キノコの粉末をまぶしたラテから斧投げまで、日本ではまだ耳馴染みのないモノやコトが太平洋の向こう側では、じわじわと注目を集めています。ここでは5つの分野に分けて、2020年にアメリカで一層話題になるもの(⬆)、はたまた忘れ去られそうなもの(⬇)を、Squareが加盟店の売上トレンドをもとに予測します。
文中の売り上げの増減は、2018年と2019年の売上高を比較したものです。
ヘルス&ウェルネス
以前まで、心と身体を健康に保つには「野菜を食べることと運動に尽きる!」と考えられていましたが、毎日根気強く続けるのはなかなか大変。そこで、最近では日々の生活にもう少し楽に取り入れられる健康法を求める人が増えているようです。Squareが予測する、今年アメリカでますます注目を集めそうな健康トレンドと、存在感が薄れていきそうなトレンドは。
⬆ エルダーベリー
前年比 97% 増
ビタミン豊富、免疫力アップなどの効果が期待されていることから、風邪などにいいとされているエルダーベリーシロップは2018年に比べて売り上げが97%増加。しかしエルダーベリーシロップはお手頃価格では手に入らず、アメリカでは現在 19ドル が平均のようです。
⬆ アダプトゲン商品
前年比 247% 増
風邪気味のときやストレス過多のとき、眠れないときに効くとされ、海外でじわじわと人気を集めている天然ハーブ、アダプトゲン。アメリカではいまやラテやお菓子、ジュースなどにブレンドされているようです。アダプトゲンをブレンドしたラテの平均価格は、7.18ドル。
⬆ ケトジェニック・ダイエット
前年比 261% 増
高脂肪・低糖質の食事法、ケトジェニック・ダイエット。瞬く間に人気を博したこのダイエット法はとどまるところを知らず、いまやアメリカでは「ケト・タコス」や「ケト・カリフラワーボウル」など、この食事法を取り入れたメニューを提供するレストランやカフェが増えているようです。ミートソーススパゲティーのケトジェニック版は 10.12ドル が平均価格。
⬇ ホール・サーティ・ダイエット
前年比 25% 減
一方で糖分、乳製品、穀物、豆類を一切取らないホール・サーティ・ダイエットは、数あるダイエット法のなかに埋もれてしまっているよう。この食事法を売りとした食品やお菓子の売上は減少しているなか、最も売れ行きがいいのはルイジアナ州だそうです。
⬆ マカダミアミルク
前年比 171% 増
昨今アメリカでは、牛乳を別の”ミルク”と代用することがブームのようです。なかでも注目を集めているのは、マカダミアミルク。気になる味わいは、リッチ&クリーミーだとか。マカダミアミルクでつくるラテは、平均で 4.50ドル と十分手が届く価格。
⬇ ライスミルク
前年比 26% 減
マカダミアミルクが耳目を集める一方で、ライスミルクの人気は落ち込み気味。植物性のミルクのなかではカロリーが高く、糖質が多い点が要因のようです。
⬆ お肉の代替品
前年比 136% 増
植物肉を使用するハンバーガー店「ビヨンド・ミート」「インポッシブルバーガー」の登場なども受け、最近ではヴィーガンやベジタリアンに向けた食事も豊富になりつつあるアメリカ。肉の代替品を使用したハンバーガーの平均価格は、12.52ドル。
エクスペリエンス(経験)
ものではなく経験に価値を置くエクスペリエンス・エコノミーは、2020年も変わらず話題を集める予感。どうやらアメリカでは「斧投げ」にハマる人が急増中!?
⬆ 斧投げ
前年比 317% 増
アメリカでは新たなストレス発散法として、的に目掛けて斧を投げるアクティビティが大人気。体験費は平均で 34.12ドル。もともと家族や友達と家の庭で楽しむものとしてカナダで親しまれていた斧投げは、ケンタッキー州、ノースカロライナ州、テキサス州で特に人気が出ているようです。2020年にはこのトレンドがさらに浸透し、より広い層に親しまれるとSquareは予測。都内でも体験できるそうなので、気になる人はお試しあれ。
⬆ 電動自転車レンタル
前年比 50% 増
アメリカの主要都市で少しずつ人気を集めているのは、電動自転車で街や自然のなかを駆け巡ること。購入するとなると高くつくこともあり、平均 78.49ドル ほどで借りられるレンタルのほうが好評のようです。
⬇ サウンド・バス
前年比 13% 増
サウンド・バスとは音から伝わる振動で、心と身体を深いリラクゼーションへと導くヒーリング法。凝り固まった心を鐘やチャイムの音が和らげてくれるようです。一回の参加費用は平均で 64.89ドル。2018年には前年比239%ほど売り上げが上昇したものの、2019年にはその人気もすっかり落ち着いてしまった様子。このトレンドが2020年に引き継がれる可能性は低そうです。
ドリンク
喉が渇いたアメリカ人が、2020年に手を伸ばすのはこれだ!とSquareが予測した飲みものも、日本ではなかなか見かけないものが多い印象です。
⬆ チャーガチーノ
前年比 126% 増
チャーガは、白樺の木20,000本のうち1本にしか見つからないといわれている幻のキノコです。疲労やストレスなどに効くそうで、トレンドを先取りする健康マニアはすでにチャーガの粉末をラテに入れて飲んでいるそうです。平均価格は 6.68ドル。
⬆ フラッシュブリュー
前年比 308% 増
コールドブリュー(水出しコーヒー)は日本でも話題になりましたが、今アメリカが注目しているのは、フラッシュブリュー。フラッシュブリューは日本では割と親しまれているアイスコーヒーの淹れ方で、熱湯で抽出したコーヒーに氷を投入し、急冷して飲むものです。水出しだと酸味や苦味が少し失われてしまうようですが、フラッシュブリューであればその心配がないとか。フラッシュブリューの平均価格は 4.08ドル。
⬆ ハードセルツァー
前年比 500% 増
炭酸水ならぬアルコール入り炭酸水がアメリカでは人気を博した2019年。爽快感溢れるドリンクであることから夏にどっと注目を浴びました。季節とともに少しずつ忘れられるかと思いきや、秋になっても冬になってもレストランやバーでの注文がやまないようです。そんなブームは2020年にも引き継がれると予測。
⬆ ハードコンブチャ
前年比 85% 増
近年アメリカの飲食業界で空前のブームとなったコンブチャ。欧米でいうコンブチャは、昆布茶とは全くの別もので、紅茶や緑茶に酢酸菌などを加えて発酵させた飲み物。2019年にはそのアルコール版が人気を集めました。アメリカでは今やボトルや缶でも買えるうえ、レストランやバーで注文することもできるようです。味の種類も豊富のようで、スイカミントチリ味、ブラッドオレンジ味など、アメリカに足を運ぶ予定があればぜひ挑戦してみたいところ。平均価格は 7.21ドル。
ビューティー
美容業界で爆発的な人気を得ているのはあるマスク。美容ケアが女性にとって最高のご褒美であることは今年も変わらなさそうですが、2020年にはこの二つがさらなる注目を浴びそうです。
⬆ ハイドロジェリーフェイスマスク
前年比 1700% 増
保湿・角質除去・肌のトーンアップ効果が期待できるといわれるジェリーマスク。Square調べによると、特に人気が出ているのはカリフォルニア州とテキサス州。ケア一回につき、平均価格は 34ドル だそうです。
⬆ カッサ
前年比 125% 増
2000年以上前から中国で親しまれてきた民間療法が2019年にしてアメリカで流行。カッサプレートという専用の板で皮膚をこするように刺激することで、老廃物を出し、血の巡りをよくするものだそうです。Squareの調べによると、自宅用の器具は、平均で 46.56ドル ほどに設定されているよう。
アパレル&インテリア
Squareは、2020年にヒョウ柄が再熱すると見込んでいます。特にテキサス州ではすでにヒョウ柄の出現率が増加傾向にあるようです。そのほか、アメリカでますます注目されるものと、過去に置いていかれそうなものとは。
⬆ ダッドスニーカー
前年比 135% 増
ダッドスニーカーを履くセレブが多発したこともあり、その後を追うようにしてダッドスニーカーを履くファッショニスタが増えた2019年。その様子を反映して、2018年に比べて135%ほど売り上げが上昇しました。このトレンドは2020年に引き継がれる予感。
⬇ チョーカー
前年比 10% 増
チョーカーの再ブームはすでに落ち着いてしまった模様。そもそもチョーカーが再び注目を集め始めたのは2018年。2019年には10%ほど売り上げが低下している状況ですが、カリフォルニアやテキサス、フロリダはまだチョーカーを捨てきれない様子。チョーカーの平均価格は 29.34ドル。
⬆ ヒョウ柄
前年比 160% 増
ファッション愛好家の間ではスカートや靴、スカーフ、レギンスなど、ヒョウ柄をアクセントとして取り入れるのが旬のようです。ヒョウ柄アイテム1点の平均価格は、35.12ドル。
⬆ 多肉植物
前年比 60% 増
面倒を見るのがラクということもあり、2018年からは「おうちにひとつは欲しい植物」となりつつあった多肉植物。2018年には売り上げが80%増加し売れ行きが好調だったものの、2019年には60%しか売り上げが増加せず、人気も薄れつつあります。ただしカリフォルニアでは、多肉植物愛好家がまだ健在のよう。平均価格は 13.80ドル。
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