人材採用の新手法「タレントプール」とは

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経営者にとって、人材確保はいつの時代も重要な課題です。人材を求めているタイミングに、いつも最適な人材からの応募があるとは限らないことに悩む経営者や人事担当者も多いのではないでしょうか。このタイミングのズレを解決する「タレントプール」という方法が注目を集めています。企業のアピールにもつながる採用のトレンド、タレントプールのメリットや実践方法、注意点を解説します。

タレントプールとは

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業務量の増加や従業員の退職や休職などにより、急遽、新たな人材を雇用するのはどんなビジネスの現場にもあることです。また、採用のタイミングが決まっている企業も同様、マンパワーの確保は事業規模を問わずすべての経営者にとって課題のひとつといえます。

求人情報を出したタイミングに応募してきた求職者の中から人物像にぴったり当てはまる人材がいない場合があります。そうしたときに、ある程度妥協して採用するか、採用を行わずに人手不足の状態で事業を進めるか、迷うことも多いのではないでしょうか。

そうした悩みを解決する手段として登場したのが、タレントプール(Talent Pool)という考え方です。タレントプールは人材銀行と訳されることもあり、自社で将来的に採用する可能性のある人材のデータベースを意味しています。自社にとって、経験や実績などの条件の面でポテンシャルを秘めた「逃したくない人材」とコンタクトを取り続け、常につながりを作っておく(=データベース化しておく)、そして双方にとって良いタイミングが訪れたときに採用を行う手法です。

タレントプールの必要性を指摘したのは、米国の経営コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニー。2001年に同社が刊行した人材獲得・育成の調査報告書『The War for Talent』の中で、やがて人材獲得・育成の競争社会がやって来ることを予想し、リーダー候補など優れた人材の獲得と育成が企業の成長の鍵を握っていると警告したのです。つまり、最適な人材確保ができない企業は成長が難しいということでもあり、人材の争奪戦に負けた企業はビジネスそのものでも勝てないことを意味しています。

人材確保が困難となっている背景には、以下のような時代の流れや仕事に対する意識の変化も影響しています。

• キャリアアップのために転職を重ねる人の増加
• 従業員や求職者の価値観や働き方の多様化
• 労働人口の減少
• グローバル化
• 職務に求められる知識やスキルの変化

これらの背景から、人材の流出や後継人材の不足、新規採用が難しい事態が起こりやすくなってます。そのため、既存の方法に頼らず、まだ採用していない人材を将来採用する可能性のある人材として貯めておくタレントプールの導入が重要性を増しているのです。

タレントプールのメリット

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具体的に、タレントプールには以下のようなメリットがあります。

タイミングのズレによる機会損失を解消できる

1人の求人枠に対し、3人の求職者から応募があったとします。3人とも必要な要件を満たしているけれど、枠は1人分だけのため2人を不採用にしなければならない、というのは決して珍しいことではありません。人材採用は一期一会であり、欲しい人材が目の前にいてもタイミングが合わず逃してしまうことが、従来はよくありました。

しかし、タレントプールを導入することで、今すぐに採用できない人材を今後の採用候補として常に残しておくことができ、このような機会損失を限りなく減らせます。「今すぐではないが、ポジションに空きが出たらぜひとも連絡させて頂きたい」と求職者に対しあらかじめ伝えておき、タレントプールのリストにその求職者を加えておけば、急な退職や休職が出たタイミングなどでコンタクトを取り、相手の都合を確認して採用のオファーを出せます。今までの採用プロセスと違って、ミスマッチや機会損失を減らせるでしょう。

求職者側のモチベーションを高く保てる

タレントプールのリストに加えた時点では、企業側は「あなたがほしい」、求職者側は「貴社で働きたい」と双方がお互いにラブコールを送っている状態です。求職者にとっては自分が必要とされていることを実感できるため、仮に別の企業に就職したとしても、職場に不満を感じた際など優先的に転職先としてタレントプールをしてくれた企業を考えやすくなるのではないでしょうか。

プールした人材を比較できる

企業にとってタレントプールを人材採用に活用することは、手持ちのカードを増やすことに似ています。もちろん、すべてのカードが有効に使えるとは限らないですが、可能性は十分にある状態です。候補者が複数いることで、比較して判断ができます。必要なタイミングでより適切な人材を選ぶことにつながるのではないでしょうか。

マネジメント力をアピールできる

タレントプールを上手く活用している企業は、第三者から見て、長期的な視野を持ち、常にリスク管理を怠らず、安定した成長計画を展開していると捉えることができます。このような評価は、社内外からの信頼獲得にもつながります。

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タレントプールの実践方法と注意点

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タレントプールを始めるには、大きく分けて2つの方法があります。

①タレントプール専用の窓口を用意する
②候補者に対しコンタクトを取り続ける

専用窓口を用意する①は、自社ウェブサイトの採用ページなどに説明付きの登録フォームを設けておき、登録してもらう方法です。一度フォームを用意してしまえば、あとは登録者を待ち、興味のある人材がいたらコンタクトを取るだけです。こうしたページで理念や経営方針、働き方や職場の雰囲気などを説明しておくことで、内容を読んで自社に興味を持つ候補者を確保できる可能性が高まります。タレントプールのページを、自社のソーシャルメディアアカウントなどに投稿して宣伝しても良いでしょう。

②は、不採用となった応募者だけでなく、取引先や従業員の知人・友人などに対しても有効です。いつか自社にほしいと思える人材に出会ったら、自社のイベントにへの招待や、食事の機会を持つなどして自社に興味を持ってもらうことから始め、求職の際は歓迎するという意向を示します。①の専用フォームと異なる点は、人柄なども見た上で会社側から積極的にアプローチができるところです。

タレントプールで気をつけることは

最も意識しなくてはいけないことは、プールした人材候補をそのままにしないということです。求職者側からすると、会社側から連絡がなければ忘れられたと判断し、その会社に対する興味も失われることになります。

「最近いかがですか?」「弊社のイベントに参加しませんか?」など、不定期でもこまめにコンタクトを取り、プールした人材の近況や求職状況をチェックすると同時に情報をアップデートしましょう。コミュニケーションを重ねることで、相手にとって会社が徐々に身近な存在になるという効果もあります。

また、自社だけでなく競合他社も人手不足に悩めば同じ手段を使うことが考えられます。自社の人材を引き抜かれないよう、従業員にとっても魅力的な会社であり続ける必要があります。

タレントプールはさまざまな事業で導入可能な手法です。人手不足に悩んでいるのなら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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執筆は2018年2月1日時点の情報を参照しています。
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