【商いのコト】ペンションを舞台に受け継ぐ親子のバトン ー ウィークエンドシャッフル(後編)

成功も失敗も、すべては学びにつながる。
ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。4回にわたり、家族でペンションを経営されている方々をご紹介します。親から子へと受け継がれていくバトン。地域やお客様、家族に対する思いや彼らの生き方は、きっと私達にもヒントを与えてくれるはずです。

つなぐ加盟店 vol. 37
ウィークエンドシャッフル 古屋哲平さん

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家族と共に地元でペンションを経営している方々を紹介する特集。今回は、河口湖にあるペンション『ウィークエンドシャッフル』のオーナー・古屋哲平さんにお話を伺った。

父がはじめたペンションを継いでオーナーとなった古屋さん。前編では、古屋さんがペンションを継ぐことになった経緯を紹介した。後編では、ウィークエンドシャッフルにお客様を呼び込むためにしている工夫、商いの苦労や楽しさ、そして古屋さんの商いに対する思いを紹介する。

前編はこちら

商いの苦労を経て、原点に立ち返る

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「ありがたいことに、お客様からは『友達や親戚の家みたいでくつろげた』と言っていただけることが多いんですよ。」

そう笑顔で話す古屋さん。しかし、ウィークエンドシャッフルの経営を軌道に乗せるまでの道のりは平坦ではなかった。オーナーになった当初は、閑散期の冬になるとお客様の数が大きく落ち込んでしまう問題に頭を悩ませていたという。

「働いても、働いても、お金に余裕がありませんでした(笑)。『これだけ頑張っているのにどうして?』と何度も弱音を吐きたくなりましたし、当時は本当に苦しかったです。」

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古屋さんが経営に悩んでいても、父が口をはさむことはなかった。お客様を呼び込む方法に悩む古屋さんを救ったのは、海の家での経験だったという。

「海の家で働いていたときは、『短い滞在時間中に最大限にお客様に楽しんでもらうためにはどうしたらいいか?』をひたすら考えていました。でも、いざ実際に自分がペンションを経営してみると、金銭面や口コミの評価などが気になって、お客様だけに意識を向けるのが難しいんです。僕は海の家で学んだ“原点”に立ち返ろうと思いました。」

古屋さんは富士山を見に来るお客様のために、富士山が綺麗に見える場所や地元の飲食店を見て回り丁寧に調べた。そして、富士山の撮影ポイントを教えたり、自分がその場所にお客様を連れて行ったりするようにした。すると、次第に『オーナーがとても親切でいろいろ教えてくれる』という評判が口コミやSNSで広がり、特に宣伝をしなくてもお客様の数が増えていったのだという。

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「たくさんのお客様と接するうちに、『お客様の期待値を超えることが大事なんだ』と気づくことができました。例えば、富士山を見に来るお客様の期待値は、『綺麗な富士山を見ること』。そんなお客様に『富士山が夕日に染まるタイミング』を教えてあげると、期待以上の満足感を持っていただけますよね。お客様が求めるものを理解し、期待値を超える努力を意識して行うようになってから、少しずつではありますが経営が安定していきました。」

古屋さんは、すべてのお客様を富士山が綺麗に見えるスポットに連れていくわけではない。お客様の中には、自分たちだけで観光を楽しみたいと考えている人もいるからだ。お客様の気持ちを理解し適度な距離感を保つ心配りが、お客様が居心地良く過ごせる秘訣なのだろう。

「お客様から愛されているなと感じています」

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▲宿泊したお子さんが古屋さん宛てに描いた絵やメッセージ

ウィークエンドシャッフルのオーナーになってから9年目を迎える現在、古屋さんは商いを楽しいと感じているそうだ。

「お客様から愛されているなと日々感じています。子どもにお土産を持って来てくださるお客様もいますし、何度も泊まりに来てくださるリピーターのお客様も多い。僕自身がなかなか同じところに何度も宿泊しようと思わないことを考えると、とてもありがたいことだなと思うんですよ。毎年泊まりに来てくださるお客様とお互いの子どもの成長を見せ合うのが恒例行事になっていたりもして、楽しいです(笑)。」

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▲消しゴムで作ったはんこ。宿泊するお子さんが楽しめるように、動物や植物などさまざまな種類がある

古屋さんには、現在小さな子どもが3人いる。古屋さんは子育てに注力する妻・由希枝さんへの感謝の言葉を口にした。

「カミさんには頭が上がりません。今こうして幸せでいられるのも、周りの人に恵まれているおかげだなとつくづく思うんです。オーナーの特権で、自分で好きなときに休みをとることができるので、これから家族をいろいろなところに連れて行ってあげたいなと思います。」

古屋さんが商いをはじめて苦闘していた当初から、上手く軌道に乗るようになった現在に至るまで、父からウィークエンドシャッフルの経営について助言されたことは一度もなかったという。

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「口出しはしないと決めているのでしょう。でも、近所に住む人が父に『息子さん、頑張ってるみたいだね!』と言ってくださっているようなので、『よしよし、頑張ってるな』くらいには思ってくれているんじゃないですかね。あまり喋らないので分かりませんが(笑)。」

少し照れながら語る古屋さん。父が経営に対して口を出さないのは、古屋さんに対する信頼の表れではないだろうか。『人と対面で接する仕事がお前には向いている』という言葉が、そう物語っているような気がした。

僕たちがハッピーになって、それをお客様に還元する

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今後の展望について聞かれた古屋さんは、自らが考える理想の生き方を語ってくれた。

「自分たちが楽しいと思っていることをして、それが商売になったら最高ですよね。今までは『どうやったらウィークエンドシャッフルにお客様が来てくれるか』を中心に考えてきましたが、これからは『どうやったら僕たち家族がハッピーになれるか』を中心に考えたい。僕たちがハッピーになって、それをお客様に還元する。そんな生き方を目指したいと思います。」

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古屋さんはこれまでの人生で経験したさまざまな出来事から商いに生かせる点を柔軟に吸収し、活かしてきた。最後に語ってくれた『僕たちがハッピーになって、それをお客様に還元する』ことは、決して簡単なものではないだろう。しかし、困難な状況を乗り越えてきた古屋さんなら、きっと実現してくれるに違いない。

前編はこちら

ウィークエンドシャッフル
401-0304
山梨県南都留郡富士河口湖町河口2958
TEL:0555-76-6664
FAX:0555-76-6627

(つなぐ編集部)
写真:鈴木香那枝


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