変化にどう適応する? パラダイムシフトとは

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ビジネスに関する新聞や雑誌の記事などで見かける「パラダイムシフト」という言葉。しかし、それが意味することについて、実はよく知らない、という人もいるかもしれません。今回は、パラダイムシフトの意味、具体例、パラダイムシフトに対応するためのヒントについて解説します。

パラダイムシフトとは

「パラダイム」(paradigm)は、ギリシャ語で範例を意味するparadeigmaに由来します。

元々は語形変化の一覧表などを指す際に使われていましたが、1962年に米国の科学史家トーマス・クーンが著書「科学革命の構造」において、科学的研究の土台となる前提を「パラダイム」と呼び「広く人々に受入れられている業績で、一定の期間、科学者に、自然に対する問い方と答え方の手本を与えるものである」と新しい意味を与えました。そこから「ある時代に特徴的な思想、価値観」「常識」などと解釈が拡大され、科学だけでなく経済やビジネスなどきわめて広い分野で使われる言葉となりました。

参考:科学革命の構造(みすず書房)

「パラダイムシフト」とは、その時代に当然と考えられていた物の見方や考え方が劇的に変化することを指しますが、そこから派生して「定説をくつがえす」「ステレオタイプを捨てる」「革新的なアイデアによって時代を変える」というように、今では広い意味で使われています。

パラダイムシフトの例

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人類は、長い歴史の中でパラダイムシフトを何度も経験してきています。科学の分野いえば、コペルニクスやガリレイの地動説、ダーウィンの進化論、ニュートンによる万有引力の発見、アインシュタインによる相対性理論などが代表的な例です。その時代には常識と考えられていたことをくつがえすような発見や説が唱えられ、概念や価値観がすっかり移り変わったという点が共通しています。

現代でも身近な場所でパラダイムシフトは起こっています。代表的な例を三つ紹介します。

1, スマートフォンの登場

まずは、電話を見てみましょう。黒電話と呼ばれるダイヤル式電話機から、プッシュ式電話機やコードレス電話機、テレビ電話、携帯電話と時代を追うごとに進化してきましたが、スマートフォンの登場がこれまでの「電話」の常識を変えたといっても過言ではありません。

従来の電話機の主な利用目的は音声通話でした。1990年代後半から普及しはじめたフィーチャーフォンもインターネットに接続できますが、使える機能がある程度限られていました。2000年代後半に登場したスマートフォンは、音声通話機能はもちろん、さまざまなアプリをダウンロードして利用者が自身に必要な機能を付け加えられる点において、「電話」の概念をすっかり変えました。ゲームや動画を楽しんだり、ソーシャルメディアを使って友人知人とコミュニケーションをしたりするだけでなく、最近ではお財布の代わりにもなっています。

参考:フィーチャーフォンの概要(KDDI株式会社)

Squareも決済におけるパラダイムシフトの一つといえるでしょう。クレジットカード決済を導入するには、何カ月もかかる手続きや高額な読み取り端末が必要だった時代に、審査をシンプルにし、普段使っているスマートフォンに専用のIC カードリーダー(Square Readerを接続するだけでクレジットカード決済ができるようにしたことで、中小規模の事業者にとってのカード決済導入の概念を変えました。

また、電気自動車の登場も、私たちの生活を変えると考えられています。従来の化石燃料で走る車が電気自動車に置き換わることで、これまでエネルギー構造で大部分を占めていた化石燃料が再生可能エネルギーに取って代わられる未来が来るかもしれません。

参考:電気自動車(EV)は次世代のエネルギー構造を変える?!(経済産業省資源エネルギー庁)

他にも、AIやロボット、次世代の高速通信規格5Gが実用化されることで、工業や医療分野における労働力不足が解消されることなども期待されています。

参考:5Gとは 速さだけじゃない進化、IoT時代の基盤に(2019年4月8日、日本経済新聞)

2, 所有から共有へ

「所有すること」から「共有すること」を重視する価値観の転換もパラダイムシフトといえます。「より多くのものを所有することが豊かな生活の象徴である」という価値観もありましたが、インターネットの発展とスマートフォンの普及により、必要なものを必要なときに利用する消費スタイル「シェアリングエコノミー」が浸透してきています。

宿泊場所を探す人と空き家や空き部屋を貸したい人をつなぐAirbnbや、「安く移動したい人」と「ガソリン代などの実費を節約したいドライバー」をつなげるnottecoといったマッチングサービスが代表的な例です。利用期間のみ料金を払うサブスクリプションサービスも、ソフトウェアから始まり音楽や動画、ファッションの分野にまで広がりました。

政府も、資産やスキル、時間などを有効利用するシェアリングエコノミーにより、社会全体の生産性を上げ、地方創生や地域共助の充実をはかることを期待しています。

参考:シェアリングエコノミー促進室(政府CIOポータル)

3, 働き方の変化

高度経済成長期と比べると、働き方にもパラダイムシフトが起こっているといえます。

1950年代から約20年の間、日本経済を支えていた製造業は、新卒一括採用、終身雇用、年功序列といった日本型雇用形態によって技能の蓄積と労働力の安定をはかっていました。自分や家庭よりも、会社の上司の命令に従いひたすら仕事に励む会社員は「モーレツ社員」や「企業戦士」と呼ばれ、残業や徹夜の勤務がもてはやされたほどでした。

その後、バブルが崩壊し、経済のグローバル化そして深刻な少子高齢化により、今では、ワークライフバランスの重視、テレワーク・リモートワーク、副業など多様な働き方を実践する企業や個人も増えています。数十年前と比べると大きく変化していることを実感している人も多いかもしれません。

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パラダイムシフトに対応するには

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パラダイムシフトによる変化に、経営者はどう対応すればよいでしょうか。

変化をキャッチする敏感さ
経営者であれば、さまざまなことを考慮して事前に目標を設定したり、計画を立てたりします。しかし、変化が激しいこの時代、顧客がどう動くかをどれだけ敏感に察知して適応できるかが重要です。

こだわり過ぎない柔軟性
変化に対してストレスを感じるよりも、受け入れる柔軟性をもつことも大切です。新しい価値観や新しいサービスに触れたときに、自分がどう感じるかを掘り下げて考えてみましょう。なんとなく受け入れられない、奇異に見えると思うのであれば、なぜそう感じるのか、何が問題と思うのかを熟考してみると、自分自身の柔軟性に気づく良い機会となります。

自分なりの問題意識
「なぜこれが売れているのか?」など、普段から自分なりの問題意識をもちましょう。すでに存在する物事や価値観に対して疑問を呈したり、検証したりすることが可能になり、これまで何気なくとらえていた物事や事象を新しい視点で見ることができるようになります。疑問を追求し検証していく中で、新しいアイデアのひらめきも期待できるでしょう。

日々、次々と新しい技術やサービスが生まれている現代。これまで「当たり前」に提供していた商品やサービスについて「どうしてこれはこうなんだろう?」と問いかけてみる、そのような小さな瞬間がのちに大きな変化を生み出す起爆剤になるかもしれません。

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執筆は2019年4月22日時点の情報を参照しています。
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