【STORE STORY】打開策は必ず生まれるーー 自転車4台から始まったTOKYOのサイクリングツアー店

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東京で、外国人旅行者に人気のサイクリングツアーの店、Tokyo Great Cycling Tourは、オフィス街の一角に構えている。場所は、日比谷線と東西線が交差する茅場町の駅からほど近い路地にある。

朝、スーツ姿の男女が行き交う中、カジュアルな格好をした外国人が次々とやってくる。手ぶらで来て、自転車をもらって、あとは皆の準備が整い、出発を待つばかりの手軽さだ。

オーストリアから来たという父と息子は、昨日、日本に着いたばかり。「息子は東京は初めてだから、まず自転車で回れば、街について感じてもらえるんじゃないかと思って予約した」と父。「どこに行くのかはよく知らないけれど、絶対に楽しいに決まってる」と息子。

「10歳ぐらいの時から日本に憧れていて、いつか日本に行きたいと思っていた」と、一週間の一人旅で訪れたイギリス人の男性。職業はコンサルタントで忙しい。「東京は、気の休まらない場所かと想像していたけれど、わりと落ち着いていて、住みやすそうな街だと思った」

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この会社を始めたのは、もともと銀行に勤めていて、香港勤務の経験もある肥塚由紀子さん。銀行からホテルへ転職した頃から、「インバウンド事業に関わりたい」と思っていた。そんな矢先、2005年、自転車で街を案内する外国人旅行者向けの都市型ツアーが海外で人気だと聞き、東京で始めてみようと考えた。翌2006年、4台の自転車を購入し、会社を興した。

最初の1年はなかなかお客さんが来なかったというが、今では連日、予約でいっぱいという人気の店に成長した。ウェブサイトは英語のみ。口コミで広まり、世界各地から、毎日メールが入ってくる。

「最初は、本当にありがたいことに丸の内ホテルの社長がたった一人、理解してくださって、丸の内ホテルの玄関前を、ツアーの出発地点にしてよいと言ってくれました。そこで当時は、自転車を保管していた新橋から丸の内まで、自転車2台を両手で持って、ひとりで何往復も走りました(笑)」念願叶って自分の店舗を茅場町に持てた時は、「自転車を運ぶ必要がなくなって、なんて楽なんだろうと思った」という。

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店は、裏手が亀島川に面している。そのロケーションを生かして、カヤックのツアーも始めた。「人力シリーズということで、自転車、カヤック、ランニングと、今は3つのツアーをやっています」。次は、何のツアーを始められるか、仲間とあれこれ話すのも今は楽しい、という。

会社を興してから今までを振り返って、「何か新しいことを始めるには必ず障害があるけれど、その打開策が必ず生まれる」と、肥塚さんは言う。振り返ってみると起業の時は、自転車ツアーをやりたい、と思ったら事務所を間借りさせてくれる知人が現れた。自転車をひとりで遠くまで運ぶのに苦労していると、なんとか家賃を払えるぐらいの店が見つかった。そしてカヤックのツアーを始めた時はカヤックを目の前の川まで運ぶのが大変だった。「そうしたら、亀島川に面した医院が立ち退くので、大家さんが、ここを借りませんか、と言ってくださって」

動いていると、道は自然と開けてくる、と実感している。「今は生活も、仕事も、全部楽しい」という肥塚さんの今の夢は、リタイア後、自転車ツアーに来てくれた外国人を訪ねて、家族と世界一周をすること。「きっとそんな日も来ると思っています」

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Tokyo Great Cycling Tour
東京都中央区新川1-3-2
TEL:03-4590-2995

Square編集部
文:野田香里
写真:Cedric Riveau

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