょう。

7. 仕入先を見つける

設備の導入と並行して、仕入先の検討も進めます。価格だけではなく、長期的かつ良好な関係を構築できる仕入先を見つけましょう。

8. 宣伝をする

ネイルサロンの開業日の見当がついたら、宣伝を始めましょう。SNSはもちろん、営業形態によっては、お客さまの住んでいる地域のフリーペーパーなどを利用するといった地道なアプローチも有効です。

9. レジを準備する

お客さまの支払いを受け付けるレジは重要な設備の一つです。現金を用意するだけでなく、事業者とお客さま双方の利便性向上のためにキャッシュレス決済システムの導入を検討しましょう。

10. 開業届を提出する

開業届は、開業後1カ月以内に管轄の税務署に提出します。開業前の忙しい時期ですが、忘れずに期間内に提出するようにしましょう。

ネイルサロン開業で失敗しないためのコツ

ネイルサロンの開業にあたってはいくつか失敗しないためのコツがあり、事前に知っておき、注意することで起業のリスクを大幅に減らせます。

自分に合った開業方法を選ぶ

ネイルサロンは上で紹介した四つの方法で開業するのが一般的です。どのようにお客さまと接するのが得意か、ライフスタイルとはどの方法が合うのか、また、資金面で無理のない方法はどれかなど、多面的に開業方法を検討するとよいでしょう。まずは自宅での開業や出張サービスとして費用を抑えて開業し、事業が軌道に乗ったら店舗を構えるのも一つの手です。

競合店の調査を入念に行う

開業にあたってはどうしても自身のネイルサロンのことで頭がいっぱいになりがちですが、開業を検討しているエリアにはどのような競合店があるか、どのようなサービスをいくらで提供しているのか入念に調査し、差別化をはかることで、お客さまを集め、順調に事業のスタートを切れるでしょう。

ターゲットに合った集客方法に取り組む

インターネットやSNSを利用した集客が注目を集めますが、ターゲットとするお客さまによっては、地元のメディアに広告を出す、チラシを配るといった旧来の集客にも取り組む必要があります。ターゲットするお客さまのイメージを明らかにして効果的な集客方法を検討しましょう。

経営に関する知識を身につける

ネイルサロンを経営するには、ネイリストとしての技術力や接客力に加えて、経営に関する知識も必要になります。開業前から経営に関する本を読んだりセミナーに参加したりしておくとよいでしょう。地域の商工会議所などのビジネスに関する施設では参加しやすいセミナーが開催されていることも。積極的に知識を身につける機会を探してみてください。

キャッシュレス決済に対応する

キャッシュレス化が進む中で、現金を持ち合わせていないお客さまが来店することもあるかもしれません。そのような場合でもスムーズに対応できるように開業前にキャッシュレス決済システムを導入しておきましょう。

ネイルサロンにSquareがおすすめな理由

さまざまなキャッシュレス決済システムがありますが、ネイルサロンにはSquareがおすすめです。ここではSquareのメリットについて具体的に見ていきましょう。

低コストで導入・利用できる

キャッシュレス決済システムの導入には、かなりの費用がかかると考える人もいるかもしれませんが、Squareのキャッシュレス決済端末はコンパクトなSquare リーダーであれば4,980円(税込)で導入できます。

対面でのキャッシュレス決済なら、月額利用料などの固定費は無料で、決済ごとに売上げの3.25%の手数料がかかるのみです。

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無料で豊富な機能が使える

Squareが提供しているのはキャッシュレス決済システムだけではありません。POSレジ顧客管理売上管理在庫管理など、豊富な機能が用意されています。いろんなシステムを行ったり来たりすることなく、Squareのアカウントがあればこうした機能を自由に利用できます。

予約サイトを作成できる

Square 予約を利用すると、オンラインでお客さまからの予約を受け付けられるようになるだけでなく、POSレジや決済とも連携できます。基本的な機能を利用できるフリープランに加え、ビジネスの成長に合わせて有料プランにアップグレードすることも可能です。

予約管理はSquare 予約で

Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショウ対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。

本記事では、ネイリストが独立開業するには、どのような開業方法があるのか、それぞれの方法で必要な開業資金、メリットとデメリット、開業までのステップ、注意点について説明し、最後にSquareのシステムについて紹介しました。これまで漠然と独立開業を考えていた人も、具体的なイメージを持てたのではないでしょうか。開業方法を工夫して、さまざまなツールやサービスを駆使すれば、少ない資金でも開業は夢ではありません。本記事をきっかけに、ぜひ独立開業の一歩を踏み出してください。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2018年1月29日時点の情報を参照しています。2024年4月29日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash