タッチ決済を店舗で導入しようとすると、サービスの種類の多さに戸惑うかもしれません。まずはタッチ決済とは何かを知り、業務効率だけでなく衛生面などの導入のメリットも考えてみましょう。タッチ決済の利用者意識の変化や、導入フローも解説します。
目次
- タッチ決済とは?
・感染拡大で変化するタッチ決済の利用者意識 - タッチ決済の種類
・電子マネー
・クレジットカード - タッチ決済導入のメリット
・1. 多数の店舗で導入されている
・2. 決済がスピーディーでオペレーションも快適
・3. 安心・安全の決済方法
・4. スマートフォンやウェアラブル端末でも利用可能
・5. 感染防止につながる
・6. 誰にでも使いやすい - タッチ決済導入のデメリット
- タッチ決済の導入・利用フロー
タッチ決済とは?
タッチ決済とは、クレジットカードや交通系ICカードなどを、専用端末にかざすだけで完了する支払方法を指し、非接触決済、コンタクトレス決済とも呼ばれるキャッシュレス決済方法の一種です。
クレジットカードで支払いをする際、従来の使い方では暗証番号の入力やサインが必須でしたが、タッチ決済を選ぶと一定額以下では暗証番号やサインが不要で手続きが簡単です。タッチ決済は、支払いをする顧客側にも受け付ける店側にも、スピーディーかつスマートなサービス体験を提供してくれます。
感染拡大で変化するタッチ決済の利用者意識
世界各国で既に利用が拡大しているタッチ決済は、日本でも導入が着々と進行中です。当初、東京五輪のインバウンド需要に向けて導入が推進されていましたが、思いがけず新型コロナウイルスの感染拡大がタッチ決済の利用を後押ししてます。ポイントは、「会計時間の短縮」です。タッチ決済では、現金決済の約半分の時間で決済処理が終わるといわれ、感染対策の一貫として人と人の接触時間を短くできます。
実際、新型コロナウイルスの感染拡大前と比較して、約4人に1人がタッチ決済を含むキャッシュレス決済の利用頻度が上がったという調査結果もあります。感染症対策で変わった人々の意識を受け、また世界照準のホスピタリティーのためにも、今後ますますタッチ決済の導入は重要視されていくでしょう。
参考:
日本におけるキャッシュレス化の加速(Visa)
新型コロナウイルス感染拡大後はキャッシュレス決済と現金決済の比率が逆転(アメリカン・エキスプレス)
タッチ決済の種類
タッチ決済を導入する前に、2021年現在、日本で利用可能なタッチ決済の種類を整理してみましょう。タッチ決済を大別すると、電子マネーとクレジットカードの2種類があり、さらにそれぞれに、カードを介する場合とスマートフォンやウェアラブルデバイスを介する場合があります。
注意点として、スマートフォンを使った支払方法としてはQRコードやバーコードを読み込むタイプのキャッシュレス決済もありますが、タッチ決済とは異なります。タッチ決済は、専用端末にスマートフォンやカードをかざすだけで完結する決済方法を指しています。
電子マネーの場合
交通系ICカード(Suica、PASMO、ICOCAなど)や、コンビニエンスストアなどで使える電子マネー(nanaco、QUICPayなど)によるタッチ決済は、日本で従来からよく知られた方法です。
電子マネーは、専用アプリをダウンロードすれば、スマートフォンなどの端末をカード代わりに利用してタッチ決済を行うことも可能です。
クレジットカードの場合
Visa、JCB、Mastercard、American Expressなどのクレジットカードのうち、タッチ決済対応マークが付いたカードがタッチ決済に対応しています。
クレジットカードのタッチ決済はスマートフォンを介して行うことも可能で、Apple Pay、Google Pay、iDなどのサービスプラットフォームのアプリをダウンロードし、手持ちのクレジットカードを紐づけることで利用可能です。
クレジットカードのタッチ決済は、今後のインバウンド需要に対しても有効であることから、対面式ビジネスの事業者は早めに導入しておきたいところです。
タッチ決済導入のメリット
タッチ決済を導入することで、どんなメリットが生まれるか、店舗と顧客の双方の立場から考えてみましょう。
1. 多数の店舗で導入されている
タッチ決済を導入する店舗は、大手コンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食チェーンなど、国内でどんどん拡大しています。つまり、タッチ決済ができる電子マネーやクレジットカードを持っていれば、現金を持ち歩かなくても買い物や食事ができる場所が増えています。
2. 決済がスピーディーでオペレーションも快適
会計の効率がアップすれば、顧客側にとっては待ち時間とストレスが軽減される点がメリットです。店舗側にとっては、会計待ちの行列を見て購入を諦める顧客が減ることで、ビジネスチャンスを逃さず、顧客満足度の高いサービスを提供できることになります。タッチ決済は決済端末の操作が簡単で、会計業務のオペレーションも簡素化され、釣り銭の間違いなども発生しないため、導入のメリットは非常に大きいといえます。
3. 安心・安全の決済方法
暗証番号が求められるクレジットカードの決済方法では、レジ担当者や他の顧客もいる場所で暗証番号を入力することに抵抗感があるお客さまも出てきます。しかしタッチ決済なら、クレジットカードを使う時間が圧倒的に短くて済み、暗証番号を人に知られる心配も不要であるため、お客さまは安心してお会計をすることができます。
4. スマートフォンやウェアラブル端末でも利用可能
ランニングや散歩など、たくさんの荷物を持って出かけないときでも、スマートフォンや腕時計型デバイスにタッチ決済を導入していれば簡単に買い物ができます。また、デバイスを介したタッチ決済でも、クレジットカードや電子マネーのポイントを貯めることができます。
5. 感染防止につながる
タッチ決済導入による従業員と顧客の対面時間の短縮化は、双方の感染症リスクを抑えてくれます。お客さま自らカードやスマートフォンを端末にかざすので、カードをレジ担当者が受け取って端末に挿入するなどのプロセスがない分、店と人の衛生状態を守りやすくなります。
6. 誰にでも使いやすい
クレジットカードのタッチ決済なら、暗証番号の入力が不要になることで、指先や目が不自由な人も使いやすくなるバリアフリー効果も期待でき、多様性のある顧客に対応できるという店舗の魅力にもつながります。
タッチ決済導入のデメリット
タッチ決済を利用する上でのデメリットについても考えてみましょう。
- タッチ決済非対応の端末を利用している場合、新しい端末が必要になる
- 利用可能な金額の上限が決められている
クレジットカードの場合は、カード会社によりタッチ決済の上限額が定められているため、少額の買い物向きです。上限額を超える金額の場合は、従来の方法でクレジットカードを使うことになります。電子マネーの場合は、タッチ決済か否かに関わらず、2万円から5万円程度の利用上限額が決められています。
タッチ決済の導入・利用フロー
店舗で実際にタッチ決済を導入する場合、どのような流れで実施するのかチェックしましょう。
- 専用端末を契約する(加盟店審査を受ける)
- 導入するクレジットカード、電子マネーを設定する
- 専用端末をセッティングする
- 利用を開始する
Squareでも上記の方法でタッチ決済に対応することができます。
タッチ決済に対応したキャッシュレス決済端末は複数あり、低コストで導入したいお店にはSquare リーダー (税込4,980円)、レシートプリンターも合わせて導入したいお店にはSquare ターミナル (税込39,980円)、大きな画面でレジの操作がしたいお店にはSquare レジスター(税込84,980円)がおすすめです。いずれの決済端末も、Square ショップから手に入れることができます。
▲ Square ターミナルでタッチ決済をしている様子
Squareにはスマートフォンからタッチ決済を受け付けられる「Tap to Pay on Android」または「iPhoneのタッチ決済」という機能もあります。タッチ決済(※)に限られますが、決済端末を使うことなくお手持ちのスマートフォンでクレジットカード決済が受け付けられるものです。
※ここでいうタッチ決済は、タッチ決済対応マークがあるクレジットカードまたはモバイルウォレットに登録されたクレジットカードのみとなります。電子マネー決済には対応していません。
▲ Tap to Pay on Androidでタッチ決済をしている様子
続いて、お客様に「Visaカードでタッチ決済を利用したい」といわれた時を想定して、決済フローを確認してみましょう(※端末により操作手順が異なることがあります)。
- [レジ担当者]合計金額が決定している状態で、レジで支払方法「クレジットカード」を選択
- [お客様]専用端末にVisaのクレジットカードをかざす
- [レジ担当者]無事決済が完了したことを確認し、レシートを渡す
以上のようにタッチ決済は、レジ業務の効率化を叶え、店舗とお客様に多くのメリットをもたらすことから、今後ますます重要性が増していくと考えられます。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2021年5月26日時点の情報を参照しています。2024年5月16日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。