経営者として知っておきたい、エシカル消費とは

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環境問題や社会問題を意識したエシカル消費という消費のスタイルが世界で注目を集めています。事業を営んでいる人の中にはこの言葉を耳にしたことがあるという人もいることでしょう。今回は、経営者として理解しておきたい「エシカル消費」について説明します。

エシカル消費とは

エシカル消費は環境問題や社会問題を意識した消費スタイルで、日本語で倫理的消費と呼ばれることもあります。日本では消費者庁が2015年から2年間、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のゴール12に関連する取り組みとして啓発活動や議論を行い、現在でも普及・啓発活動が続いています。

参考:エシカル消費普及・啓発活動(消費者庁)

日々の消費では生活に必要なものをいかに安く効率よく手に入れるかに目がいきがちですが、商品やサービスを購入することは、商品やサービスはもとより、提供元の企業やその理念に支持を表明することでもあります。欧米の先進国を中心に、ファッションや食といったライフスタイル分野で若い人たちを中心にエシカル消費が意識されるようになっています。この需要を満たすべく環境や社会に配慮したエシカル商品やエシカルサービスが提供されています。

日本でも近年、途上国での児童労働や労働者搾取のないファッションアイテム、フェアトレードのチョコレート、環境に配慮して作られたオーガニックの野菜が店頭に並ぶようになりました。これらの商品を目にしたことがあるという人も少なくないでしょう。

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日本、海外におけるエシカル消費の傾向

エシカル消費の概念や、エシカル消費を意識する動きは新しいものではありませんが、一昔前には一部の人だけの特殊な思想のようにとらえられてもいました。今では、安いものからハイブランドなものまでさまざまな品物が手に入るようになったことで、消費者はより質がよく、生産にまつわる犠牲の少ないもの、環境や社会によいものに目を向けるようになりました。

この流れに拍車をかける事件がいくつか2010年代に入って起きています。大きなものとして、2013年にバングラデシュで縫製工場が入った建物が崩壊し、1,000人以上が死亡した大事故があります。この事故をきっかけにファッションにまつわる劣悪な労働環境や、環境への影響が明るみになり、エシカルファッションに注目が集まるようになりました。ファッションと並んで、食に関しても食品偽装、汚染、劣悪な飼育環境などさまざまなスキャンダルが報じられ、エシカル消費が意識されるようになりました。また、昨今の深刻な地球温暖化も世界でエシカル消費が意識される大きな一因といえます。

海外の流れに追随する形で、日本でもエシカル消費が意識されるようになってきています。エシカル消費がより意識されるようになった日本特有の出来事としては、2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故があります。電力生産の仕組み、環境への影響、さらに食について改めて考えたという人も少なくないでしょう。国内の動きとしては、冒頭で紹介した消費者庁の取り組みと合わせて、2014年には一般社団法人日本エシカル消費推進協議会が設立されました。

参考:一般社団法人日本エシカル推進協議会(JEI)

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エシカル消費をビジネスに取り入れるには

ここまでエシカル消費について、世界と国内の動向とともに説明してきましたが、ビジネスチャンスになりそうだと感じている人もいる一方で、ビジネスに取り入れるにはコストがかかりすぎて収益につながらないかもしれないと心配する人もいるかもしれません。

環境や社会に配慮した製品やサービスは確かに従来の方法で提供するものと比べて高コストになりがちです。高コストではあるものの、もともと必要なコストだったと考えることができます。安く売れるから、利益があがるからと環境に大きな負荷をかけていては、気持ちよくビジネスに取り組めないでしょう。また、安さの裏にある犠牲をお客様が知って、悲しく思うこともあるでしょう。長期的にはお客様が離れていってしまい、売り上げの減少につながるかもしれません。多少のコストはお客様と十分にコミュニケーションして、社会や環境のために事業者とお客様の双方で負担していこうというのが世界的な傾向です。

環境や社会に配慮した商品やサービスを提供している、今後していきたいという人は、今すぐにできることとして、お客様に製品やサービスの社会的背景を商品やサービスの魅力の一部としてしっかりお客様に伝えていきましょう。

また、エシカル消費を念頭に製品やサービスには、単にストイックに環境や社会に配慮していくだけでなく、わくわくする側面もあります。たとえば、エシカルファッションの分野では、環境負荷の少ない新素材として、パイナップルの葉や麻の茎など廃棄されていた素材で繊維を作ろうといったプロジェクトがあります。また、動物愛護の観点からフェイクレザー、フェイクファーの新素材も登場しています。新素材開発に取り組むコストはかかりますが、社会問題にイノベーションで取り組むことで、メディアの注目を集め、さらにお客様にポジティブなイメージを持ってもらえるのであれば、長期的に見てコストに見合う先行投資ともいえます。

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エシカル消費をCSRに取り入れるには

社会や環境に配慮するエシカル消費をターゲットにしたビジネスは、企業の社会的責任を意味するCSR(Corporate Social Responsibility)にもつながってきます。ひと昔前まではビジネスと切り離されたCSR活動も多くありましたが、最近ではビジネスと社会的責任を両立したCSRが主流になってきています。エシカル消費をビジネスに取り入れる方法でも紹介したように、CSRとして大々的に目標を掲げなくても、エシカル商品やエシカルサービスをビジネスとして提供し、CSRにつなげられます。

また、個々の商品やサービスのマーケティングの一部としてエシカルな側面をお客様に伝えるのと合わせて、CSR報告書にまとめて積極的にエシカル商品やエシカルサービスを提供していることを情報開示していくことも重要です。CSR報告書の開示を義務化している国もあります。CSRについて意識してこなかった、報告書を作成したことがないという個人事業主や中小企業経営者はCSRに関する活動をリストアップし簡単な報告書を作成することから始めてみるとよいでしょう。

CSR報告書をどう作成してよいか迷ったときは、すでに公開されている他企業のCSR報告書を参考にするとよいでしょう。CSR図書館.netではさまざまな企業のCSR報告書を参照・検索できます。

今回は世界で注目を集めている消費スタイルであるエシカル消費と、それをターゲットにしたエシカル商品やサービス、ビジネスやCSRへの取り入れ方を紹介しました。ビジネスとして商品やサービスを提供し、利益をあげながら社会や環境に貢献していくというエシカル消費の流れをビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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執筆は2019年6月19日時点の情報を参照しています。
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