【商いのコト】特集:暮らしと商いと夫婦のバランス——Dongree (後編)

成功も失敗も、すべては学びにつながる。
ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。今回から2回にわたり、京都でコーヒーにまつわる商いをする2組の夫婦をご紹介します。家族や友人、部下や上司。商いをする人の影には、必ずそれを支えてくれる人の存在があります。あなたにとってそんなパートナーは誰でしょうか。2組の夫婦が持つバランス、生き方、働き方は、きっと私達にもヒントを与えてくれるはずです。

Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店(後編)
前編はこちら

つなぐ加盟店 vol.23
Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店
柴崎友佑さん、柴崎寛子さん

「予想以上に楽しい」と語る友佑さん。「家では弱っていることがよくある」と寛子さん。

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3年間の自問自答の日々を経て、2016年4月にオープンしたDongree。実際にお店を始めてみて、どのような感想を抱いているのだろうか。友佑さんはこう語ってくれた。

「自分が最初に思い描いた程度には上手くいっています。あと、これは予想していなかったことなのですが、お店を好きと言ってくれる人達に囲まれて、自分自身も楽しむことができているんです。これは嬉しい誤算ですね。」

日々お客様と接し、美味しいコーヒーを提供する友佑さんは、明るく希望に満ちた表情をしていた。しかし、そんな店主の姿を1番近くで見てきた寛子さんは、お店を生計の糧にしなければというプレッシャーにつぶされそうになる、友佑さんの苦悩の姿を敏感に感じとっていたようだ。

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「お店をやり始めるまではいい意味の緊張感があったのですが、やり始めてからの主人は ちょっとピリピリしていたかな。美味しいコーヒーが出せているのかどうかとか、接客のこととか、悩みはいろいろあったみたいで。今でも、家で弱っている様子を見ることはよくありますね。」

友佑さんの辛そうな姿を、傍で見てきたという寛子さん。
思い悩んでいる友佑さんに対して、家ではどのように接しているのだろうか。

「私は特に何もしてないです。喋りたがらないときはそのままそっとしておいたり、ご飯を普通に食べたりお茶をしに外に連れ出したり。いつも通りに振る舞っています。」

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▲店内の休憩用のスペースで、ゆっくりとコーヒーを楽しむことができる。外に目を向けると、園児や学生、近所に住む人の生活の様子が見られるため、「ここには日常があるね」と思わず口にしたお客様もいるのだとか。

意外なことに、寛子さんの答えは『何もしていない』。しかし、それが友佑さんにとって1番いい接し方なのだということが、続いての話題で明らかになる。

互いの性格についてどう思っているのか

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柴崎さん夫妻は、お互いのことをそれぞれどのように思っているのだろうか。まずは、友佑さんが寛子さんに対して抱いている印象を語っていただいた。

「とにかく明るくて愉快な人ですね。僕が沈んでいる時には、明るくしようと振舞ってくれることがよくあります。無言で家の中でイライラしてしまうことがあるんですけど、もし僕がその立場だったら、なかなか話しかけづらいと思うんですよ。でも、そういうときに冗談を言ったり、笑顔で話し続けたりしてくれるので、元気をもらえています。」

仕事で辛いことがあって落ち込んでいるときに、明るく振る舞い元気を与えてくれる寛子さんは、友佑さんにとってかけがえのない存在であることがよく分かる。寛子さんの先ほどの発言にあった『何もしていない』というのは、『いつも通り明るく振る舞っている』ということだったのだ。

一方寛子さんは、友佑さんの性格についてどのように考えているのだろうか。

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「優しいし真面目ですね。人に頼られると真摯に向き合うというか、もっと気楽にやればいいのにって思うようなことをとことん真剣に考える人だと思います。相談されたら本当に真剣に答えてあげるというか、そこまでするのかっていうくらい面倒見がいい。

友達の結婚式にウェルカムボードのようなものを作ってと頼まれたときに、普通のウェルカムボードを作ればいいのに、それを立体にして光らせて回せるようにしていたんです(笑)。とても喜んでもらったみたいですが、そこまで人のためにできるのは、本当にすごいなと思いますね。」

人に対してとことん真剣に向き合う友佑さんと、どんなときでも明るく振る舞い周りを癒す寛子さん。夫妻の絶妙なバランスが、Dongreeを上手く回していくための秘訣になっているのだろう。

すべてを“ナイス”にし、丁寧な暮らしと仕事を実現したい

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オープンから1年余り経った現在。
これからの目標について、友佑さんはこう語ってくれた。

「『すべてをナイスにしたい』という、テレビを介して一度だけ耳にした日本人コンシェルジュの言葉がとても好きなんですけど、それをもっと実践していきたいです。余裕があるないにかかわらず、ここに立って空間を共有する以上お客様みんなをナイスにする。今は、お店に立っているときはスイッチが入って頑張れるのですが、お店から外に出ると、余裕のない自分が出たりするんです。だから今はまだそのレベルに至っていないですね。」

どんなときにも、店に来てくれるすべてのお客様をナイスにする。寛子さんが語ってくれた真面目な性格がよく表れている目標だといえる。そして、友佑さんが最終的に実現したいと考えているのは、丁寧な暮らしと仕事を実現させることだ。

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「職と住を一体化させて、暮らしも仕事も丁寧にしていくのがDongreeの最終目標です。立ち上げてからまだ1年ちょっとにもかかわらず、来てくれる人たちがたくさんいるのはすごく嬉しいです。具体的なものとしては、今やっている暮らしの道具店をもっと大規模にやっていきたいですね。コーヒーだけでなく、そちらの面も精力的に活動していきたいです。」

最後に、寛子さんに対してこんな一言も。

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「妻には、『あともうちょっとやで。もう少し頑張ったら、ゆとりができるはずだから。』と、いつも心の中で言っているんですよ。あ、今までは心の中だけだったのに、本当に言ってしまいましたね(笑)。」

寛子さんの支えなくしては、お店を上手く経営していくことは難しい。
互いの良さを認め合い、感謝し合い、支え合っている夫妻の関係こそがDongreeの美味しいコーヒー・空間を生み出している秘訣なのではないだろうか。

友佑さんが最後に語ってくれた「すべてをナイスにする」という言葉。来店するお客様に向けた言葉ではあったが、この“すべて”の中には、きっと寛子さんも含まれているに違いない。

Dongreeのコーヒーを、1度畳に座って飲んでみる。そして、コーヒーを淹れる友佑さんの背中を見てみよう。店主としての確固たる決意と、その裏で友佑さんを支える寛子さんの存在を感じることができるはずだ。

Dongree コーヒースタンドと暮らしの道具店
京都市東山区池殿町214番地4 青春画廊1F
(大和大路通五条上る一筋目東入→一筋目上る50m)
075-746-2299
平日 8:00〜17:00/土日祝 9:00〜18:00/定休日 火・水

(つなぐ編集部)

写真:牛久保賢二

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