経営者にとっての年末調整〜提出書類編〜

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経営者や経理業務に携わる人にとって、年に一度の年末調整は行事と言っても差し支えがないくらい大仕事ではないでしょうか。以前の記事、押さえておきたい!経営者にとっての年末調整では年末調整の基本の流れを紹介しました。今回は、経営者(「給与の支払い者」と国税庁では定義されています)として、具体的にどの様な資料の提出が所轄税務署や市区町村に求められているのか、を解説していきます。

情報は随時変更される可能性がありますので、国税庁のホームページで最新の情報を確認した上で実際の手続きを行ってください。

参考:平成29年分 年末調整のしかた(国税庁) 

従業員から回収する書類

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まず年末調整を行うためには、給与の支払い者は11月頃から、従業員に2種類の関連書類を配布し、従業員に記入してもらった上で回収をします。従業員の記入が必要な書類は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2つです。

給与の支払い者は、書類の記載内容に基づき「源泉徴収税額表」との不一致分(過納額や不足額)を精算をし、その分の徴収税額を税務署に納付する必要があります。年末調整の結果、納付する税額が0円になった場合でも、必要な事項を記載して、所轄の税務署に書類を提出しなければなりません。

所轄税務署に提出する書類

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給与の支払い者が所轄の税務署に提出する書類として、主に以下の4つがあります。

1)所得税徴収高計算書(納付書)

給与、退職手当、税理士・弁護士・司法書士などへの報酬について源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税を納付するときに使用します。

つまり、源泉徴収した所得税を国へ納付する際に使用する、計算書を兼ねた納付書です。源泉所得税の支払いを毎月おこなっている事業主なら、利用する様式は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」になります。

納付書の様式に従って、俸給・給料等や賞与、税理士等の報酬など合計6つの区分ごとに、それぞれの項目の記入します。12月もしくは1月の給与で過不足額の調整をし、税務署に従業員の所得税を納めます。提出期限は、給与などを支払った翌月の10日までです。

参考:所得税徴収高計算書(納付書)の記載のしかた(国税庁)

2)給与所得の源泉徴収票および退職所得の源泉徴収票

各従業員に支払った給与や賞与などの総額、所得控除額、源泉徴収額などを記したものです。各個人への年末調整の結果がまとまった表ともいえます。

年収から適用される給与所得控除を差し引き、更にそこから社会保険料控除や生命保険料控除、扶養家族控除、基礎控除などの各種控除を差し引きます。残った金額に課税所得と復興特別所得税をかけて、源泉徴収税額を計算します。

また、従業員が退職した場合、支払いの確定した退職手当等の金額や源泉徴収税額などを記載した「退職所得の源泉徴収票」を退職後1か月以内に税務署長に提出します。この場合、 その年中に退職した従業員の源泉徴収票を取りまとめて、翌年1月31日までに税務署長に提出しても差し支えはありません。

参考:給与所得の源泉徴収票の記入の仕方・例(国税庁)

3)支払調書

支払調書にはいくつか種類がありますが、代表的なものが「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。これは企業が同じ個人事業主などに5万円以上の報酬を支払った際に発行するものとなります。

1月1日から12月31日の間に個人事業主などへ支払った、報酬額と源泉徴収額を記載します。以下の条件に当てはまる場合は、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出が義務付けられています。

・外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬、料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬、料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの。社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの。
・馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額
・プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの。
・弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの

このほか、「不動産の使用料等の支払調書」「不動産等の譲受けの対価の支払調書」等もあり、場合によって提出が必要になります。支払調書の提出期限は1月31日です。

参考:報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等(国税庁)

4)法定調書合計表

法定調書とは、「所得税法」「相続税法」「租税特別措置法」「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により、税務署に提出が義務づけられている資料のことです。法定調書は全部で59種類あります。

前述した「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」も法定調書にあたり、作成した法定調書の合計を集計したものが法定調書合計表です。

法定調書合計表には以下の6つがあります。

給与所得の源泉徴収票合計票
退職所得の源泉徴収票合計表
報酬、料金、契約金および賞金の支払調書合計表
不動産の使用料等の支払調書合計表
不動産などの譲受けの対価の支払調書合計表
不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書合計表

法定調書合計表は、作成した法定調書とともに税務署へ提出します。提出書類は、書面による提出の代わりにe-Tax(国税電子申告・納税システム)や法定調書の記載事項を記録した光ディスク等(CD、DVDなどをいいます)を提出することもできます。1月31日までに、法定調書合計表を所轄税務署に提出する必要があります。

参考:法定調書の種類(国税庁)

また、国税庁では年末調整のしかたを分かり易く解説する手引きのビデオも作っています。基本の部分は、ビデオで効率よく学ぶこともできますので、経営者の方々は必見です。法定調書の訂正・追加方法の指示もあります。ぜひ参考にしてみてください。

参考:インターネット番組(Web-TAX-TV)(国税庁)

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市区町村に提出する書類は以下の1点のみです。

給与支払報告書

前年の1月1日から12月31日までに従業員に支払った給与支払金額や事業所の連絡先などを記載した報告書です。給与を支払った年の翌年1月1日時点で、従業員が住んでいる市区町村に、1月31日までに提出します。たとえば、2017年の給与支払分については、2018年の1月1日時点の住所所在地の市区町村が提出先になります。退職した従業員に関しても退職所得に係る「特別徴収票」を提出します。

年末調整をスムーズに行うには、提出期限を念頭に置いて、なるべく早めに従業員から提出書類を回収することから始まります。各提出書類作成の際には、控除などを正しく計算するほか、正確に数字を記入していく必要がありますので、かなり緻密な作業が必要とされます。年末調整に何が必要かの全体像を把握した上で、計画立て、年に1回の行事を乗り切りましょう。

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執筆は2017年12月8日時点の情報を参照しています。
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